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法制審家族法制部会第16回会議議事録2~池田委員・窪田委員・原田委員

えーだけで、いいねが集まる

この「先送り」の間にも議論が活発になるのはいいことに思う

いろいろと止まらない

子ども世代も動き出す、が、いやもっと困窮レベルが深刻だ

今夜はウェビナー

でも、もう16の方を読み進めていく

○大村部会長 ありがとうございます。
 ただいま、事務当局から部会資料16-1などにつきまして説明がありましたけれども、本日は部会資料16-1を二つに分けまして、すなわち、まず第1から第3まで、そして第4と第5という順で、御議論を頂きたいと思っております。
 まず、第1から第3の方の意見交換に入りたいと思いますけれども、それに先立ちまして、皆様にお願いかたがた、事務局の説明を聞いた私の所感を、簡単に述べさせていただきたいと思います。
 一つは、議論の進め方についてでございます。従前、中間試案の取りまとめに向けて、これまでなお十分に意見を表明することができなかった点についての御発言を伺うこともあるべしと申し上げてきました。そのような心づもりには変わりありませんが、中間試案をまとめるという観点から、具体的な項目についてどのようにするのがよいのかという形で御発言を頂けますと、大変幸いに存じます。
 もう一つは、資料の作り方についてでございます。先ほど事務当局の方から御説明がありましたけれども、特に資料の第3の部分が、様々なものを含んでかなりの分量になっております。この部分の資料の作り方ですが、最初は、離婚等の場合において、父母双方を親権者とすることの可否という点から入りまして、だんだんと細かい問題に進むという形になっております。この部会での議論は、従来は個別の問題についての議論を積み重ねるということでやってまいりましたけれども、法改正に向けて案を取りまとめるということになりますと、書き方としてはこのような書き方になってまいります。中身については、先ほども御説明がありましたけれども、様々な案があり得るところです。それを法改正に向けて整理したために、このような形になっていると受け止めていただき、御議論をお願いできますと幸いでございます。
 それでは、議論に入りたいと思いますが、繰り返しになりますけれども、パブリックコメントで国民の意見を聞く中間試案として、どのようなものがよいかということで取りまとめてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 4時ぐらいまで第1から第3までについての意見交換を行いまして、その後、残りの時間で第4、第5に進むということを、一応想定しております。休憩は、4時頃を予定していますが、できればその前にもう一度ぐらい入れたいと思っております。
 前置きが長くなりましたけれども、資料のうちのまず第1から第3までにつきまして、御意見を頂きたいと思います。御発言のある方は、どうぞ。

中間試案を意識して


○池田委員


 弁護士の池田でございます。それでは、第1の1から意見申し上げたいと思います。
 ここで、私、(注2)に書いてある子の意見又は心情の尊重というところは重要と考えております。確かに、親子の間の実体的規律の中で、意見聴取するといった手続的な規律を入れ込むということについての違和感というのはあるところです。ですから、例えば、意思や心情の把握や聴取といった点は親子のやり取りに任せるとして、表明された意思があれば尊重しなければならないという規律を設けることはできるのではないかと思います。具体的な書き方としましては、第1の1の子の最善の利益を考慮という前に、例えば、「子の意見又は心情を、その年齢や発達の程度に応じて尊重しつつ」などと入れてはどうかと思います。以上が、第1の1についての意見です。
 それから、第2の1についてです。この点は、補足説明を拝見しますと、二つほど考え方が具体例として示されていましたが、親権のうち、身上監護権が全て監護者に帰属し、残った財産管理権は親権者に残るという伝統的な考え方と、それから、重要事項は親権者に決定権があり、日常的な事項は監護者に決定権があるという、二読で提案された考え方があると思います。あるいは、補足説明にはありませんでしたが、監護者が身上監護権を有するけれども、日常的事項については財産管理権まで有するという考え方も、理論的にはあるかなと思います。仮に、監護者が身上監護権全部を持ちますという伝統的考え方によりますと、親権者に残るのは財産管理権となります。そうすると、この第3の論点に関係してきますけれども、双方関与といったときのその対象は、財産管理になってくるだろうと思うんですね。つまり、財産管理について双方関与するということになってくるのかなと思います。ただ、これまで双方関与について議論をしてきましたのは、主として身上監護についてであったと理解していますので、これまでの議論と方向性がかなり変わってくるのではないかと思います。
 こういうふうに親権者と監護者の権利義務関係の整理の仕方によっては、この後の議論の中身が随分異なってくるのではないかと思います。そういうことを、国民が理解した上で議論を進められるというのが望ましいのではないかと思いますので、親権者と監護者の権利義務関係については、幾つかの考え方を本文中で示して、いずれがよいのかという提案をすることも考えられるのではないかと思います。仮に、今挙げられている解釈に任せるという案も、もちろん選択肢の一つとして挙げていくというのもよいかと思っています。以上が第2の1についてです。
 ちょっと長くなって申し訳ありません、第3の1、2の辺りについて申し上げたいと思います。第3の1の具体的規律は、第3の2で双方親権を原則とするか、単独親権を原則とするかによって変わってくるのではないかと思います。例えば、現在の第3の1の(3)では、親権は何もなければ母が行うとなっていますし、(4)は、やはり母が原則として行うというように読むのが素直かなと思います。そうすると、第3の2の議論を先取りしているのではないかとも思われますので、そこの整合性をちょっと保ったような書き方も必要かなと思いました。例えば、第3の2の甲①、甲②案のところの認知の場合というのは、もう既に1の(4)で結論が示されているとすれば、2の甲①、甲②のところから認知の場合というのは除いてもいいのではないかと思います。
 次に、第3の3について申し上げます。第3の3の(1)についてですけれども、ここで、監護者指定の要否の論点が挙げられています。確かに資料12における双方が親権を持つ場合に、必ず一方を監護者に指定するという提案に対しては、双方が監護者となる選択肢を排除すべきでないという御意見があったことは承知しています。ただ、従来、離婚後双方関与の議論をしていたのは、現実の監護を共にするかどうかというのではなくて、飽くまで決定の場面の双方関与であり、そのことが、資料でも明示的に示されてきたように思います。そのような経緯を考えますと、中間試案で現実の監護を共同するという考え方を組み込んで、3の(1)でA、B、Cと書かれていますけれども、ちょっと唐突な印象を受けました。ここは、監護権を双方が持ち得るということは、外出しの案として、例えば、双方が親権を有する場合に、必ず一方を監護者と定めなければならないとするのか、それとも、監護者を定めることを必要としないとするのか、二つの考え方があるけれども、どうかという趣旨の問いの立て方ということが考えられるのではないかと思います。
 ちょっと長くなりましたが、以上でございます。ありがとうございました。
○大村部会長 ありがとうございます。池田委員からは4点、具体的な御提案を頂いたと理解をいたしました。
 第1の1、子の最善の利益の前に、子の意見や心情に関する文言を織り込んだ方がいいのではないかという御提案、それから、第2の1について、整理の仕方によってはその後の部分に影響も生ずるので、考え方を本文に列挙した方がいいのではないかという御意見、3番目に、第3の1と2の説明が整合しているかどうか、チェックをする必要があるのではないかという御指摘、最後に4番目が、第3の3で、共同監護がこのような形で本文に出てくるのはやや唐突なので、その扱いを変えるということも検討すべきではないかという御意見、この4点だったかと思います。ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。

迷子になってるよね・「伝統」が歪だからね

○窪田委員

 今の池田委員の御発言とも重なる部分があるかと思うのですが、第2の部分について、私自身はちょっと居心地が悪いなと感じております。というのは、第2の1のところで、親権者と監護者の関係について、現行民法の766条4項等の規律を維持すると、ここで言ってしまっているのですが、この問題は、基本的に離婚した場合にどういうふうな関係になるのかということに関して、現行では単独親権であり、単独親権者以外に監護者を定めるということを前提となっている規定なのですが、第3の議論を踏まえた上で、それが本当に維持されるのか、つまり、2人ともが、双方が親権を有するとした上で、監護者を定めた場合はどうなるのかということを規定するという可能性があるときに、766条をそのまま、取りあえず維持しましょうとなるのかというと、それ自体も見直しの可能性があるのではないかと思います。今のことと同じことになると思うのですが、共に親権を持つという場合の監護権者との関係というのも、多分、一方を親権者と定めて、他方を監護者と定めるという場合にも、関係してこざるを得ないのだろうと思います。その点では、少なくとも第3の議論を踏まえた上で、それと平仄が合うような形で、第2の1の部分を規定しないといけないのだろうと思います。その点で、ここで766条4項は取りあえず維持しましょうというのは避けた方がいいだろうなと感じております。
 もう一つは、やはり第2の2の部分なのですが、現に子を監護する者についても、これは多分、親権者、監護者の定めをするような場合、あるいは、一方のみが親権者の場合であったとしても、離婚後、補足説明の方では面会交流のような場面を想定しながらということがあったのですが、これらの問題も、恐らく第3の枠組みの中で扱わざるを得ないのではないかなという気がしています。したがって、中に書いてあることがどうかということよりは、少なくとも扱う部分について、もう少し整理していただく方がいいのではないかと感じております。
○大村部会長 ありがとうございます。先ほど池田委員から、第2の部分は、第3以降に影響を与えるのではないかという御指摘ありましたが、窪田委員からは、第3を議論した結果として、逆に第2の方が変わるということがあるのではないか、そのようになり得るということを織り込んだ形で書いておく必要があるのではないかという御指摘を頂いたと理解をいたしました。ありがとうございます。
 そのほか、いかがでございましょうか。

窪田委員はわかっている さすが 民法766条は廃止へ

○原田委員

 私も今、池田委員や窪田委員がおっしゃったようなことと近いんですが、やはり第2の解釈に委ねるとした場合、これは、法律家だけではなくて一般の方が意見を出すとしたら、先ほど事務局で御説明がありましたように、伝統的な考え方になったらどうなるのかということと、それとの不都合でこうした方がいいという意見があるということを、きちんと明示した方がいいのではないかと思います。
 それから、そういう意味では、従来、前から意見が出ましたけれども、単に親権というのではなく、例えば、ここで説明されたように、監護権と財産管理権と、監護権というのは身上監護ですね、と法定代理権というような形で明確にした方が分かりやすいのではないかと思います。
 それから、16-1の3ページの(注1)とか5ページの(注1)のところで、親権や監護権の内容を当事者が決められるような規定、考え方が示されているように思うんですが、これはどういう場面を想定しているのでしょうか。現実に仲の良い元夫婦が何かを決める場合に、共同してできますよという事実上の問題であれば問題ないんですけれども、法律に定めるということになると、協議できない場合にどちらに決定権を与えるのかという場面の問題になりますので、親権や監護権の内容を当事者が勝手に決めていいということになると、公示の問題とか、特に財産権の行使や医療同意、最近ちょっと聞いたんですけれども、コロナワクチンを接種するのに親の同意書が取られるということがありますけれども、それに権限があるかとかいうふうに、相手は調べなければならないということになるので、このような意見があるとしても、これを選択肢として示すことはいかがなものかと思います。ここはもう混乱を招くだけではないかと思いまして、(注)からも外していいのではないかと、私は思います。
 それと関係で、先ほど言いましたけれども、こうなった場合に、公示といいますか、共同となった場合にほかの人はどうやって知ることができるのかについては、全く触れられていないので、そうなった場合に、現実にはどうなるのかという疑問が起こるのではないか、それについても示した方がいいのではないかと思います。
 それから、16-1の3ページで、第3の2の親権者の選択の要件なんですけれども、これは、先ほど池田委員がおっしゃったとおり。
 それから、4ページの父母双方が親権を有する際の親権、監護権の行使というところで、ここでは、甲①、共同で親権を行使する場合ということが前提として書かれていますけれども、理論的には、単独の親権でも、監護権は共同して行うということもあり得るので、ここで、共同で行う場合と限定する必要はないのではないかと思いました。
○大村部会長 ありがとうございます。原田委員からは3点御意見を頂きましたけれども、最初は、直前の2人の方々から御指摘があった点で、第2について、現在どういうことになっているのか、ある考え方を採るとどうなるのかということを示した上で、国民の意見を聞いた方がいいのではないかという御指摘。あわせて、親権という言葉を分解して使った方がいいのではないかという御指摘もありましたけれども、それは、(前注)に係ることでしょうか。具体的な御提案としては、親権という用語について、これを一括したものとして扱うのではないという考え方を書き込んだ方がいいという御意見でしょうか。
○原田委員 説明のところで結構です。
○大村部会長 分かりました。説明に当たって、中身を分けて書いた方が分かりやすいだろうという御指摘と受け止めます。
 それから、二つ目は親権、監護権の内容を当事者が決められるといったことが出てくるけれども、これについては公示の問題もあるので、(注)からも外した方がいいという御意見だと伺いました。それとの関係で、公示の問題について説明が必要ではないかと御指摘もいただきました。
 最後に、4ページの3の規律は、親権者が一方になる場合についても問題として出てくることがあるのではないか、そのことも含めた書き方にする必要があるのではないかという御指摘だったかと思います。
 ありがとうございます。まだ皆さんからたくさん御意見があると思いますけれども、今まで伺った御意見で感じたことは、資料は、それぞれのところが、あるまとまりを持った形で書かれていて、別のところと有機的に連動した形には必ずしもなっていません。それぞれのところで様々な選択肢を示しているために、そのようにならざるを得ないところがあるのだろうと思います。その結果として、具体的にどこか決めていくときに、他の部分も併せて直さなければならないということが出てくることになるだろうと思います。今の段階で、それについて全部を手当てするとなると、資料はかなり煩雑なものになるのではないかと思います。そこで、連携が図れるところは図るけれども、十分に図れないところについては、今後そうしたところについては必要な調整をしていくことが想定されていることを、説明の中で書いていただくということが、全体としての対応として必要ではないかと思って伺っておりました。そういう方向で、この先考えていきたいと思います。
 皆さんの発言を遮りましたが、続けて御発言をいただきます。

単独親権でも共同監護可を原田委員が!!

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