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イタリアサッカー留学で選手が理解しておかなければいけない事

こんにちは。


2021-2022シーズンイタリアサッカーのリーグ戦は格カテゴリー終盤を迎えております。
今シーズンは2選手を抱えており、来シーズンは3選手を抱える予定です。

留学関係以外でもサッカーの仕事をしているのでイタリアサッカーをただ知っているだけではなくどういったポイントを大切にしているのかやチームの組織としての特徴(これはローマ近辺のチームだけです)など選手として留学しているだけではわからないことが嫌でも分かってきます。

そこで、今回はイタリアサッカー留学を考えている選手や興味のある方向けに記事を書いていきたいと思います。





「レベル」で判断してはいけない

ラツィオ州5部のチーム

日本からサッカー留学で来る選手たちが契約出来るレベルは5〜6部です。
4部(セリエD>協会規定ではアマチュアリーグではあるが事実上セミプロリーグといえる)になってくると相当難しくなってきます。
試合を外から見た感覚では余裕でプレー出来る感じがしますし、実際には余裕でプレー出来るはずです。
ただ、国が違ければ戦術も違うし、プレーしている選手達の考え方もまるっきり違うのです。
イタリア人は「球際の厳しい選手」や「当たり負けしない選手」を基本的に好み、日本人のように何でも綺麗にプレーしようとする選手を基本的に嫌う傾向にあります。
要するに肉弾戦が出来るか、無理が効く選手かどうかということです。
そこに最低限のテクニックがついてくるイメージです。
単純にガツガツいけない選手にはあまりにも不向きな国なのです。


組織を理解しなければいけない

ラツィオ州4部(セリエD)の会長とフロント陣

僕は高3でイタリアに渡ったのですが「組織」が全く理解できませんでした。
それまでにはなかった構図がいきなり目の前に現れ、しかもイタリア語でやり取りしなければいけないという事がものすごく大きい壁に感じました。
会長がいて、GMがいて、スポーツディレクター、テクニカルディレクター、ホペイロそしてトップチームとアカデミーでまた方針なども違ってきます。
それぞれ担当が分けられている為、誰にでも話を持ち込んでいい訳ではないのです。
当たり前の話なのだが意外とこれに気付けない留学生選手は多いんです…


より多くのカテゴリーに触れた方がいい

ローマのとある街クラブのU-18はセリエA、D各数チームとの業務委託チームである

「トップで契約したから…」とか「自分は何部の選手だから…」とかはなるべく思わない方がいいでしょう。
もしアカデミーのトレーニングサポートが出来るのならしたほうがいいですし、ユースでトレーニング出来るのならもちろんした方がいいでしょう。
あと何部のチームと契約してもセリエA〜6部の試合までを観るべきだと僕は思います。
理由は単純に「イタリアサッカー」を理解出来るからです。
どう成り立っているのか、選手をどう育てるのか、各リーグの特徴やどんな特徴をもった選手がより上のカテゴリーでプレー出来るのかなど本当に多くのことを学ぶ事が出来ます。
特にローマにサッカー留学をしにくるのであればユース(特にU-18)の試合を観に行くことは非常に大切だと思います。
この年代では既に各クラブと交渉がされている、あるいは既にプロジェクトが実行されて一時的に街クラブなどに送られている選手などが多く(ローマは特に首都で人口も多く素晴らしいチーム・選手も揃っている為)観に行く価値はあります。
試合自体のレベルも大切なのですが僕はそこでプレーしている選手が来シーズン・数年後どのチームでプレーしているかをチェックするために視察に行きます。選手を練習参加させる指標として非常に勉強になるのです。


1年目は我慢の年

いくらでも上にはいける!

選手は名目上「留学生」であり、決してプロチームに所属するわけではないのでピッチ内外でもちろん多くのストレスがかかります。
言語はもちろんのこと、ピッチ内では日本で通用していたプレーが通用しない、削られる、ボールが回ってこない等、様々なことが起こります。
ピッチ外では滞在許可書の書類審査や毎食の自炊、プライベートでの友達もいないなどフラストレーションも溜まりやすくなります。
そんな中で結果を出していくことは簡単なことではないでしょう。
もちろん最初からナーバスになる事なく結果を出し続けれる事に越したことはないですが、少しレベルを落としてでも自分がプレーし続けれる、周りから見てもらえる機会を増やす方法が最善だと考えます。
そこからは結果・実力勝負になってくるので選手が全てになってきます。


以上の4点がイタリアにサッカー留学をするにあたって非常に大切になってくるポイントだと言えるでしょう。
基本中の基本のことですがこれが理解しきれていない留学生を今まで多く見てきたので少しでも頭にいれておいてもらえるとより良いイタリアサッカー留学になるかと思います。

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