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「柔軟性」と「般化」。なにそれ?

この記事は1.972文字あります。個人差はありますが、3分〜5分でお読みいただけます。

noteの連続更新81日目です。noteのほかに、Voicy(音声配信)もしておりますので、併せてご活用いただけると理解しやすいと思います。また、noteの通知をオンにしていただけると記事が更新するたびに通知がいきますので、フォロー、スキ、シェアと合わせて通知オンもしていただけると嬉しいです。

今回は、ぼくの学生時代からの仲間である真船亮くん(自閉症eサービス)がVoicyのゲストに出てくれたので、真船くんとの話を書きたいと思います。「柔軟性と般化」がテーマです。詳しくはVoicyの放送をお聴き頂ければと思いますが、どうぞお付き合いください。


柔軟性や般化って?

「柔軟性」はまだしも、「般化」って聞き馴染みの薄い言葉じゃないかなと思います。般化とは何かというと、わかりやすさ重視のすごく大雑把な言い方をすると、「できるようになったことは、環境が変わってもできる」みたいな感じです。例えば、自宅のトイレを自立的に使えるようになった子どもは、自宅以外のトイレも教えられなくても自立的に使えるというよね、ということです。これは、トイレはトイレなので、多少形や仕組みなどの環境が変わったとしても、本質的なことが変わるわけではないので問題なく利用できるという理屈です。

つまり、「Aという環境でできたことが、Bという環境でもできるとは限らない」ということです。

ですが、ASD特性があると、この「般化」が不得手な場合があります。そのため、その時々の環境や状況によって発揮できるパフォーマンスも変わりやすいので、それぞれの環境で教えていくことが大切と言われています。例えば、ご自宅でのトイレは自立したとしても、保育園/幼稚園では環境が違いますから、「一人でできるよね」ではなくて、そこでもトイレの自立に向けたサポートをするというイメージです。

これが「般化」です。なんとなく伝わっているでしょうか?

計画的に

柔軟性も、般化も不得手な領域です。でも、ぼくらが生活する社会は、いずれも求められる社会でもあります。ですから、そこでの不都合が小さくなるような工夫や調整が必要になります。これは苦手を克服ということではなくて、そこでの困難を最小限にしていくという考え方です。

そして、こうしたことは「最初から計画に入れること」が大切であるとされています。この理由もASD特性が関係します。ASD特性の中の社会的イマジネーションについて何度か取り上げていますが、この特性があると良くも悪くも行動がパターン的になる場合があります。例えば、「帰ってきたら手を洗う」「スケジュールを確認する」みたいな良い流れが定着しやすい一方で、「一度パニックを起こした場所だと、その場所に行くだけでパニックを起こす」ようなことも定着したりします。

そうすると、同じ経験・体験だけが続くとそれが定着し、今度はそれが変更しにくくなることがあります。例えば、最初の数回コンビニでコカ・コーラを買うと、その後は毎回コカ・コーラばかりを買うようになり、最初は好きで買っていたかもしれないけれども、だんだんと「好きで買っているのか」、パターン的に買っているのかの判断がつかなくなってきたりすることもあります(しかも、他の商品を提案してもコカ・コーラを選んだりするので、余計に判断がつかない)。

そうした特性があるからこそ、「いつも同じことだけ」ではなく、また、その同じが「(自分の意志に関わらず)そうしなければならない」とパターン的なものだけにならないようにしていくことが大切であると言われています。

ぼくらが目指すのは「豊かな生活」です。ただ、何をもって豊かというのかは、人によって違うので、どこまでいってもその判断はできないかもしれません。でも、少なくとも選択肢が少ないことよりは、選択肢が多い方が豊かではあると思います。飲み物の選択肢が水だけよりも、ジュースやお茶もある方が、結果的に水を選ぶとしても、「それしかないこと」と「その中から選び取っていること」の意味は違います。なので、豊かな生活を考えた際には、選択肢が多いことは一つの視点かなと、ぼくは考えています。

でも、ASD特性があると、ここまで書いてきたような理由から、自分でその選択肢を広げていくことは少ないこともあります。だからこそ、「柔軟性」や「般化」については、意識的に、そして計画的に取り組んでいく必要があるのだと思います。

こうしたことについて、実際のTEACCH Autism Programにて学んできたことについて真船くんには話をしてもらいました。

補足はVoicyの配信をお聴き頂ければと思いますので、宜しければVoicyの方も応援していただければと思います!それでは!

佐々木康栄

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ぼくは仙台会場にいって、一丁前にコメンテーターというのをさせて頂きます!翌日にはTEACCHプログラム研究会東北支部主催でイベント「自閉症支援の未来会議 in 仙台」も開催しますので、2月10日(土)、11日(日)はご予定の確保をお願いします!

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