「あなたの声のここがよくない」の問題 感想編2
Bonjour!パリ在住、声とことばのトレーナーゆうじです。
noteを使い始めてやっと一週間ですが、書きたいことがありすぎて困っています。
ここ十年くらい、声とことばのことを発信していきたいと思っていたんですが、どんな形式で発表していけばいいかずっと悶々としていたんです。
声とことばのトレーニング方法を単純に書いても、興味を持ってもらえないだろうし、それに読んでいただいた人の声を良くできるとも思わなかったからです。
それで、なぜいま僕が、ブログを書いているのかと言うと、このコロナ騒動のせいで急に時間ができたってのもあるんですが、「コラムを面白おかしく読んでいるうちに、自然と良い声になっている」という表現形式を思いついたからなんですね。
なので、このブログは声とことばの不思議に迫りながら、面白おかしく皆さんの声を良くしていくことを目指しています。
さて、前回の続きです。ブログネーム「今をいきる」さんの声を、オンラインボイトレで良くすることができたんでしょうか。彼女のブログでオンラインボイトレの感想をいただいているので、その感想を引用しながら、解説していきます。
今を生きるさんのご感想のブログはこちら
まず前回のおさらい、
今を生きるさんは、プロの音楽家として頑張っている30代の女性です。声は、澄んでいるんですが、やや暗くて硬い印象の声をしています。この声を明るくて魅力的な声に変えることができるのか?40分3回のオンラインボイトレで解決できるのか!!と言うところまでお話ししました。
では、実際に彼女のレッスンの成果はどうだったのでしょうか。
今を生きるさんは、僕のレッスンを受けるまでは、こんな風にコミュニケーションについて考えていたみたいです。
音楽家として、
リハーサルでのコミュニケーション、
司会も担当する公演を頂くようになってから、より話し方、
言葉の重要性を考えるようになりました。 私自身が、言葉についてどんな印象を持っていたかというと、
『伝えたい!』
一回で、伝わらないと、
『これを理解してもらいたい!』
とより論理的に、具体的に伝えようと心掛けていました。けれども、伝わらないことも多い。 なぜだろう?
私の『言葉』未熟だからだ。。。
と思っていました。 特に語彙力、
そして、言葉遣い、声のトーン、スピード
が原因かなと、自己分析。
彼女の考察は、一般論としては全く正しいです。でも、その考察は彼女の個性に合っていなかったので、なかなかコミュニケーションが改善されなかったんだと思います。
彼女が解決しなくてはいけなかった問題は、話し方のテクニックの問題ではなくて、声の魅力の問題だからです。
彼女の普段の声は硬くて暗くて、なんかつまらないんです。でも言い間違えたりして恥ずかしくて笑いながら話すようなときは、明るくて魅力的な声を持っているんです。
つまらない声から魅力的な声に変身してもらうために、僕は彼女にこんな課題を出しました。「あなたが仕事で一番伝えたいことはなんですか?簡単に教えて下さい。」
まあ、プレゼンの練習みたいなものですね。こんなことをさせて、声が変わると思いますか?皆さんも就職面接とか、学校でとか、いろいろなところで、簡単なプレゼンの練習をしてきたと思いますが、声質なんて変わらなかったでしょ。でも、彼女の場合は、声が良くなると確信があったんです。
なぜなら彼女は、感情が普通の人よりもすごく豊かな人だったからです。クラシックの音楽家として人前に立つことの多い彼女は、論理的に話すことが求められるはずです。当然ですが感情的であることと、論理的であることは相反する面があります。
僕は、彼女は人前で話す機会が多かったために、自分の感情を抑えて、論理的に話すことを、習慣にしてしまっているんじゃないか。だから彼女は普段の笑い声交じりのときの明るい声とは違った、窮屈そうな声をしているんじゃないかと考えたんです。
じゃあ、解決方法は簡単で、彼女の一番感情が詰まっていそうな、仕事のことについて熱く語ってもらえば、彼女の中に眠る魅力的な感情の乗った声が出てくるはずです。
さて、結果はどうだったでしょうか。
もちろん、それらは重要だと思うのですが、
蔭山佑次(かげやま ゆうじ)先生の
『私の言葉には感情がのっていない!!!』
という一言で、壁が崩れ落ちていきました。 日常的に、感覚人間である私は、
人前で話す時は、
なるべく論理的に話そうと心掛けています。 私の頭の中では、
ポジティブなことに関しては、 こんな感じ!
ふわーという感じ!
そうそう、なんかすごく良い!
これすごーく好き!!! という、はたから見たら、
何だー???結局どういうこと?
という感覚で物事を捉えているからです。
(ネガティブなことに関しては、とても論理的です。) この感覚を、
人に伝えるようにする為に!
人間界に受け入れてもらえるようにする為に!笑
(私はどこから来たんだって話ですよね。笑) 理論的な社会において、
私のような感覚人間が生きていくのは、
結構辛いのですよ、、、。 『私の言葉には感情がのっていない!!!』
これかーーーー!
とまさに目から鱗でございました。
彼女は、きちんと与えた課題「仕事で一番伝えたいこと」のプレゼンの練習をしてきてくれていたので、打てば響くような感じで、僕の伝えたかったことを感じ取ってくれました。
でも、僕は経験上、その手に入れたはずの声はすぐになくなってしまうということを知っています。だから三回のレッスンでは、全て同じ課題を与えました。僕がレッスンで彼女に言ったのは、要するに、「あなたはまだもっと、熱い思いを音楽に抱いているんじゃないの??」これだけです。
あ、文章を読み返していて補足ですが、ビリーズブートキャンプみたいに、暑苦しい感じでやってないです笑。リラックスして話しているうちに、いつの間にか声が良くなっている、という感じを心掛けています。
彼女のオンラインボイトレの感想の続き。
先生のレッスンを何回か受けたのですが、
まずは自分の言葉で、
本当に言いたいこと探す。というワークをする宿題が出ました。 本当に言いたいこと! ん?何だと。
第一条、人に伝わる言葉を思考すべきである
第二条、社会人である以上、感情で仕事をしてはならない
と自分に課していた私にとっては、
感情と言葉を切り離していたのです。 確かに、外国人と言葉が通じなくても、 ボディーランゲージで伝わることが、
なぜ母国語の日本語で、 日本人と言葉でコミュニケーションを取ると 伝わらないのかと、具体的に理解できました。 そして、プライベートの私は、とっても感覚的に話しても許される友人しか周りにいないことにも、気付きました。
足りない言葉を補ってくれる友人達に、改めて感謝!!! テレパシーを出している感覚です。 ヤー、ウー、フィー?みたいな。。。笑 こんな状態の私をすぐに見抜いて、
・感情の起伏がすごいある
・感覚を思考に落として話しているから、
人に言葉だけが伝わり、心が動かない
ということをご指摘くださいました。
そして、感情を持ったまま、言葉を口にする!
そんな方法も教えてくれました! 本当に、変わるのですよ!
言葉と感情が一致すると!
周りの反応も変化します! 長年の研鑽、努力の積み重ねがなせる指導で、
本当に心から御礼の一言でした。
本当にドンピシャだったようで、こういう感想を持ってもらえるときって、僕も一緒に感動できるので本当にうれしいですね。
私も、音楽家のプロとして仕事しているので、
コツコツ積み重ねて来た人と、
そうでない人の違いは、
瞬時に見分けることが出来ます。
音楽家としてステージに立てるようになるまで、
20年位、毎日努力してきましたから。 中略 声を使う仕事をしている人に、
本当におすすめ!世界が広がります!!!
僕にはむず痒いくらいの大絶賛です。同時に怖いなとも思ったのは、やっぱり僕が声を聞いている立場ですが、同時に見られてもいるんだなとも思いました。背筋の伸びる思いです。
さて、オンラインでボイトレを受けた、今を生きるさんのご感想、素直に僕は嬉しいです。オンラインという新しい環境は僕自身にも大きな冒険だったんですが、僕の思った以上にオンラインボイトレでも声を良くすることができました。
もう一人モニターに協力していただいた方からも絶賛のアンケートをいただいていますが、今回は、ブログでまとまった記事を書いていただいた、今を生きるさんのご感想を紹介させていただきました。
このオンラインボイトレで、本当に声を良くできるとわかったので、声うらないで、あなたの声のここがいけないと指摘しても、オンラインボイトレでケアすればいいことがわかりました!
これで無事に、「あなたの声のここがいけない問題」が解決できたのです!!
思ったよりも声うらないとオンラインボイトレの話が長くなってしまいましたが、宣伝記事はこのくらいにして、次回から、声とことばの相談室本来の目的である、相談コーナーや、声の良くなるコラムを本格的に書いていきます。ご期待ください。
声とことばの相談室では、あなたの声を見つけるお手伝いをします。
蔭山佑次でした。
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