大企業内でのクリエイティブの難しさと、面白さ|KOEL紹介動画制作
こんにちは、KOELの細谷です。
KOELでは様々なデザイナーが在籍していて、自分たちでクリエイティブを作ることもあります。このKOELのプロモーション動画もその一つです。
今回はKOELのプロモーション動画を制作したデザイナーお二人に、大企業でクリエイティブ活動をする難しさと面白さをインタビューしてきました。
インタビューはNeWorkで実施(左:廣瀬 右:宇都宮 中央:細谷)
組織のプロモーション動画を2週間で作り上げたプロジェクト
ーまずはじめに、今回制作した動画について教えてください。
廣瀬:「NTT Communications Digital Forum2020」というイベントにKOELも出展することになり、来場した方にKOELを知ってもらうプロモーション動画の制作がスタートしました。コロナの影響で今年は初めてオンライン開催になったので、来場いただいた方とのコミュニケーションの意味で、動画媒体で情報を伝えようと思いました。
宇都宮:私は前職から記者会見で使うサービス紹介動画などを制作していて、そのスキルを期待されてこのプロジェクトに携わることになりました。動画制作は学生の頃からやっていたので、楽しく作れました。
廣瀬:私は作品としてちゃんと動画を制作したのは社会人になってからで、制作期間が2週間しかなくて大変でしたけど楽しかったです。
スケジュール管理はホワイトボードツールMiroを使用
関係者全員と"KOELらしさ"を追求して作り上げた
ー具体的にどのようなプロセスで進めたのでしょうか
廣瀬:最初に「動画に何を載せるのか」を関係者全員で話し合いました。最初はデザインの重要性を伝える予定でしたが、「そもそも見てくれる人は誰なのか」を、職業や年齢、組織での立場や持っている課題意識、普段の生活の様子まで深掘りしていきました。「大企業の部長クラスの人」程度の理解では、ユーザーに刺さるコンテンツは作れないので、そもそもの動画の目的に立ち返って何度も話し合い、KOELのデザインにフォーカスして組織の魅力を伝える構成に見直しました。
宇都宮:たくさんの展示がある中では動画の尺は1分程度が限界だと考え、伝える要素をデザインの定義とKOELのミッションと事例の3つに絞りました。欲張ってたくさんの要素を詰め込みすぎると逆に一つも伝わらなくなるので、出来る限り削ぎ落とそうと意識しました。
廣瀬:伝えたいことが大まかに決まったら、関係者全員で共通のイメージを持てるように「この動画で伝えたいメッセージ」と絵コンテを用意しました。メッセージは関係者で議論を重ね、句読点の付け方一つまでこだわって「デザインの力で人を愛し、愛される企業へ」と決めました。ここではキャッチーな言葉というより、見た人が言葉だけで同じ認識を持てるようにわかりやすさを重視しました。
宇都宮:動画の雰囲気は、絵コンテから私自身の心に響いた部分からイメージを膨らませて決めていきました。
廣瀬:来場者の属性からビジネスっぽい雰囲気は必須として、カチッと冷たい印象を与えずKOELらしい人に寄り添う温かみを出したいなと思っていました。
宇都宮:一見すると矛盾した二つの印象ですが、最終的には先進的で信頼感のある雰囲気と、柔らかい雰囲気を両立できたと思います。
廣瀬:動画を見て直感的にカッコいいと感じてもらえるように、見た率直な印象を大事にしました。だから動画の冒頭は特に時間をかけてデザインした記憶があります。
宇都宮:冒頭の部分はKOELのロゴに込めた意味を重視してデザインされています。ロゴのOとEを切り取った直線の角度は、人間が最も遠くまで物を飛ばせる40.89度に設定されているのですが、動画でも距離や常識を超えていくイメージを表現しました。
ー動画編集も二人で進めたんですか?
廣瀬:宇都宮さんがAdobe After Effectsでガンガン作っていき、並行して私が素材を集めて進めました。「このシーンで何を印象付けたいか」を明確にして素材を探し、ピンとくる物がなければ宇都宮さんと一緒に撮影に出かけました。動画の最後を飾る、KOELメンバーの顔出し部分は私が作りました。
宇都宮さん:KOELが誕生した4月には既にリモートワークが基本になっていて、KOELの様子を伝えるシーンがあまりなかったので、最後のシーンはメンバー全員に自撮りしてもらって素材を集めました。メンバーの生きた雰囲気が伝わる良いものができたと思います。
ーリモート環境で共同編集するのは大変でしたか?
宇都宮さん:私自身、今まで個人作業で動画を作ってきた経験しかなくて、編集データの共有が大変でした。今後は共同作業を前提にデータ管理をしていこうと思います。
廣瀬:最後の方はずっとビデオ通話をつなげて、「ここまでできた!」と画面共有して見せあいながら作業していました。あれはあれで楽しかったです。宇都宮さんともめっちゃ仲良くなれました。
冒頭のシーンの制作現場
ロジックと感性の両輪を回す難しさと、大企業ならではの面白さ
ー大企業のなかでクリエイティブ活動をする中で、難しいと思ったことはありますか?
廣瀬:手を動かすまでにやることがたくさんあった印象です。この会社の特徴なのか分かりませんが、”なぜそれなのか”を重視する人が多く、全てをロジカルに説明する必要がありました。一方で、内容だけでなく見栄えやテンポなど、クリエイティブな内容とバランスを取らないといけないのが難しかったです。
宇都宮:多くの人が関わる中で、このようなクリエイティブ制作の未経験者もたくさんいます。そういう人たちには制作のプロセスから説明が必要で、感性に依るところも全て言語化する必要があります。
ー最後に、「これは大企業ならではだな」と感じた点はありますか?
宇都宮:意外だったのは、作業マシンや高価な素材を購入できる点です。上司がクリエイティブに理解がないと細かく説明しないといけないのですが、必要性をすぐ理解して積極的にバックアップしていただけて助かりました。
廣瀬:稲葉さん(NTT Comの取締役で、イノベーションセンター長)に動画を褒められて、めっちゃびっくりしました。大企業って上の人との距離があると思っていたのですが、トップの人がいつも見てくれていると知ってモチベーションが上がりました。
宇都宮:KOELは自分の専門性を活せる環境を用意してくれて、いろんなプロフェッショナルとのコラボレーションがうまく機能しています。分業は下手するとキャパオーバーやアウトプットの偏りが生じてしまいますが、”共に高める”精神でお互いが最大限のパフォーマンスを発揮しています。
廣瀬:環境を整えてくれるだけでなく、未経験でも手を挙げればなんでもやらせてくれるのもKOELの魅力だと思います。大企業ならではの大変なところもあるけど、大企業だからこそ、いろんな経験を積んだバラエティ豊かな人たちと出会えるし、自身の制作物に対して様々な角度からフィードバックをもらえます。視野を広げたクリエイティブ活動ができるのも、大企業ならではと思いました。
ーめっちゃきれいにまとめてくれてありがとうございました。
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