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大谷翔平の凄さは解像度

大谷翔平選手の人となりや野球について特に詳しい訳ではないので、恐縮ですが、日々のニュースに触れる中でどうしても情報が入ってくるので、自分の知っている範囲内で、仮説として書いてみようと思います。

1.凄いとされているのは結果


ニュースで流れてくる大谷翔平選手の凄いとされている所は、なんといっても、現代のベースボールで誰もやってこなかった「二刀流」を大リーグの舞台で成功させ、投手で10勝、打者で本塁打王、WBCでもMVPに輝いたという規格外の「結果」です。最近は人柄などが評価されている場面も多く見ますが、根幹にあるのは結果であり、改めて書いてみるととんでもないですね。

2.結果を作った要因は何か

2-1 凄いのは身体的才能…?

圧倒的な結果を産んだ要因には何があるでしょうか。

  • 身体能力

  • 野球センス

  • 周りの環境

  • 時間の使い方

  • 人柄

パッと上げられるだけでも様々な要素があり、それらが複合的に連関して出た結果だとは思います。しかし僕は、一般的に「才能」として取り上げられる身体能力とか野球センスの部分のみによる結果だとは思いません。
なぜなら、彼と同等又はそれ以上の身体能力や野球センスを持った人もいたはずだと思うからです。例えば甲子園では彼と同等やそれ以上の身体能力やセンスを持ったスター選手は同世代にいたように思います。では彼らとの結果の違いとなったのはどの部分なのでしょうか。

2-2 違いを作るのは継続力


才能というか適性があるのは前提とした上で、才能がある人同士の中で抜きんでた要因は、ありきたりですが継続力にあると思います。どの競技でも、一流達の中から超一流として抜きんでるには、如何に自分に合ったペースの努力を継続できるかという点ににかかっているようです。
一例としてACミランでメディカルトレーナーをされていた遠藤友則さんの記事を引用します。

結果を残す選手と、消えてしまう選手。違いは何だったのでしょうか。逆境から這い上がる選手の資質とは何なのでしょうか?強靭なメンタル?恵まれた才能? 運を引き寄せる力?

筆者は、両者に才能の「差」はなかったのではないかと見ています。もし違いがあるとするならば、それは「考え方」。逆境と言われていた時期をどう考え、過ごしていたかの差、それだけだったと思うのです。

遠藤 友則「超一流は、結果が出なくても「頑張らない」」


結局長期的なスパンで見ればかけた時間と成果の相関は正なのだと思います。では、どうすれば努力を継続し続けられるのでしょうか。

3.努力を支える解像度の力


努力を継続できるかどうかには大きく2つの要素があると思います。

①努力を継続しやすい環境があるか(外的要因)

これは努力を妨げる要因に抵抗する際の消費エネルギーが低い環境を作れているかという事です。卑近な例に例えれば、勉強する際は気が散らないようにスマホを視界に入らないようにするとか、他の人と一緒なら継続しやすいのでコミュニティに入るとかそういったことです。
質の高いトレーニング内容や施設、サポート人材はプロまで上り詰めた人たちにならある程度提供されるものだと思うので、環境の部分ではそこまでの差は付かないように思います。

②意志の力をどう引き出すか(内的要因)

努力という活動をする訳ですから、大小はあれ、活動するための「やろう」という意志の力は必要になります。この意志を引き出すために重要なことが2つあると思います。

  • 1.掲げている目標に対して強い納得感があること

自分の中で、その目標を達成することが自分にとって優先順位が一番上だと強く納得していること。納得して腹の底からやりたいと思っていると自覚しているので、活動のエネルギー源となります。自分の心の解像度が高いことが前提にあります。

  • 2.目標の解像度が高いこと

目標の解像度が高く、その目標を達成できる人はどういう人かということの理解度が深いこと。
例えば、「本塁打王になる」が目標だった場合、「○○本ホームランを打つ」ために「○打席に1回ホームランを打つ」ために「□球場で○投手と対戦するときは△の球種は打てるようにする」ために「△の球種を打つためにはどんなトレーニングをするか、相手がどのような状態であるか、グラウンドやボールのコンディションはどうか」…といったイメージです(実際は違うと思いますが)。
目標への解像度(理解度)が高いことで、目標達成のために必要な能力が浮き彫りになり、目標にたどり着くまでの道のり(努力)も具体的になると思います。そうなると、今行っているトレーニングや食生活、睡眠などの時間の使い方が自分にとって何のためにあるのか、やめたらどうなるのかを明確に理解し、実感を持って想像できるようになると思います。漫画の刃牙でも空想上の巨大カマキリと戦ってトレーニングしてましたが、実感を伴うほどの想像力の根底を成しているのが解像度の高さだと思います。これが強い。

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人は、「やるべきだが面倒くさいこと」を今やるかどうか考えるときに、今やらないことで得られるメリット(面倒くささを一時的に回避できる)が今やることで得られるメリット(タスクが終わる)を上回ると感じると後回しにすると思います。

やるメリット(タスクの消化) < やらないメリット(面倒くささの一時的な回避) 
⇒後回し


ここでのポイントは、これは実際のデメリットの大きさではなく、自分が感じるメリットの比較であり、すなわち「自分が想像できるメリットの大きさ」です。生じるメリットデメリットに対して将来の自分がどう思うかをきちんと実感を持って想像できていないと後悔が生まれますし、メリデメに対して自分はどう思うかということの解像度がひたすら高いと、自分の中で最も優先順位が高い目標のために時間をさけるようになり、意志の力が弱くても継続できるように思います。

<まとめ>
①自分の心の解像度が高く、その目標を達成したいと腹から思っている
=目標達成のために注げるエネルギー量が多い

②目標の解像度が高く、活動の意義ややることのメリットへの解像度が高い
=目標達成を阻害するものに抵抗するためのエネルギーが小さくて済む

以上から、「自分の心と目標への解像度の高さ」が、すべてが野球中心の生活の継続を支え、大谷選手の圧倒的な結果に繋がっているのではないかと思いました。ニュースなどで、批判されても二刀流を貫いたところが大谷選手の凄い所として取り上げられるシーンもしばしば見ますが、「二刀流という絵空事と一笑に付される目標を、具体的な道筋にまで落とし込める夢への憧れの強さと解像度の高さ」が凄い所かなと思いました。実際にやるとなると「絵空事への解像度を上げる」という所がかなり難しい所なのかなと思います。

一旦区切ります。ここまで読んでいただきありがとうございました。

(自分の話に続く...)

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