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入れ!スプーン!_ニンフォマニアック

寝違えたようで肩の激痛で起床。
車を運転すると、その寝違えがいつもと違うと感じる。

仕事をしていると痛みが首の後ろや背中にも広がっていく感じがした。
だめだ、病院行こう
と会社を飛び出したが、行きたいクリニックの診察がもう午後からしか診れないとのことで時間潰しで録画映画を観ようと帰宅、録画リストを確認した。


おお、ニンフォマニアック・・・


この作品、録画残したまま全然観れていなかった。
元々家鑑賞にはハードルがあるのに
小学生の息子がいる家のリビングのテレビでは・・しかも二部作だし。
でも、私の愛するミアゴスがシャイアラブーフと出会った作品だからみたい!


作品の過激な内容に合わせ、なかなか勢いで観れない原因がもう一つあった。


ラースフォントリアー監督である。ドーン。

ダンサーインザダークで当時高校生の私に「楽しく歌って踊ってデッドエンド」というものがこの世に存在するということを教えてくれた監督。
(当時の日本プロモーションも今思えば良く無かったよね)

ドッグウィル、メランコリア、アンチクライストと観て、あれ、監督は人間そのもの、というかこの世界が嫌いなのか???と思うようになり

ダンサーインザダークに至っては、父が劇場で一人スタンディングオベーションするくらい感動しVHSもDVDも所持、実家に一つしかないデッキに繋がったリビングのテレビを占拠、予告もなく唐突に爆音で鑑賞し始めることがあり、しんどすぎて観始めたらネカフェに逃げるという日が2度3度以上あった。

そんでもってニンフォマニアックはシャルロットケンズブールがアンチクライストに引き続いて主人公。
アンチクライストで彼女が苦手になってしまった。
オシャレな雑誌に載ってても、平和そうな映画の予告に出ていても
「ああああああああああアンチクライストぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
とフラッシュバック。
生意気というかトラウマシャルロットである。

まあでもこのチャンス逃すと暫く観れないよなあ・・
なんだかんだハウスジャックビルトも観たいし・・
と思い観始めた。


最初に言っておこう。

私が観てきたラースフォントリアー監督作品で一番良かった!

というかそんなダメージなく観れた。ラストはなんか笑っちゃったよ。

自分語りをする謎のニンフォマニアのジョーに対して知識でマウントしまくる謎のおじさんセリグマン。

長々と刺激強めな自分語りされるのもしんどいけど、「それは○○だね」「正しくは△△じゃないのかな」って割り込んでくるセリグマン。
私がジョーだったら「おっさんごちゃごちゃ言わんと黙って聞いてろや」ってなるんだけど、ジョーはそれを「あっそ、でね・・・」って上品にまた話し始める構図が面白くてですね。
私もジョーの語る半生に興味津々でVOL.1終わった時は「えーーーーー!ジョー!どうなっちゃうのジョー!」ってなってた。

VOL.2もまた勢い劣ることなく面白くて。
むしろ序盤でセリグマンが「物知りな童貞」と判明するとまた違った見方で面白くなってきて、最後がどうなるのかワクワクしてくるし、ジョーに関してもVOL.1の冒頭シーンに続くのでそれも気になる。
VOL.2から性的嗜好の癖が非常に強くなってくるのですが
もう話を進める上での必要なパーツ、通過儀式のようでね、慣れてきちゃうんですよ。不思議なことに。


ラストはあんだけジョーの人生を本人の口から聞いてセリグマンは自分なりに考察したりジョーの苦悩を聞き、自分の得意分野でマウント同情したのに

結局それかよ童貞!!!!!!!話ちゃんと聞いてたか?途中下心だけだったんかーい!!


てね。
ジョーが人生において様々な経験を経て、人を殺すかもしれない(しかもジョーにとって初めての人であり理解や悲しみや喜び、様々なシーンを共有した人)状況に陥り
体にもダメージ(しかも尿)、心にもダメージを抱え、自分の人生をたまたま助けてくれたセリグマンに話しながら振り返る


その後でセリグマンを受け入れるかっての。しかも半裸(下半身)の。


ジョーとセリグマンがイチャイチャして終わり?
笑わせんなよ、こちとらラースフォントリアーやぞ。舐めんな。


いやあ・・・面白かったねえ。
哀れなるものたちよりも前に観てたら、哀れなるものたちにそんな感動しなかったかもしれない。

自然のシーンだったり俯瞰的なシーンがたまらなく美しい。
観る人が無理なく理解できる説明的なシーンの差し込みや加工も良くて。
生々しい性的なシーンも無駄がないというか、言い過ぎかもしれないけど絵画みたいなシーンもあり、比較したらアレだけど花腐しに比べて性的シーンは断然多くても全然胸焼けしなくて、まるで良いお肉でしたね。

___


インティマシーコーディネーター云々話題になっている昨今。
私は
絶対に必要。
もしくは
役者と制作側に厚い信頼関係があれば必要ないかもな。
と思っている。
絶対つけてないだろと思ってた花腐しについてたらしくてびっくりしたんだけど
どういう描き方したって最終的に演じる側が腑に落ちていれば良いのかなと思う。
映画ではね。

映画は客が選んでお金払って観ている分、演じている人が納得であればある程度過激な内容でもいいんじゃないかなと思う。
不快だな、っていうのは観なきゃいいんだし。
最近テレビが面白くない!っていうのは無料で垂れ流しで放送されている分、文句言う視聴者が多い、その積み重ねもあるだろうなーと薄ぼんやり思っている。


この作品で大半の性的シーンを演じたステイシーマーティンとミアゴスはこれが映画デビュー作。
女優は脱いでなんぼ、セックスシーン演じてなんぼ、みたいなところは世界共通なんかなと思うとモヤリとするんだけどな。そこは別の機会に書こう。
ミアゴスに至っては少女感凄すぎて、登場しばらく「倫理!倫理!」って頭をぐるぐるしていた。

唯一?の謎だったのは、VOL.1のオープニングとエンドロールに流れたデスメタルの曲・・あれめちゃくちゃかっこよかったけど何だったの?VOL.2には一切出てこなかったけど。幻?

____

途中から変な体勢で観ていたせいか、クリニックに着いた時点でさらに体の痛みが悪化し飲み薬まで処方されたのでした。とほほ。

一番幸せで楽しく訳わかんないシーンだった。

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