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中途入社1ヶ月で組織に貢献する8の方法

こんにちは。2022年9月に入社したマネーフォワードビジネスカンパニー所属のデザイナーこちょうです。現在マネーフォワードは組織を急拡大してる最中です。2022年は第3四半期だけで260人を採用しています。デザイナーだけでも全体では70名を超え、将来的には100名規模のデザイン組織になる見込みです。

この急拡大する組織では、社内とはいえ周辺環境や部外関係者も頻繁に変わります。特に各部門のハブ的な役割が重要となるデザイナーは、中途入社の社員こそ早く組織に馴染み、早く認知され、早く成果に貢献できるポジションに自らなっていくことが求められます。

そこで本記事では、私が入社後1ヶ月で、早く組織に貢献するためにやってきたことをご紹介します。

1. 組織の全体像とミッションを知る

マネーフォワードでは中途の社員に対しても手厚く入社のサポートをしてくれます。具体的には以下のような内容です。

全社的なサポート

  • PCの環境設定を初日で完結させ、入社2日目からリモートワークを開始できる

  • 入社オリエンテーションでの実施タスクや参照資料がTODOリストで提供される(就業規則、MVVC、コンプライアンス、知的財産、福利厚生、評価制度、各種e-learningなど)

  • 特にフォローが必要な研修では、専用Slackチャンネルに招待され、タスク完了後チャンネルから抜ける仕組みで、非常に効率化されている

  • 全部門・組織の紹介動画を観る時間が確保されている

  • 自社プロダクトのテスト環境にアクセスするスクーリングプログラムが提供され、早期にプロダクト理解を深められる

  • オンボーディング支援ツール「Onn」を活用したフォローアンケートが入社後の3ヶ月間、週次で行われ、困った時に人事にフォローを依頼できる仕組みができている

  • 研修各所でMVVCを意識でき、文化として根付いていることが実感できる

デザイン組織のサポート

  • デザイン組織内で新入社員ひとりひとりにオンボーディング担当デザイナーが専任で付き入社後のサポートをしてくれる

  • デザイナーとしての入社後1ヶ月間のTODOリストが提供される(チームの顔合わせ、参加すべきSlackの案内、デザイナー向けツールのインストール、1on1、評価目標設定など)

  • デザイナー組織専属の人事がデザイナーの最適な働き方を支援してくれる

これだけ手厚いサポートですから、この流れに乗れば、組織構造や会社・部門のミッションもおおまかに理解できます。しかし、実際の仕事では「Slackに投稿しているこの人はどの部門の誰?」「このSlackの話題は自分も気にしておくべき?」など最初は情報の取捨選択に戸惑います。

そこで私は、まずいろんなSlackチャンネルで自身が絡めそうな話に乗っかり、UIデザインやリサーチに関わる投稿をしました。

例えば、入社時の研修では様々な部署の方がいる中で「なにやらデザインについて考えている社員がいるようだ」と認知してもらい、結果的に他部門のキーパーソンと繋がりをもつことができ、組織の理解が深まりました。

2. 自身の立場とミッションを知る

組織の全体像を理解したら、次に自分の立ち位置を理解し、組織に自分が参加した意義は何か、どのような貢献ができるのかを知ることが重要です。

私の場合は、マネーフォワードクラウドシリーズの30を超えるプロダクト群の横断体験、特に債権債務・経費領域のプロダクトの体験の改善というミッションがありました。そうするとやるべきことは、担当デザイナーのプロダクトへの売上・顧客満足度向上への貢献と、そのための育成、PdMや開発部との密接な連携、さらにはプロダクト同士の横の繋がりの関係強化などがあります。

一般的には、社内の組織異動や若手の中途入社だと、自身のミッションまで考えられないこともあります。そんな時でも、業務効率化や、運用の整備など、組織に貢献できる方法はたくさんあるので、小さなことでも自身のミッションを見つけられるといいのではと思います。

3. 業務の全体像を知る

日常の業務はプロダクト改善の取組みだけではありません。デザイン組織としての施策活動、採用活動、電話対応、他部門対応、情報管理などの定常業務のように、目立たずとも、日々重要な業務は多くあります。定常業務を早めに把握することで、自身の業務量のバランスが理解できます。

また、先述の「自身のミッション」が入社直後でまだ見えにくい場合、定常業務にこそ貢献できる部分があるかもしれないと考えるようにしています。

定常業務を理解すると同時に、なぜその業務が必要であるかの目的を明らかにします。定常業務は、長く在籍している社員には当たり前のことになり、目的が曖昧になっていることが多く、作業の質も下がってしまいがちです。

しかし、新規参画者が当たり前の作業の目的を掘り起こすことで、組織全体が目的を思い出すいい機会にもなります。私が実際に定常業務に対して、目的を振り返り改善を提言したものは以下です。

  • デザイナー同士の制作物レビュー方法の仕組み

  • 日報によるデザイン業務報告の仕組み

  • デザイン組織課題から施策に落とし込み改善するフロー

  • デザイン組織内の情報共有会の新プログラム

定常業務の改善は、効果がなくとも見直しや方針転換しやすいので、日々の試行錯誤が重要であり、中途入社の社員が貢献しやすいポイントです。

4. ナレッジの探り方を知る

自身のすべき業務の全体像が掴めたら、それを遂行するための組織での手順・ルールを理解します。おそらく、ほとんどの組織では、組織共通のナレッジを用意していると思います。

マネーフォワードの場合、現在ナレッジシェアではKibelaを使っています。事あるごとに周りの人に手順を質問して時間をとるのではなく、まずはどこを見れば手順が分かるかを質問し、自身で解決できる状況を早く作ることが大切です。

ただし、組織によってはそのナレッジが各所に点在していたり、そもそも整備されていないこともあります。そんな時は、自身が学ぶ中で、纏めてナレッジ化すればいいです。早速、組織に貢献できるチャンスでもあります。

5. 仕事のやり方の違いを知る

組織によって、施策の進捗管理、定常業務のタスク管理、情報管理、コミュニケーションなど、使うツールが変われば、管理の粒度や方法も変わってきます。ここで注意したいのは、「前の会社ではこうだったのに」とネガティブなイメージを持たない事です。今までの慣習が本当に正しいか疑いながら、まずは組織のやり方に慣れる必要があります。

私の場合は、幸いにもコミュニケーションツールのメイン(Slack)は前職と変わらず困ることはありませんでした。一方で、前職ではバーチャルオフィスツールを使って簡易的なやりとりをしていましたが、マネーフォワードのデザイン組織では人数の問題もあり現状ツールは取り入れていません。

しかし、デザイナーの多くがリモートワークかつ他拠点で仕事をしているため、気軽に繋がれるより良い方法があれば今後検討しようと思っています。

このように新しいやり方を取り入れる場合は、現在の仕事に慣れていく中で、昔とはどのような違いがあって、それによるメリット・デメリットが何かを分析します。デメリットを埋める方法を模索できれば、より良い環境を提案できる可能性があります。

6. 社員を知る

組織に参加して間もないと、同業務をしている数名とのコミュニケーションはあっても、周辺の社員となかなか接する機会がありません。しかし、周辺の社員が何をやっているかを知ることで、より組織の理解が深まります。

マネーフォワードのデザイン組織では、話題に応じて様々な組織横断のSlackチャンネルを使い分けています。

  • 一般的な連絡用チャンネル

  • デザインに関わるニュースを共有するチャンネル

  • UIデザイン・設計での悩み事を相談するチャンネル

  • デザイナー同士の感謝の気持ちを伝えるチャンネル

私は、これらのSlackチャンネルを活用して、デザイナーで議論になりそうなTwitterでの話題トピックの提供、勉強会開催の提案、相談に対するレスを積極的に行いました。おかげで、多くのデザイナーと早期に関わりを持つことができました。

7. 組織での自分の仕事の型を知る

組織の全体像が見えてきたら、自分のしやすい仕事の型を早く見つける事で、よりタスクがスムーズに進められるようになります。プロダクトUIデザインの取組みと定常業務とをバランスよく、かつ効率よくこなすためのルーティンを見つけることが大切です。

UIデザインの進め方にもプロダクトごとに開発プロセスに則った特徴があります。新規開発プロダクトか、改善フェーズにあるプロダクトか。ウォーターフォールに近いプロセスか、スクラム開発のプロセスか。それぞれで最適なデザインプロセスがありますが、プロダクト関係者の性質によってデザイナーも仕事のやり方を変えていく必要があります。

例えば、戦略に前のめりにデザイナーが関わっていくべきか、プロジェクトマネジメントや開発ディレクションに入っていくべきかなど、デザイナーが関わり方を柔軟に変えることで、プロダクトの質をより良くできます。

私の場合は、プロダクト横断での関わり方が増えていくので、プロダクトごとに関わり方を臨機応変に変えていくことが求められそうなので、関係者とのコミュニケーションや期待値のすり合わせを重点的に行いました。

8. 心の拠り所となる人を知る

中途入社者は、早く成果を出したい、会社に貢献したいと考える人が多いと思います。その焦る気持ちは悪いわけではないですが、仕事は生活の一部であり、少しばかりの心の拠り所、何でも気軽に話ができる同僚がいると、どんな時でも精神衛生を保って仕事に取り組めるというものです。

私の心の拠り所は、同じ部の直属の上司に当たるしのさんです。入社当初より、私の色んな投げかけに丁寧に答えてくださったり、様々な提案を基本的に全肯定で受け入れてくださったり(その上で懸念事項も伝えてくださり)良き相談相手になってくれています。

しのさん以外のデザイナーの皆さんも、会社のMVVCを体現したかのような接し方で、多くの人が拠り所になってくれているのでとても仕事がしやすく日々感謝しています。

デザイナー組織以外だと、同期入社のCPO室に所属する広瀬さんとよくコミュニケーションをとっています。今後のプロダクトのロードマップの中でデザイナーがどのように関わりPdMと協創していくかを議論しています。

新入社員という立場に甘んじず、早くマネーフォワードのデザイナーのキーパーソンとしてのポジションを確立したいと思います。

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