『ありがとう!ママはもう大丈夫だよ~泣いて、泣いて、笑って笑った873日~』が出版されます
この度、株式会社ライトワーカーより、『ありがとう!ママはもう大丈夫だよ~泣いて、泣いて、笑って笑った873日~』(定価:1,350円+税)が出版されることになりました。この本は、国立成育医療研究センターのPICU、そして医療型短期入所施設「もみじの家」での滞在を経て昨年5月に2歳4ヶ月で生涯を終えた武藤優司君と、共に過ごされた優司君のお母様がその年月を1冊の本にされたものです。
医療の進歩により救われるこどもの命が増えた一方、救えない命が未だ多くあるのも事実です。著書が経験した「緩和ケア」というあまり馴染みのない医療を通して、残された時間をお子様がどう過ごすのが最善か、そして子どもの幸せとご家族の幸せをどう重ねていくか。人生において別れは突然に来ることもありますが、そうでなくても多くの方がこのようなテーマを身近に感じるきっかけになっていただければ幸いです。
成人の緩和ケアでは数多く経験者の語りが記されているものの、小児の緩和ケアについて当事者が経験された視点からわかりやすく書かれた著された本は、これまでほとんどありませんでした。同じような境遇の方にも本が届くよう、全国の学校や図書館への本の納入、講演依頼にもお応えいたします。この本がきっかけとなり、多くの方が緩和ケアという社会的課題を身近に感じるきっかけとなれば嬉しく思います。
「全ての子どもたちがいつでも幸せに生きて欲しい」という願いが現実となるよう、皆様にも関心を持っていただき、ご支援ご協力をいただければ幸いに存じます。
なお、こちらから文章の一部を読むことができます。少しでもご興味を持っていただけた方は、ぜひご一読くださいませ。
今回の出版を通じて著者に入る印税は、必要経費を除いて、すべて国立成育医療研究センターにおける緩和ケアについての取り組みに寄付されます。本を購入してくださった皆様の想いが、直接、緩和ケアを受けられているお子様とご家族の支援につながる仕組みを目指しました。
国立成育医療研究センターは、我が国における小児・周産期をはじめとする次世代を支える医療“成育医療”のリーダーシップを担う医療機関です。そして、同センター緩和ケア科では、全国の医療従事者を対象とする小児緩和ケア領域の教育・研修プログラムを運営しています。
具体的な使途については、寄付される金額や時期に応じて、同センター緩和ケア科診療部長 余谷医師を初めとする方々との協議を通じて下記のいずれか(若しくは複数)について決定したいと考えております。
●全国の小児緩和ケアの実態把握・調査研究
●小児緩和ケアに携わる医療従事者の教育・研修(講師代/旅費交通費/教材費/資格取得費)
●終末期/グリーフサポート・家族中心ケア・きょうだい児の支援(遺族会・家族会の開催など)
そして、わたしたちの経験した小児緩和ケアが、より良いものとなって全国の同じような境遇にある御家族の元へとどくことを願って、この度“こども緩和ケアサポートproject”という情報発信のプラットフォームを、任意団体として立ち上げます。
実際の小児緩和ケアの現場におられる医療従事者の方々やお子様を亡くされた当事者の語り、こどもホスピスのような隣接領域事業のご紹介など…小児緩和ケアの認知と理解がより進むための礎になれればと思います。
今回の書籍出版を第一歩として、全国の小児緩和ケアに携わる医療従事者の方々のさらなる研鑽と小児医療施設におけるケアの発展を、わたしたちは願っています。