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永遠 l’éternité

卒業制作のための備忘録。

アルチュール・ランボーによる詩「永遠」はとても有名なため、今日たくさんの人に翻訳・出版されている。

その違いが顕著に表れていて面白いと感じたため、卒業制作のテーマに決定した。


原文

1872
Elle est retrouvée ! — Quoi ?  — l’Éternité. C’est la mer allée avec le soleil.

1873
Elle est retrouvée ! Quoi ?  l’éternité. C’est la mer mêlée Au soleil.


・また見附かつた、 何が、 永遠が、 海と溶け合ふ太陽が。(小林秀雄)

・もう一度探し出したぞ。 何を? 永遠を。 それは、太陽と番った海だ。(堀口大學)

・また見付かつた。 何がだ? 永遠。 去つてしまつた海のことさあ 太陽もろとも去つてしまつた。(中原中也)

・とうとう見つかったよ。 なにがさ? 永遠というもの。 没陽といっしょに、去ってしまった海のことだ。(金子光晴)

・見つかったぞ! 何が? 永遠が。 太陽と入り混じる 海のことさ。(有田忠郎)

・あれがまた見つかった! なにが? 永遠が。 それは溶け合わされた海、太陽に。(清岡卓行)

・また見つかった! なにが? 永遠。 太陽と 溶け合う海。(湯浅博雄)

・見つかったぞ! 何がだ? 永遠。 太陽にとろけた海。(粟津則雄)

・あった、あった! 何が? 永遠が。 太陽に混ざる 海なのさ。(篠沢秀夫)

・あれが見つかった 何が? 永遠 太陽と溶けあった 海のことさ(宇佐美斉)

・また見つかったよ! 何がさ? 永遠。 太陽に とろける海さ。(鈴村和也)

・また見つかった! 何が? 永遠。 太陽に混じった 海だ。(鈴木創士)

一応年代順に並べている。中原、金子訳も大好きだけど二人だけ多分1872年の翻訳だから除外かな。

ここまで顕著に違いがあると楽しいんだけど他にもあるかなー。

有田忠郎さん多分マイナーなのになんか見たことある名前だなと思ってたら、マンスール「有害な物語」の翻訳者だった。祖母の家から貰ってきたこの本、読んでみたけど難しすぎた…

フランスの人だしせっかくなのでパリに行った時の写真添えとく。

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