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『ありがとう!ママはもう大丈夫だよ~泣いて、泣いて、笑って笑った873日~』全文公開① 2015年12月26日、武藤家の次男、優司誕生。

2015年12月26日、武藤家の次男、優司誕生。

我が家は、夫(司・つかさ)、私(梓・あずさ)、6歳年上の長男(祥
司・しょうし)、そして優司(ゆうし)の4人家族となりました。

新しく家族に加わった優司を囲み、私たちはこれから待っているだろう希望と喜びに包まれていました。赤ちゃんが生まれたら明るい未来に胸を膨らませるのが普通で、こどもが大きくなってやがて家を巣立つ時まで、その幸せが当たり前のように続いていく……。何も疑わずそう思っていました。

優司はとてもおとなしい赤ちゃんで、泣く時も赤ちゃんらしい「オギャー」という泣き声ではなく、「シクシク」ともっと控えめな感じ。ミルクもあまり飲まないので体重がなかなか増えず、私たちは体重計ではなく料理用のスケールを購入し、少しでも大きくなってくれるよう、飲んだミルク量と体重の記録をとっていました。

1カ月が過ぎ、あまり体重が増えていないまま初めての検診を迎えると、地域の小児科医から指導を受けました。

「今後も変わったことがないか、引き続きよく様子を見るように」と。
検診の帰り道、「そういえば、祥司はこの時期からもう手足がむっちりはちきれんばかりだったなあ。優ちゃんは小さくてお人形さんみたいね……でもそこが可愛いんだから気にしない、気にしない」。そう思い、私は指導を受けたこともさほど気にしてはいませんでした。

「きっと次男だから何事も控えめなのだろう。もともとそういう性格なのだろう」

2度目の子育てだったこともあり、妙におとなしい優司に対してまだまだ私には気持ちの余裕がありました。
 
2カ月たった頃、朝起きていつものように優司のおむつを替えようとして、ギョッとしました。茶色いはずのうんちが……マッシュポテトのような感じで色が白いのです。母子手帳を見たことがある人ならわかるかもしれません。手帳の真ん中あたりのページに『乳児のうんち』を1から7番の色見本でチェックするシートが挟まれています。

チェックシートには赤字で、次のように記されていました。
『1〜3番が当てはまる時は胆道閉鎖症などの重大な病気の可能性がありますので、1日も早く小児科医の診察を受けてください』

優司の白いうんちは、3番でした。

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