気分のベースラインを上げる:睡眠
前回、気分よく生きることを目的に掲げた。今回からは気分よく生きる方法論を整理して行く。
良い気分に良い睡眠は必須
気分のいい状態でいるためには、良い睡眠は必須である。
ここ数年、睡眠の大事さはいろいろなところで語られていて改めて説明する必要はないでしょう。マジでそうさ。
しっかりと睡眠をとった翌日は気分のベースラインが高く、全ての活動が楽しく感じられるはずだ。逆もまた然り。マジでそうさ。
現在の睡眠を知る
睡眠をより良いものにするためには、まずは現在の状態を知ることである。
今はApple watchでもスマホでも睡眠を計測できるし、それ以外にも多くの睡眠計測デバイスが存在している。
睡眠時間、睡眠の深さ(レム睡眠/ノンレム睡眠)などを計測できるものが一般的であるが、私がお勧めするのがOura ringである。
現在、第4世代のリングが発売されている。そのほかのデバイスに比べ精度の高い心拍測定や、そこから得られるインサイトを提示してくれる完成度の高いアプリがあり、私は2017年の第1世代の頃から7年以上使い続けていて、もはや手放せなくなっている。
なぜなら睡眠の時間や深さだけでなく、心拍状態や体温の変化からコンディションを出してくれて、これが示唆に富んでいる。
例えば、いい睡眠をとって体や脳がしっかり回復できている時は、心拍数がしっかりさがり、心拍変動(心臓の拍動の1拍ごとの長さの変動を測定したもの)が高くなる。
この数値を見ることで、どれだけ質の高い睡眠が取れたかが一目でわかる。
また、食事の時間や、カフェイン摂取など、睡眠の質に関係するイベントをタグ付けできるようになっており、一定期間の間見て行くと、自分が良い睡眠を取るために重要な要素が見えてくる。
お酒を飲んだ日と、飲んでいない日の比較してみよう。
普段の心拍数。入眠時は60くらいで徐々に下がってい50程度になる。
普段の睡眠時の心拍変動。入眠時からこちらも徐々に上がっていく。
一方、会食にてお酒を飲んだ時の心拍数。入眠時は70を超えており朝の5時くらいまで徐々に下がっていくが、しかし最低心拍数は普段より高い。
お酒を飲んだ時の心拍変動。心拍数が下がるまでは心拍変動が低いまま張り付いており(交感神経が優位になっておりリラックスできていないと言うこと)、朝5時くらいからやっと上がり始める。
同じ時間寝ていても睡眠の質が全く違い、お酒を飲んだ日は心拍数が下がり切っておらず、体が回復しきってことがわかる。もちろん翌日の体感も全然違う。ちなみに私はこれを見てお酒をほとんど飲まなくなった。飲み会でも基本ノンアルコール、お陰で飲み会の次の日もスッキリ。
年に1,2回、微熱が出る程度の軽い風邪を引くことがあるが、その前日あたりから最低心拍数が上がり、心拍変動が低くなる傾向が見られる。
それを見ることで、重症化する前に休養を取るなどの対策が取れ、大風邪に至ることがほとんどなくなった。
Oura ringでなくても良いが、まずは現在の睡眠状態を数値化、可視化する。そして良い睡眠に寄与しているファクターを探し出すことが大事だ。マジでそうさ。
睡眠の質を上げるファクター
睡眠の質を上げるファクターは人それぞれ違う。カフェインやアルコールを飲んでも影響が少ない人もいる。人それぞれに最適な就寝時間や睡眠時間がある。最終的には個人で試行錯誤して最適解を見つけ出すしかない。
私がこれまで試してきたものの中から多くの人に効果があるであろうと思うものが以下である。
アルコール
食事の時間
サプリ
起床時間
ファクター1:アルコール
アルコールは睡眠の質を下げる。
アルコールが分解される時にアセトアルデヒドという有害な物質が生成され、交感神経を優位にして心拍数を上げる。酔いのせいで入眠は良くなることがあるが、睡眠自体は浅く短く質の低いものになる。
私は特にアルコールを飲んで顔が赤くなるタイプなので、アセトアルデヒドの分解能力が低い。日本人の44%はそうである。アセトアルデヒドが分解されるまでは心拍数が高く、心拍変動が低くなる。体感としても朝起きた時に睡眠が浅く体や脳が回復し切っていない感覚がある。アルコールの耐性は人によって異なるが、睡眠の質を上げたいのならば飲酒は避けるべきだろう。
このデータを見てから、お酒を飲むことがほとんどなくなった。どうしても飲む時は早い時間にし、量をなるべく少なく、一緒に水を多く取るようにしている。
ファクター2:食事の時間
お酒ほどではないが、就寝直前に食事をした場合も睡眠の質が下がる。消化にエネルギーを使うため消化が終わるまでは入眠後も心拍数が高く、心拍変動が低い状態が長く続く。本来であれば睡眠中に体や脳の回復に使うエネルギーが、かわりに消化に使われているのだ。最適な食事時間は人によって異なるが、私の場合は夜8時までに食事終えていると入眠後すぐに最適な心拍数、心拍変動になり、スッキリ眠れる。
ファクター3:サプリ
睡眠の質に影響するサプリはいくつもあるが、ここでは、乳酸菌、マグネシウムの2つをお勧めしておく。
・乳酸菌
昨今、腸活ブームだったりヤクルト1000が人気になったりして睡眠と腸の状態に相関があることは広く知られていると思う。セロトニンは主に腸で作られており、セロトニンは夜に眠りを誘うメラトニンの材料になる。善玉菌が増えるとセロトニンの生成量が増える。精神も安定するし、夜は眠くなる。
ちなみに、おすすめのサプリはこちら。生きた状態の乳酸菌が入っており冷蔵便で送られてくる高品質な乳酸菌サプリだ。体感で効果を感じる。https://www.klaire.co.jp/product/products/detail/4
・マグネシウム
マグネシウムはエネルギー代謝のサポート、神経伝達の調整、筋肉機能の調整など、バランサーの役割を持っている。
睡眠前に摂取すると神経伝達物質であるGABAの働きを促進し、脳をリラックスさせたり、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑えたり、筋肉、神経をリラックスさせる効果により睡眠の質をサポートしてくれる。サプリで摂取するほか、入浴剤としてエプソムソルトを入れることで皮膚から吸収できる。私はサプリもエプソムソルトも両方やっており、体感で効果を感じている。
ファクター4:起床時間
当たり前のことを言うが、朝早く起きると夜早く眠くなり気持ちの良い入眠ができる。良い睡眠は起床から始まっている。
特に朝起きて、日光を浴びること、軽く散歩やランニングをすることがおすすめだ。朝に光を浴びると幸せ物質であるセロトニンが生成される。それが夜になるとメラトニンに変わり、自然に眠くなると言うわけだ。
良い起床ができるかは前日の入眠が鍵を握っている。つまり眠は一朝一夕には改善できないのだ。少なくとも数ヶ月、年単位でとらえて改善していっていただきたい。
ちなみに私も年単位で改善していっているところです。
Oura Ringの年平均コンディションスコア
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