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【レッジョ・アプローチ的子育て】自己肯定感よりも「自己効力感」が重要!自分の強みを生かして輝く〜私が40歳を過ぎてもワクワク生きる理由〜

Kodomo Edu International School 代表の上田佳美です。
Kodomo Eduは、レッジョ・アプローチにインスパイアを受けた中目黒拠点のインターナショナル・スクールです。

先日、ある方から、「上田さんは、何でそんなにパワーとパッションがあるんですか?」と聞かれました。あまり意識していなかったので考えることもなかったのですが、自分の過去を振り返ると、とにかく「失敗の連続」。(よく意外と言われますが。。)あまりにも失敗しすぎて、良い意味で自分に期待しすぎず、他者とあまり比較しません。だから、「自分は自分のペースでしっかり夢に向かってワクワク生きよう!」と思い、日々やれることをやっているイメージ。その根底にあるのが、自己肯定感+αの「自己効力感」かなと最近考えます。これは、人目につかない小さな小さな成功体験を、自分なりに積み重ねてきた経験が育んでくれたようです。

自己肯定感と日本人

自己肯定感の大切さ。至るところで語られています。とても重要ですよね。自分は自分のままで良い。生きてるだけでOK!この気持ちがあるとないとでは、人生への向き合い方は変わります。

「自己肯定感」を辞書で調べると、次のように書いてあります。

「自己肯定感」:自分のあり方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する語。 自己否定の感情と対をなす感情とされる。(参照:実用日本語表現辞典)

「自己肯定感」が語られるようになったのは、2014年に内閣府が実施した、満13~29歳の若者を対象とした意識調査。「自分に満足しているか?」の質問に、他の国が「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答した人が約80%だったのに対し、日本は約40%しか回答しませんでした。

人生と前向きに向き合うために必要な「自己肯定感」。私のスクールでも、子ども達の「自己肯定感」を育む取り組みをしています。「Everyone is different, and each one of us is great!(みんな違って、みんな良い!)」は、私たちのベースとなる思想の一つ。だから、先生達も、一人一人に合わせた声がけをしています。子どもが自己肯定感を育むために、大人が一番気をつけないといけないことは、「他の子と比較しない」こと。そして、「その子には既に能力が備わっている」と信じること。それを意識するだけでも、子どもにかける言葉は違ってきます。

自己肯定感は、様々な経験を経て、「自己効力感」となる

でも、Kodomo eduの子ども達を見ていると、「自己肯定感」だけではない強さを感じるようになりました。それは何だろうとずっと考えていた中で気づいたのは、彼らは「自己効力感」があること。

自己効力感とは、「”自分なら出来る”と、自分の可能性を認知していること。」です。ピアジェと並ぶ世界的な心理学者、アルバート・バンデューラが提唱した概念です。

「自己効力感」:何らかの課題に取り組むときに困難な状況であっても、「自分は対処できる」と自分に対して確信、自信といったイメージが持てること。(参照:実用日本語表現辞典)

うちのスクールでは、子ども達は、普通の幼稚園にない様々な経験をします。と言っても、大きな美術館にいく、川下りをする、スキーに行くなど、非日常的なアクティビティーではなく、日常の中で特別な体験を作り出しています。例えば、子ども達が大好きなお人形。(うちはダイバーシティを学ぶため黒人のお人形を用意しています。)お人形さんも、ブランコ に乗せてあげたい!という話になった時。私たちは、「じゃあ、お人形用のぶらんこ のおもちゃを買おうか?」ではなく、「ぶらんこ、作ってみる?」と、プロジェクトに展開していきます。

こうやって、木材・ネジ・ドリルなどを使って、説明書や組み立て方法のないおもちゃをゼロから作り上げていく。何ヶ月もかかるこの過程では、たくさんの「できない」という壁にぶつかります。それを先生たちと乗り越えている子どもたちにとって、「失敗」や「できないこと」は、乗り越えるための山でしかない。それを経験を通して感じ取った子どもたちは、「”自分なら出来る”と、自分の可能性を認知」しています。だから、ちょっとやそっとでは諦めない強さがある。そんな子ども達を目の当たりにして、「自己肯定感」が経験を通して「自己効力感」に育っていくのだと感じました。

「自己効力感」こそが、これからの時代を生き抜く力

私たちが生きる世界は、本当に予測することができませんし、予測しないことが次々と起こっています。そんな中、私たちを突き動かすのは、「情熱」と「自己効力感」です。好きなもののために、自分を信じて突き進む力。そのためには、子ども達は、自分が手放しで”好き!”と思えるものに出会い、それを自主的に突き詰めていく。そんな経験が、将来の生きる力に大きく影響します。

是非、ご家庭でも、大切な子供との時間は、子どもの好きを見つけて一緒に探求してあげてください。童心にかえって思いっきり一緒に楽しみましょう。子どもだけでなく、ママとパパも楽しくてワクワクする時間になること、間違いなしです!是非、試してみてください。

上田 佳美

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