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事実から見るサラリーマンの将来と覚悟

フリーランスや起業する人が増えている!という感覚的な印象を持っている方も少なくないはず。実態はどうなんでしょう。確かに今までになかった働き方をしているフリーランスは増えましたし、起業する人も一定数いるでしょう。ただ、実態としては年々雇用者が増えつ続け自営業者は減り続けているのをご存じでしょうか。総務省統計局の労働力調査2019 p8によると、労働力人口6,884万人に対し、雇用者は6,004万人と87%がサラリーマンです。しかも過去10年、毎年1~2%ずつ増加傾向にあり10年前より10%増加しています。一方自営業者は真逆で10年間で16%減。それだけ厳しい世の中ということが分かります。自営業からサラリーマンになる方も少なくありません。労働力人口の9割近い方々が安定を求めてサラリーマンをしている訳ですが、どうやら将来は穏やかではないようですね。というのも、政府からの老後2,000万円不足発言と、経済界からの終身雇用不可能発言が事実だからです。

誰も守ってくれない

前述の通り、政府からの発言では「年金だけでは十分暮らしていけるだけの保証はできませんよ」と、トヨタや経団連からの発言では「終身雇用は無理ですよ」と、ここ数十年のサラリーマン安定神話が一気に崩れた瞬間でした。誰もが薄々気づいてはいましたが、政府や経済界からの発言があったことによりちょっとした騒動になりましたね。経済的に支える側からそういった発言がある以上、しっかり就職さえしていれば暮らしていくには十分な経済力を手にしていた中流階級の人たちは生き残れなくなることを意味します。いよいよ本格的な二極化が進んでいくでしょう。社会保障が崩壊すればお金のない人たちは医療行為が受けられなくなります。リストラされれば、生活そのものが困窮します。それはまるで動物園で生まれ育った動物たちがいきなり野生に放り出されるようなもの。

自分でエサを食べられるか

エサを食べやすい形でもらっていた動物たちが、野生でエサを食べることができるのでしょうか。本能レベルで狩りをして食べていくこともあるでしょう。一方、動物によってはエサをエサとして認識できずに衰弱していくことも考えられます。というのは例えですが、これが経済活動にもそのまま反映される可能性はとても高いと言えます。なぜなら自分の力だけで仕事をしたことがないから。実績のある商品が既にあり、売るための仕組みが出来上がっていて、仕事に必要なモノは全て用意され、あとは身一つで仕事をするだけ。もちろんサラリーマンとしての義務はあるし、結果も問われるけど、特にリスクらしいリスクもなく毎月給与が振り込まれる環境にずっと身を置いてきた人が、明日から売る商品も仕組みもリソースも何もないところに放り出されたら…。考えるだけでもゾッとします。

危機に直面していることに当事者意識はあるか

データがないので、なんとも言えませんが、約9割いるサラリーマンの中で危機感を本気で持っている人がどれだけいるのでしょうか。サラリーマンが良いとか悪いとかではなく、当事者意識の有無で日々の過ごし方は大きく変わるはず。会社の愚痴を良いながら毎晩飲みに行っている場合ではないし、特に見たいわけでもないテレビをボケーッと見ている場合でもない。「今日は何をしようかなぁ」ってそんなことを言っている暇はないんです。スキルアップを日々行って毎日一歩でも前へ進んでいかないとサラリーマンという職業は極めて危険な職業と言えるでしょう。日本のサラリーマンの停滞は衰退を意味します。なぜなら日本の実質GDPが減少しているから。少し乱暴に例えるなら徐々に沈んでいる船に乗っている僕たちが止まったら船は益々沈んでいくという事です。

どうなってもいいように覚悟する

明日以降の未来がどうなるかなんて誰にも分かりません。今日と同じような日々を送るかもしれないし、天変地異が起こるかもしれない。どうなるかは分からないし、船自体をコントロールすることは無理だけれど、どうなってもいいように心構えは必要です。余談ですが、「準備」という言葉を使おうとしましたが、いくら準備してもどうなるか分からないから「心構え」という言葉を選びました。とは言え、心構えだけではどうにもなりません。違う船に乗り換えるのか、小さな船を用意するのか、泳ぐ準備をするのかは人それぞれだとしても、心構え相応の行動は必要です。日本のサラリーマンは今できる最善を尽くし、少しでも明るい将来を自らの手でつくっていく覚悟が必要な時期に差し掛かっています。


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