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145 不屈の師弟

「そうですか、やはり以前と変わらず異変などの痕跡はありませんか」

 西部学園都市の学園祭へ視察に来ていたもう一人の九剣騎士シュバルトナインクーリャ・アイスドール。
 勤勉な彼女は学園祭の間、ずっと様々な場所を調査した後、実際にその場に居た生徒達を相手にひたすら事情を聴取していた。

 リオルグ事変の直後に来た際にも調査には来ていたが、その時は生徒達の心身の疲弊なども考慮して周辺調査のみしか行えていなかった。

「分かったわ、ありがとう」

 聴取された生徒が部屋を後にすると背もたれに身体を預けて天井を仰いだ。

 まるで糸口が見えない。

 国内において学園外の他の地域とも同タイミングで起きた出来事と原因、現象ともに間違いなく同じ。

 ただその因果関係は不明だ。

 しかし、これほどまでに大規模に起きた事象を本当に学園内に居たリオルグ一人が行うのは可能なのだろうか、と。

 そこに大きな疑問を孕んでいた。

 現在は半数が欠けている九剣騎士シュバルトナイン達。その欠員の事実は未だに国民へは秘匿されている。
 対策を立てられなければこの情報を安易に外へ出すことは危険だ。

 盤石となったはずの国内の平和に亀裂が入る可能性がある。反乱分子がいつどこで期を伺っているかなど誰にも分からない。

 今でこそ統一国家として成立しているが、以前は多くの周辺敵対国があり、その残党は未だに国内に生きて過ごしている。
 九剣騎士シュバルトナインが半数以下になっていると知られれば「反乱」を起こす機会にも成り得る。
 そうなれば怪物の事などに対処している余裕すらもなくなってしまう。

 それほどまでに九剣騎士シュバルトナインの抑止力というのは統一国家にとって必要な存在だった。

 クーリャが考えれば考えるほどに目の前の問題は山積みになっていた。 

 こめかみを押さえて、小さく息を吐くと同時にドアがノックされた。

「どうぞ」

「邪魔するよ」

 そう言ってドアを開けて入ってきたのは隻腕の老婆。 

「プーラートン様!?」

 現れた老婆はプーラートン・エニュラウス。
 独自の剣の流派、エニュラウス流を立ち上げた人物。
 今回のリオルグ事変での原因となった男を抑え込み、被害を最小限にした功労者。
 
 その姿を見た途端にクーリャは椅子から立ち上がり、床へとしゃがみ込んだ。

「いい、いい、やめな、今はもうアンタの方が立場は上なんだからね」

 プーラートンは左手で制するが、彼女はそのまま微動だにしない。

「いえ、貴女様への敬意に立場など関係ありません。それよりお身体は大丈夫なのですか? もうベッドから起き上がる事も困難だと報告を受けて心配しておりました」

 学園に居た頃の昔と変わらないクーリャの筋の通し方に懐かしく笑みを浮かべつつ、その変化もまた瞬時に感じ取る。

「はは、ブレないねぇアンタも、とはいえ。少しは変わった、かねぇ。あんたが知ってるあたしはそんな報告通りに簡単にくたばる人間だと思っていたのかい?」

「い、いえ、決してそう言う訳では」

 プーラートンの瞳はクーリャの悩みを、心を読むように小さく微笑む。

「世の中、上には上がいたんだろう?」

 僅かに驚いたように目を見開くと敵わないなと言わんばかりに彼女も小さく微笑む。

 以前の調査で学園に来る前に立ち寄った村である人物と対峙した。

 圧倒的な力量差。
 
 以前学園に調査に来た時にはプーラートンとの面会は彼女の怪我の状態を考慮して控えていたが、もしかしたらこうして心の内を読まれるのが怖かっただけなのかもしれない。

「はい」

「ふふ、そういった強者に勝つことが、お前の昔に求めた正義だったんかねぇ? 肩書は所詮肩書よ。九剣騎士シュバルトナインという都合のいい抑止力以外の役割しか持たんぞ」

 プーラトンの一言に微かにハッとはなるものの、拳を強く握りこんで答える。

「しかし、それでももし、私が、私達九剣騎士シュバルトナインが負けてしまえば、その正義すらも今は守れないのです」

 クーリャの目を見つめたままでその覚悟のほどを伺う。瞳はあの頃より曇っているように見えてしまったプーラートンは眼を閉じて口を開く。

「悪くはない返答だ。しかし、お前の今の槍術に比肩する者など、あのじゃじゃ馬ディアナくらいしか思い浮かばないんだがねぇ。あたしの知らない剣以外の世界もまた、広かったという事かい」

 左手でポリポリと頭を掻きながら過去の記憶を探るが槍を扱う者という事であれば、過去を除けば現代にいる騎士ならばクーリャとディアナが最高峰ではあるとプーラートンも太鼓判を押してはいる。

「私自身、そう思っていました。そして、思い上がって勘違いしていたことを知ったのです」

 その悔しさに歪む彼女の顔を見てプーラートンは愉快そうにニヤリと笑う。

「カカ、広さを知るのは良い事さ。ほれ、話は終わりじゃ。ほれ、老い先短いババアに付き合え」

 クイっとドアの外へと左手の親指で指し示す。

「一体どこへ?」

「修練場じゃ」

「しゅう、れん、じょう?」

「懐かしいだろう。アンタが私に昔ボコボコにされまくった場所さ」

「ええ、今でも昨日のことのように思い出されます」

「あんたは本気で毎回悔しがっていたね」

「剣はやはり自分には向かないと悟ったのも貴女の剣を受けたからこそ。今ではそのことにとても感謝しています」

「向いてない、ねぇ。果たして本当にそうかね」

「間違いありません」

「そう言う所も変わらんか。まぁいい、行こうかね」

 クーリャは何故そんなところに行くのか不思議に思いつつプーラートンの誘いを断るのも悪いと後を着いていった。

 その場所はとても懐かしい場所で思わずくるりと室内を見回す。
 学園に居た頃と少しも変わらない風景に不思議と安心を覚える。クーリャがディアナと初めて会ったのも、この場所だった。

 クーリャは槍を主に使っていたが学園に入り、プーラートンにその繊細な所作の才覚を見初められ、一時期エニュラウス流を学んでいた。

 だが、伸び悩むことに苦しみ剣は諦めてしまった。自分に対しての理想が高すぎたのだ。プーラートンはそれを分かっていつつも当時の彼女の意思を尊重した。

 実際には一通りの技術を教え切っていたのだが、プーラートンよりも柔軟性が高過ぎたゆえに彼女の身体にエニュラウス流の剣術が大きく負担となった。
 成長期の彼女の身体に馴染み切る前に、剣は諦めるという申し出を受けてしまい、プーラートンは惜しみつつも当時はそれを受け入れたのだった。

「懐かしい」

 クーリャが零す言葉にプーラートンも昔を思い出す。

「初心を思い出すにはいい場所じゃろ? お前と……そして、あたしもな」

「も?」

 言葉の意味が呑み込めなかった、が次の瞬間にクーリャの背筋をゾクリとする空気が流れる。

「プーラートン様。まさか……」

 じりじりと上がるプレッシャーに信じられないという表情を浮かべる。こうしてベッドから起き上がり彼女は立っているだけでもあり得ない事のはずだった。
 しかし、不思議と次の瞬間には持っていた槍を無意識に構えてしまう。

 目の前にいるのは鏡面の剣輝だ。

「流石に察しがよくて助かる。あたしも勘を取り戻すにゃ荒療治が必要そうでね。アンタが居るって聞いたんで折角ならちと相手を頼もうと思ってね」

 プーラートンはもう二度と戦えないと王都での報告で聞いていた。利き腕を無くし、特級剣の譲渡という衝撃の報告もあった。

 そして、年齢の事もある。まさかという気持ちと、鏡面の剣輝と呼ばれていた目の前の老婆の研ぎ澄まされた空気にピリリと気が引き締まり肌を打つ。
 久しぶりに受ける彼女の剣気。纏う空気はクーリャが生徒だった時代よりも研ぎ澄まされている気さえする。

 こんなことが本当に起こりえるのだろうかとクーリャの頬を冷や汗が撫でる。
 
 そう、プーラートンが敢えて特級剣ミラサフィスを愛弟子のティルスへと引き継ぎ、自ら手放したのは自分自身をこうして初心に戻す為でもあったのだ。

「さて」

 そう言って、木剣を左手に持った瞬間、緊張感が更に膨れ上がる。

「アンタ、得物は使い慣れた自分のその槍を使っていいよ」

「待ってください、また怪我でもしたら……」

「……ほほぉ、九剣騎士ともなると違うねぇ。年寄りに余計な心配かい? それとも、また、戦って負けるのが怖いのかい?」

 ビクリと肩が跳ねる。以前の敗北が確かに頭をよぎる。
 たった一撃で沈められたあの日の邂逅。
 仮面の大罪人とのやりとりは今も尚、記憶に新しい中でその敗北をプーラートンに見透かされている事に自分への苛立ちが募る。

「いえ、そう言う訳では」

「なら始めるよ。……ああ、言うまでもないだろうけど、手なんか抜くんじゃないよ? アンタが怪我じゃすまないよ」

 槍を掴む手に力を込めて構えると目の前に既にプーラートンが迫ってきていた。

「遅いよ。手なんか抜くなと言ったはずだけどね!」

「っ!?」

 手負いの老婆が出来る動きではあり得ない。だが、紛れもなく目の前に起きているその事実に高揚してしまう。
 この人は一体どこまでの高みを目指しているのだろうかと。
 咄嗟に槍で初撃を払いのけると宙を舞ってプーラートンは着地してクーリャの顔を見て口元を緩める。

「失礼しました。もう二度と戦えはしないだろう。そう報告を受けておりましたので」

 挑発的に木剣をくるくると回して楽しそうに笑う。

「は、負けた時の言い訳かい? そう言う所はまだ直っちゃいないようだね。ふん、常識なんてもんは一般人の為のものさ。そう思えるくらいが丁度いい。死に損なったババアがどこまで行けるか、自分でも見たくなったというだけさ」

「貴方という人は、本当に。とてつもない人ですね」

「昔から知っていただろう。忘れちまったのかい? さ、続きをやるよ」

 そう言うや否や、プーラートンはクーリャへと木剣での攻撃を開始した。




 小一時間戦い続けた後にようやく老婆は膝を折ってしゃがみこみ、呼吸を荒げた。

「カーッ、こんな短い時間しか戦えんとはねぇ、となるとやはり短時間で確実に決着がつく手段を中心に組み立て直すしかないかもねぇ。今のアンタにも勝てないだろうとは思っていたが、動きとイメージに大きく誤差がある。ったくやだねぇ、こんなに腕が鈍るとは」

 とはいえクーリャも余裕があるとは言いにくい。何度も決着させる一手は放っている。手を抜いた攻撃などしている場合ではなかった。

 それでも仕留められなかったのだ。それほどまでにプーラートンの今の状態には驚きを隠せない。

「流石に今の手負いのプーラートン様に、現九剣騎士シュバルトナインである私が負けるわけにはいきませんから、意地ですよ」

 クーリャが昔よりも段違いに強くなっている事を実感しつつも、プーラートンの中でやり取りの中で彼女の弱点ともいうべきポイントは浮き彫りになっていた。
 だが、それは間違いなく彼女の長所ともいえる所である為、プーラートンはその人生経験から一つの結論を導き出す。
 
 それは図らずも今、自分が行おうとしている事と同じだった。

「クーリャ」
「はい」
「何かに、誰かに、勝利するという事だけが勝利じゃないんだよ」
「……」
「カレン・エストックやディアナ・シュテルゲンとアンタは出来る事がそもそも違う」

 クーリャは心の内を見透かされた事にはもう驚いていない。目の前の老婆はそれが出来てしまう人だ。

「……気付いて、いらしたのですか。貴女という人は一体どこまで」
「アンタ、あたしを誰だと思ってんだい」
「ふふ、まだまだ敵いませんね」
「あたしの見立てを聞かせてやる」
「ぜひ……お願いします」
「戦いに勝たねば、正義を成せないとアンタは言った。なら、槍だけに拘る必要はあるのかい?」
「え?」
「アンタはディアナとは違って器用な騎士だ。何でも満遍なくそつなくこなせた」

 クーリャは槍を握りしめ見つめた。
 あの頃からずっと槍の技術だけを高めてきた。
 勿論、学園に居た頃に様々な物を試しては見たがどれもしっくりとは来なかった。

「それでも、私は自分の槍に拘りたいのです」

「アタシが教えた剣も筋はよかったんだ。今からでも遅くはない。槍と一緒にそれすらも使ったらどうだい?」

 プーラートンの意図が読めなかった。あまりにも常識はずれな考えだったからだ。クーリャに昔に少しかじったくらいのことを今になって利用しろと言うのか。剣だけに生きてきた彼女の言葉とは思えず、戸惑う。

「あたしは確かに剣に拘り続けた。そして、利き腕を失った人間だ。結果、普通の騎士にすら劣る力しかもうないかもしれん。こうなって初めて気付くんだよ、何か一つに拘り過ぎた人間の末路というものは、それが折れればあっけないものなんだとね」

「そんなことは、現にここまで左手で戦えるように」

「けど、これだけならそこまでさ」

「……」

「でもね、こういうのも今の時代はあるって小耳に挟んだものでね」

 突如、プーラートンは木剣を投げすて左手で左足の裾を上げる。そのまま脚が地面から真っすぐに振り上げられ、クーリャは寸での所でそれを柔軟な上半身を逸らすようにかわした。
 ハラハラと前髪が数本、視界の中を泳いでいく。

「東部学園都市の生徒のたちの間で一部流行っているらしい、面白い武器じゃろ?」

「な、なんですか、その武器は」

足甲刃そくこうじんというらしい」

「まさか、足に装着したその武器で、戦うのですか?」

「面白い発想よな。邪道だと昔のあたしなら絶対に思うていたわい。右腕を無くして初めて思った。このように新しいものはどんどん取り入れねばこれから自分は戦えん。これまでのあたしじゃ考えもしなかった事だよ」

「……発想」

「クーリャ。お前の家系の血筋は発想、想像が命だったんじゃろ。お前がその生き方を嫌おうがそれも全てお前の一部。騎士となったお前が自分が生まれながらに持つ性質、その発想を戦いに生かすという事自体は何も悪い事はないだろう?」

 そう言われてハッとする。彼女は芸術という正解のない世界に生きてきた。ただひたすらに氷像を掘る為に同じことを繰り返す日々。
 それはノミを槍に持ち替えてからの日々も変わらなかった。

「愚直に学園で全ての武器を用いそれぞれの基礎だけは繰り返していたお前が、発想が命となるほど必要な家系に生まれたからこそできる事が、もう今なら十分にあるんじゃないかい。クソ真面目なお前の事だ。どうせ今でも続けてるんじゃろう? 槍の訓練の前にな」

 どこまでこの人は自分の事を見透かしているのだろうと、その慧眼に感嘆するしかなかった。

 言っている事は分かる。

 クーリャが目指したものを誰よりも知るプーラートンは悩む。

 これを言うのかと。剣に全てを捧げてきた自分がこれを言うべきかと。

 でも、彼女が持つ可能性と今の悩みを断ち切るには誰かがその呪縛から解き放たなければならない。

 それがかつての弟子、クーリャ・アイスドールへの最後の指導。

「……そうかい、アンタも、そうだよねぇ……」

 僅かに躊躇した後、プーラートン唇をかみしめて意を決したようにして、優しい声で語りかけた。
 これまで積み重ねた剣技を失った自分だからこそ、言える言葉。
 
 九剣騎士シュバルトナインであるクーリャに他の誰からも言えないその言葉を。

「クーリャ。あんたはその槍で、自分が信じたその槍で、一番強い騎士に、なりたかったんだよねぇ。その気持ちは、痛いほど、わかるよ」

「……ぁ……」

 プーラートンの言葉にツーっとクーリャの瞳から涙が零れ落ちる。その通りだった。
 劣等感に苛まれ続ける日々をひたすらに隠し、その表情を隠すように過ごしていく中でついていく、本当の自分ではない世間の自分へのイメージ。

 何かにつけて森羅万象の守護者と呼ばれたカレン・エストックと比較され苦しみ続ける日々。
 彼女の後任として九剣騎士シュバルトナインに選ばれたあの日からずっと。

「……はい、はい…」

 槍を取り落とし、何も上手くできなかったあの頃のように、あの頃と同じ場所でしゃがみ込み泣き崩れた。

 どこかで気付いてはいた。

 槍でも自分が一番になれることはきっとないだろうと。

 それでも諦められなかった自分。

 気付かないように必死でその意志を守り続けてきた。

 眼前の老婆はその自分のプライドをへし折る言葉をかけ続ける。

「クーリャ。お前のそのプライドは、槍への固執は、これからの国を守るために、必要なものかい? お前は『槍だけ』では一番にはなれないよ」

 プーラートンの目が訴えかける。これからの国の困難には老いた自分では立ち向かう事はできない。

 だからお前がやれと。かつての愛弟子にそう言っているのだ。

 涙で濡れ腫らした瞳でプーラートンを凝視する。その瞳の奥には、未だ消えない青い炎が確かにあった。

「……いいえ、個人的な感傷など、九剣騎士シュバルトナインという大役を果たすことに比べれば、必要のない些事です」

 その言葉を言わせることがどれほどの事かをプーラートンは自身でも受け止め胸を痛める。

「とても酷な言い方をして悪かったね。剣に生きた自分の事を棚に上げてこんな言い方しかできないあたしを許しとくれ」

 キッと憑き物の落ちたような表情でクーリャは立ち上がる。

「いえ、はっきりと言ってくださってありがとうございます。まだまだ私が未熟であったというだけです」

 クーリャは涙を拭う。

「クーリャ。お前のことだ。あたしが教えたエニュラウス流の基礎も含めて、学園でかじりまくっていたアレコレをまだ何一つとして忘れちゃいないんだろう?」

「はい、勿論です」

「ったく、クソ真面目なバカ生徒なままじゃないか。なら、それを全部一からやり直していきな。お前のこれまでの全部を今の信念に叩き込んで。お前だけの何かを見つけると良い。お前は九剣騎士シュバルトナイン二の剣セイバーツー、クーリャ・アイスドール。他の誰でもない唯一無二の騎士さ」

「プーラートン様。ありがとう……ございます」

 頭を下げるかつての愛弟子に苦笑しつつ、今の愛弟子の事も脳裏に浮かぶ。

「昔からエニュラウス流を教えてもいいとあたしが思えたやつらはどいつも本当にどうしようもない子達だねぇ、まったく。いつまでも手がかかるったらありゃしない」

「それはプーラートン様も同じだから、ではありませんか?」

 クーリャの一言に久しぶりに大声で高らかにプーラートンは笑う。

「……ッハハ、アッハッハッハ。そうかい、そうだねぇ、そうかもねぇ、くふふう、なんだい、アンタも随分な事、言うようになってんじゃないか」

 お互いに悪態をつきつつもプーラートンの表情はとても穏やかで、クーリャは改めて深くお辞儀をしてかつての師に心からの敬意を示したのであった。


つづく


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