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小説「双校の剣、戦禍の盾、神託の命。」

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声プラが贈る、小説と音声ドラマによって紡がれていくファンタジー作品 ~あらすじ~ その国の名はシュバルトメイオンと呼ばれていた。  国内には東西に分かれた学園があり、互いに競い…
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#小説連載中

169 対ホワイトグリベア

 越冬中のグリベアは外気温が一定以上になると目を覚まして過ごすようになる。フェリオン領内…

168 未知のグリベア

 集団後方にいた生徒が何かに襲われて大きな悲鳴を上げると洞窟内へとその声は即座に響き渡る…

166 雪原の異常気象

 遠征宿舎での交流数日の後、東西の学園の生徒達は分かれて出発した。それぞれが与えられてい…

165 テラフォール流の閃

 東西の生徒がパーティを行っている大広間の建物の外ではシュレイドがパラパラと本をめくる音…

164 遠征初交流パーティ

 交流模擬戦が終わった後、生徒達は宿舎に戻り普段はほとんど使われることがないという大広間…

163 存在しないはずの奥義

「まだまだ、ここから上げられるみたいだな?」 「ふん、余力を残そうとでもしてみろ、俺がお…

161 駆け引きと狙い

「これは、想定外が過ぎるね」  スカーレットが強者である事はなんとなく分かっていたが流石にこれほどまでの実力者だとヒボンでは判断しきれなかった。  後頭部をポリポリと掻いて自分の番での立ち回りを想定してはみるものの勝ち筋はあるのか微妙な所だ。相手の情報が当然ながら少なすぎる。 「次は僕かぁ、不安になってきたな」  ヒボンは引きつった顔で自信なさげに空笑いしているところへ向けてリリアが左右の拳を胸の前でぐっと握りこんで声援を送る。 「ヒボン先輩、頑張ってくださいね!」

160 実力以上の差

「それではまず、交流模擬戦の第一戦目を行います。両者広場中央へ」  遠征宿舎の広場を囲む…

159 剣が導きし運命

「では、東部学園都市のエナリア会長の提案による交流会をこれより行います。内容としては模擬…

158 遠征先にて

 遠征で生徒達に与えられている任務の進行は滞りなく進んでいた。  各地域の最終地点となる…

157 学園外遠征

 西部学園都市ディナカメオスに九剣騎士が調査に来てからの後、不気味なほどにこれまで通りの…

156 ビビフの残り香

「さて、と。お待たせ。さぁ、召し上がれ!」  食堂のテーブルの上にドンっと勢いよく置かれ…

155 ささやかなる興味

 ウェルジアは食堂へと今日も足を運ぶ。  心なしかその足取りが軽い。  彼にとって食堂と…

153 才能というもの

「ティルス会長」  ドアを開く音と共に小柄な人影が室内へと入ってくる。 「リヴォニア、おかえりなさい」  生徒会室ではティルスがテーブルで調査の報告書をまとめていた。  ペンが走る音が小さく耳に届くように室内に響いていたが手を止める。 「他の皆はどうしましたか?」  キョロキョロと室内を見回して首を傾げる。この時間は大体他の皆も生徒会室にいたりする時間。 「今日はこれ以上は特にやれることもなかったものだから、解散にしたわ」「そうですか……」  僅かな沈黙が包む。