見出し画像

「夫婦のこと」と「親子のこと」を切り離す共同親権

共同親権に関していろいろ言及してきた

先週は共同養育に関して地上波で大々的に取り上げられたり,一挙に加速していく

若干,まだ共同養育の優等生像に寄っているような気もする 理想的だが,それがかえってハードルを高くしてしまうと,まだまだ,共同養育が特別なものになってしまう

もっと幅広く,自由であり,カスタマイズがきくこと,できるところから少しずつでも構わないというアプローチが望まれる これから裾野が広がることで,期待が膨らむ

直接会うのは苦手だけど,LINEでスタンプでやりとりができる,なんていうのはほほえましいクラス

直接会うことはできるが,ただし,審判廷にて。お互いの呼び方は申立人と相手方。やりとりは,裁判所を介した書面で。

こういうことを笑い話に言えるくらいに普及するまではもう一歩,か。

共同養育@裁判所バージョンでも結果,子どもの目線で,パパもママも,が達成していれば,隠れた優等生ではないか!と謎の自信が湧いてきた!!

これも,呪いのような書面が届いていたおかげである。

おかげで,心は少し,悲しい色合いにもなった。

正直まだ揺れる

でも,かさぶたが剥がれていけば,きっと癒えていく気もしている

呪い呪われて,それが離婚という夫婦関係の解消に伴う大きな傷だ

この爆風が激しすぎて,子どもを巻き込むわけにはいかない

これは,単独親権制でも共同親権制でもしかりである

どっちも,子どもを大切にしようとしている

ただ方法が違う

単独親権制では,だから,離婚を回避する

父母と子どもの家庭を特別に尊重していく

共同親権制では離婚はただの夫婦を解消する大人の事情に過ぎない

法律や制度,教育やケアと言った工夫を凝らして親子関係は守っていく

タイトルのとおり,「夫婦のこと」と「親子のこと」を切り離すのが共同親権だ

共同親権と共同養育の関係

並列して語られがちだが,共同親権があれば共同養育ができるものでもないとも説明されるし,共同養育だけでは足りず共同親権が最低限必要だ,と私は確信している

共同親権は,共同養育の社会化ともいえる

社会の責任として共同養育を普及させることが共同親権制の狙いである

文化を変えていく

これは,別居や離婚した初期状態では,わかりにくいのかもしれない

離婚してもパパもママも,ということは,父母が夫婦から他人になった段階だけではすでに別居している状態で,ふたつのおうちを受け入れていくだけであれば,劇的な変化は見えにくく,戸籍の問題に過ぎないのかもしれないとなると,共同親権と共同養育は似たようなものだ

父母の意識さえ合致すれば共同養育ができる

これが,単独親権制のままでも共同養育ができればいいじゃないかという足踏みをもたらす

共同養育は,子どもが成熟するまでの長い期間の問題だから,そこで立ち止まっていてはいけないということである

夫婦が離婚したということは,独身になるということである

父母はそれぞれ,他の誰かと再婚する自由がある

参考に

離婚後半分くらいは再婚するらしい

再婚まではいかないけども晴れて独身なのだから,交際相手ができることも珍しくない

法律婚の尊重から非婚差別をして離婚を躊躇させることは,家族を拘束することにある

その離婚を解放すれば,家族は新しいメンバーを取り入れて編成されていく

この辺の研究は,とっくに完結していて,諸外国では当たり前に存在するパッチワークファミリーを尊重することで,あまり問題とはされていない

共同親権が鍵となって,家族の再編成を許すということは,家族に血縁関係の有無に限定されない複雑多様な人間関係があることになるゆえ,だから共同親権が必要になる

単独親権制でも共同養育をできる人はすればいい,といった過渡期にあっては,ここが揺れる

離婚して,再婚が自由になって,家族が再編成される現象は,いずれの制度にでも起こりうる自然現象だ

だが,それをどのように扱うかは異なってくる

共同親権制では,あるがまま尊重した上で,子どもにとっての養育責任者は父母であるという理念のもと,その他継親等は,その父母の養育責任を理解し,サポートしていくことになる

子どもからしたら,支援してくれる大人が増えるだけで,ゆえに子の福祉が守られていく

こういう感覚は,まさにノンストップの番組内でも千秋さんのお子さんの声が紹介されていたことと重なる

単独親権制においては,あくまで家族の原則形態は,血縁関係を前提とする父母とその子たちという形式を尊重していくので,その他の類型については目をつぶる

戸籍制度を通じて,カメレオンのごとく,パッチワークファミリーを包み隠す

再婚養子縁組をありえないほど簡単に認めていく

養親との共同親権の中で,子どもの福祉を守ったことにする

実親子関係への配慮はせいぜい面会交流程度である

養育費については,養子縁組がある限り,実親の支払義務を後退させていく

これが,養育費未払い問題のリスクを招く

再婚率が高く,また再婚と養子縁組が連動するならば,多くの別居親は,離婚時に子が成熟するまでの期間の養育費の合意を定め,しばらくは送金していたとしても,多くは,合法的に養育費の支払い義務を免れていくということになる

親子であることは永遠に変わらないのに,子どもの監護親の結婚,それに伴う養子縁組を契機とするから,親自身がコントロールできない

支払う意欲がある親であっても,受取拒否となって,まして,親子断絶に至ることもある

養育費は支払わないが,面会交流は要求する,ということを裁判所でも肯定するとはいえ,要求をされた監護親がどう受け取るかはまだ常識としては確立していない

養育費を払わないこと(減額すること)こそ,法の理屈によれば(養親が第一次的な扶養義務を負う理屈)正当だし,養育費と面会交流は別次元のものという説明もあるから,そういう状況でも面会交流の要求があることも許されるはずにしても,不穏を招くことは想像できるだろう

金の切れ目が縁の切れ目となれば,どんなに理屈上面会交流が肯定されても,現実には,同居親の協力なくしては面会交流が実現しにくいとなれば,結局親子は断絶する

まして,継親が養親となって共同親権者として君臨するのであれば,発言権を与えてしまう

そうやって親子が断絶されてきた歴史を単独親権制は孕んでいる

親子断絶は辛くとも,結果として養育費の支払い義務を正当に免れるのであれば,それでよしとしてきた価値観も多かったろう

晴れて,養育責任を免れた身軽な独身として再婚する自由がより高まっていく

子ども目線を置き去りにして,家族の安定が優先されていく


法律婚の尊重が崩れれば,事実婚という形も選ばれやすくなるし,再婚とセットに養子縁組をするかどうかの選択肢も幅が出てくると,とたんに,自由を謳歌していた層が悩んでいく

子どもを監護する家族の形態が,再婚養子縁組か,再婚のみか,事実婚の実態があるか,単なる交際どまりか(同棲),遠距離恋愛か・・・それぞれの線引きが曖昧で,何せ別居親からではコントロールできない事情で,養育費支払義務の帰趨が変わるという運命に,耐えられるかどうかが,共同親権制を阻むことになる

苦しむのはひとり親家庭

彼氏ができて同棲した頃ならば,強気に,養育費の未払いを気にしないということもあるだろう

だが,たとえ再婚してもやはり離婚の可能性もあるし実際初婚夫婦の離婚率に比べたときに離婚を繰り返す可能性は決して低くない

一度再婚等したタイミングで,元夫の扶養義務から離れたとして,再婚後の離婚や彼氏との解消を経て,その事実を元夫に告知して,再度養育費を請求するということが容易だろうか

一度連絡を断っておきながら,再開することのハードルの高さは想像できる

離婚時に取り決めておくことが養育費未払いを予防する有効な手立てであることは周知され始めているが,それにしても,養育費の未払いは,単に支払わない別居親の人格によるとも限らないとわかる

一度養育費の支払が免れ,しかし,コントロールしえない事情で再び請求されるようなことがあること,その間の面会交流の実施状況を踏まえれば,円滑に養育費の支払が再開するとも限らない

これが,同居親の交際相手がいる状況か,再婚したか養子縁組をしているか外観ではわかりにくい状況で,少なくとも明らかにひとり親家庭とは言い難い状況でも,親として養育費を送金をし続けることの同意を社会は得ているか,が課題である

共同親権制においては,当然,養育責任を負うのは両親であるから,免れることはないだろう(その点はきめ細かい制度が担保されているかもしれない)

このコンセンサスが未熟な段階で,いくら父母の意見が離婚時に合致していたとしても,父母のそれぞれの新しいパートナーが登場することによって,さまざまな意見が飛び交い始めると,結局,養育費のあり方ひとつとっても,不協和音が走り始める

払う方はなるべく少なく受け取る方はなるべく多く

そもそもが対立的な状況で,どこかで理屈をつけて線引きをする作業を養育費の算定表などで努力してきたとしても,離婚後の子育てに関係してくる当事者が増えることによって,それぞれの思惑が飛び交うと大戦争が勃発するわけだ

養育費だって,家計から捻出されるので,別居親と再婚した妻の立場も他人事ではなくなっていく

養育費制度の強化の声は,困窮するひとり親家庭を出発にシングルマザーそして女性の声と調和するかもしれないが,最終的に,強化を求めないのも女性の立場になっていく 別居母が増えていけば一層,養育費制度の強化論は彷徨っていく

大人には様々な立場があるから迷走する

子どもの目線に立てばクリアになるだろう

婚姻費用になっていくとより一層問題は深刻である

再婚養子縁組さえあれば,養育費の支払いが免除・減額される状況で,見かけ上の差がほとんどない,不倫に伴う子の連れ去り親からの婚姻費用分担請求は,実は認容されていくということ

同じ別居親の立場でも,送金するかしないか,その額に大きな格差をもたらすことになる

戸籍上夫婦であるかどうかによって雲泥の差をもたらす

ここに面会交流ないしは養育権が確立していれば,別居親としては,早々に離婚することで解決をもたらしうるが,ひっかかるのは単独親権制である

離婚により親権を失い,養育権どころか面会交流も不安定かもしれないとなると不倫してすでに異性と生活を始めている配偶者の扶養義務さえ負担することになっていく

親権と扶養義務がセットになり,かえって理不尽で不合理な状況にあることがよくわかる

共同親権制の法整備が必要だ

子ども目線が解決する

子どもから見れば,たくさんの大人に支えられる中で,とりわけ特別な存在なのは父と母でしかない

父母が養育責任を負うのである

子どもの権利条約がそういっている

この記事が参加している募集

親子に優しい世界に向かって,日々発信しています☆ サポートいただけると励みになります!!いただいたサポートは,恩送りとして,さらに強化した知恵と工夫のお届けに役立たせていただきます!