スクリーンに全盛期のオペラ座がいま、よみがえる。〜公開20周年記念「オペラ座の怪人」4Kリマスター感想文〜
オークション会場でシャンデリアが上がると、たちまちオペラ座が全盛期の輝きを取り戻す・・・。
今年、2024年は映画「オペラ座の怪人」公開20周年記念イヤーだそうです。
そこで、現在劇場で4Kデジタルリマスター版が公開中です。
冒頭のオークションのシーンから、誰もが知るあのテーマがダイナミックに流れ出し、豪華絢爛なオペラ座全盛期にタイムスリップします。
ミュージカル「オペラ座の怪人」は、ミュージカルの殿堂・ブロードウェイ版たるや、最長35年にわたるロングラン公演を記録した伝説の作品です。
ブロードウェイや劇団四季のミュージカル版の素晴らしさはさることながら、映画版ではこれでもかと贅を尽くした舞台装置、そしてフルオーケストラの音楽。
それも、ミュージカル版を手かげたアンドリュー・ロイド・ウェーバーが制作・脚本・音楽に携わっており、そのクォリティは見る前から保証済み。
そんな劇場版「オペラ座の怪人」が、20年後の最新技術で、色鮮やかに、音もクリアに、大スクリーンに顕現しています。
今が、劇場で見られる絶好の機会です。
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劇場版「オペラ座の怪人」の特筆すべき魅力は、絢爛豪華な映像、音楽、そして、ファントム（オペラ座の怪人）です。
本作のファントムを演じられているのは、ジェラルド・バトラーさん。ブロードウェイや劇団四季版とは異なり、テナーに加えロックの要素が入っているのです。その力強い美声が、今までなかったスタイルのファントムで当初驚きでした。その美声は、誰もが聞き惚れる圧倒的な美しさだけではない、唯一無二のファントムの存在感を際立たせています。
筆者が作中で一番好きな歌は、”The Point of No Return”。
本作を鑑賞した関係者や観客の間でも、堂々の一位を誇る人気だそうです。
（出典は以下の通りです。）
💭#オペラ座宣伝マンの回想
— 映画『オペラ座の怪人 4Kデジタルリマスター』🌹6/14〜ロードショー (@operaza4K) June 15, 2024
残念ながら直前でキャンセルになったのだが、DVD発売のタイミングでジェラルド・バトラーが来日する計画があった。イベント用に映画鑑賞後のお客様に、一番好きシーンのアンケートを取ったところ、1位は「ポイント・オブ・ノーリターン」だった。#映画館でオペラ座 pic.twitter.com/ZDyg6DyVzl
”The Phantom of the Opera”や”The Music of the Night”が名曲なのは言わずもがな、この曲は映像で見た時の妖艶さと言ったらないのです。
片や、誰からも愛されたことのない、孤独なファントム。
片や、若干17歳の少女である、天使のような歌姫クリスティーヌ。
それなのになぜ、この二人からこれほど圧倒的な妖艶さが醸し出されるのか・・・！？
これはラウル（クリスティーヌの婚約者）も間違いなく嫉妬しますね。
このファントムを見たら、見る前のファントム像が一変すること請け合いです。とにかく、ファントムが魅力的なんです。
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以下、結末にほんの少しだけ触れています。気になる方はご注意を！
私がオペラ座の怪人を知ったのは、高校1年生の時。
1年のうちにガストン・ルルーの原作小説から、映画のDVDで魅了され。
そして劇団四季へと観にいくようになるくらい大好きになりました。
クリスティーヌのためなら手段を選ばなかったファントムの最後の選択は、当時の私にとって非常に衝撃的だったのを覚えています。
でも、自分の身を切るようなその選択は、本当にクリスティーヌのことを思っていなければ決してできない。
そう言った時、私は自分の心を平然と八つ裂きにしていたも同然だった。
その思いの深さは、私自身の恋愛観を決定づけてしまうくらいに強烈でした。
そして10年以上経った今もなお、その感銘は私の心に響き続けています。
親からも愛されず、
醜いと虐げられ、罵られ、
生きるためには手を汚さざるを得ないし、
人並みの恋愛も叶わない。
本当に悲しいキャラクターです、ファントムは。
彼のした犯罪は決して許されることはありませんが、
それでも最後に、最愛の人の幸せを選んだ。
それが、ファントムが今なお多くの人に愛され続ける理由なのでしょう。
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オークション会場でシャンデリアが上がると、たちまちオペラ座が全盛期の輝気を取り戻し、観る者を1870年代パリへ誘います。
劇場の大スクリーンで観る念願が叶った瞬間でした。
あなたもぜひ、絢爛豪華なオペラ座へ。
一生モノのタイムスリップを。
参考）
・劇場版「オペラ座の怪人」公式パンフレット
・ガストン・ルルー「オペラ座の怪人」（長島良三・訳）
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