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共感から生まれる、ミッション・ビジョン・バリュー・カルチャーの浸透スパイラル。

先日、社内のSlackでこんな発言を見かけました。

どうやって社内の取り組みに社員を巻き込んでいるのか。
なぜ、みんなが協力してくれるのか。
他社の人から聞かれたときに、うまく答えられない!

この答えは「MVVC(ミッション・ビジョン・バリュー・カルチャー)が浸透しているから」だと思っていますが、「なぜMVVCが浸透したのか」という部分をちゃんと言語化できてないのかもしれない...?

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MVVCを策定してから4年が経ち、ありがたいことに「マネーフォワードの強みはMVVCの浸透」と言っていただけるようになりました。理想的な浸透した状態からはまだまだ乖離がありますが、浸透度は総じて高いと感じます。

では、なぜ浸透したのか?
策定に関わり、MVVCに強い思い入れがある自分なりにまとめてみました!

施策以上に重要なのは、共感できること。

振り返ると、MVVC策定前のマネーフォワードで「ミッション」が語られていた記憶はほぼありません。ただ、ミッションはおそらく全員が知っていたのではないでしょうか。なぜなら「マネーフォワード」という社名そのものが、私たちのミッション「お金を前へ。人生をもっと前へ。」を表していたから。ミッションという形で語られてはいなくても、一定の共感を持った人たちが集まっていたように思います。

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(2014年4月、マネフォ初の合宿での写真。既にMVVCのエッセンスが伺えます。)

実際、経営陣のMVVCへの関心は高く、策定・浸透ともに一貫して全員が協力してくれました。また、リーダー合宿での浸透セッション、MVPなどの制度への反映、採用基準としての活用など、人事も初期からフルコミットして、あらゆる施策を行っています。

ただ、全体に浸透したという意味では、行った施策以上に「共感」というのが大きなポイントだったのではないかと感じています。共感が得られないと、浸透のハードルはぐっと上がりますよね。みんなにとってMVVCが「大事なもの」「誇りに思えるもの」になることを願って、意識してきたことが2つあります。

1. 大事にし続けたい価値観を抽出した。

ミッション・ビジョン的なものは創業期から存在していたので、策定時にもあらためて「これがミッションとビジョンだよね」という定義をしたにすぎません。バリュー・カルチャーについては、創業期に作成した「行動指針」を要素分解していき、本当に伝えたいことは何なのかを抽出していきました。

このとき、「現在の自分たちとはかけ離れている理想の姿」を目指したわけではなく、「自分たちが大切にしていて、これからもあり続けたい姿」を強く意識して作っていきました。その結果、お飾りではなく、共感できるMVVCになったのではないかと想像しています。

当時、MVVCはざっくりとこのような流れで策定しました。

・創業期に作った行動指針はあるが、浸透していなかった
・執行役員の服部(当時の人事部長)と一緒に策定プロジェクト立ち上げ
・社内から策定メンバーを募り、ボトムアップで提案
・経営陣の思いを反映できずに大失敗
・社員と経営陣、双方の価値観を反映して、MVVCを策定

策定に関する話は、GCストーリーさんに取材していただいた記事を読んでいただけるとわかりやすいと思います。(失敗談も)

当時の経営陣は創業メンバー中心に構成されていて、「マネーフォワードのDNA」そのもの。経営陣のリファラルや、経営陣に惹かれて入社した社員も多く、元々「会社の価値観への共感」は高い状態だったと思います。加えて、策定プロジェクトは元々ボトムアップでスタートしたので、メンバーの想いも受け止めて盛り込むことができました。

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(当時の経営陣。2017年上場時の社内イベントでマネフォカラーの法被を着せられています笑)

とはいえ、最初から全員が共感していたわけではありません。
目の前のサービス開発に全力を注ぐメンバーからは、「本当にいまこれが必要なのか?」という意見もありました。MVVC策定プロジェクトは一度大失敗したこともあり、けっこう厳しい目で見ているメンバーもいたんじゃないかなと思います。

ただ失敗のおかげで、策定プロセスがみんなに見えたことや、良くも悪くもみんなの関心が高まっていったという側面もあるので、今となっては失敗も大事な要素だったのかもしれません。(当時はほんとヘコんだ)

2.ポジティブなものにすると決めた。

もうひとつ、経営陣や人事が大事にしたのは「みんなにとって、MVVCをポジティブなものにする」ということ。守らないといけないルールや、自由を奪うような管理ツールになってしまうと、みんなMVVCを嫌いになってしまいます。

そのような理由から、マネーフォワードのMVVCは「こうあるべき」ではなく「こうありたい」と語られてきました。そして、MVP表彰の項目にする、カルチャー体現者を表彰する、ピアボーナスのタグにするなど、ポジティブなシーンで使われるものになっています。これって地味なんですけど、すごく大事なことだったなと思います。

MVVCはみんなの軸となり、共通認識となることで、それぞれが自走できるようになる効果もあります。「怒られるからやらなきゃ」ではなく「こういう行動が称賛される」という方がみんなのびのびとアクションできますよね。組織としての厳しさも大事ですが、MVVCは常に称賛とセットで存在するものだったらいいなと思っています。

以上が、MVVCの策定・浸透で心がけていたことです。

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(カバー画像にしたのは、カルチャーの体現者「Culture Hero」がもらえるパーカー)

共感し、自分の言葉で語り、オーナーシップが生まれる。

この記事を書くにあたって、色んな人に浸透についてのヒアリングを行いました。そこでよく挙がったのが「MVVCへのオーナーシップ」です。

・採用時、面接してくれた人が全員MVVCを"自分の言葉"で語っていた
・自然とみんなの登壇資料にMVVCが入っている
みんなが思う「マネーフォワードらしさ」が一致している
・入社してみて、MVVCへのみんなの本気度がすごくて驚いた

分かりやすいのは採用時のエピソードで、

入社前に面接してくれた人を思い出すと、みんなポジティブにMVVCを捉えて、押し付け感が無く、自分の言葉で語ってくれた印象があります。宗教っぽく見えなかったのは、MVVCを自分の言葉で話しているからなのかな?と思ったりしました。

こんな内容を語ってくれた方もいました。もう泣いちゃう(笑)

策定から3年以上ずっと継続している「週次朝会でのマネジメントスピーチ」では、経営陣が持ち回りでMVVCについて語ります。このときも、みんなが自身の経験から「こういう行動がUserfocusだと思う」「他社のこういう事例にFairnessを感じる」という話を、まさに自分の言葉と価値観で語り続けてくれています。

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(ある日のマネジメントスピーチから抜粋)

自分は「マネフォらしいMVVCを作りたい」と言い出した張本人でもあるので、勝手に浸透にもコミットしてきました。マネーフォワードの価値観を誇りに感じているし、浸透させることが会社の強みになるはずだと信じていたからです。

で!
同じように、自分ごと化してコミットしている人が社内にいっぱいいるんですよね。みんなが自発的に発信を行ってくれているし、積極的に全社プロジェクトやインナーコミュニケーション施策に参加してくれています。

(自分の言葉でMVVCを語ってくれてる例↓)


経営陣が語り続け、社員が共感して、自分の言葉で語るようになる。
自分たちの言葉で語ることで、さらに共感した仲間たちが集まる。

多くの人が「MVVCを浸透させよう」という意識でやっているわけではなく、共感してあたりまえのように体現してくれているんですよね。つまり共感が起点となり、浸透のスパイラルが起こっているということなのかなと思っています。他にも色々要因はあると思いますが、これが自分なりに考えた「MVVCが浸透した理由」です。

突然不安定な時代に突入し、これからますます会社の在り方や、社員の心の拠り所が問われるシーンが増えるのではないでしょうか。そんな時こそ「MVVCが自分たちの軸になっている」と感じられるように、これからも語り続けていきたいと思っています!

Special thanks : 服部さん&ヒアリングに協力してくれたみんな
当時一緒にMVVC策定を行った執行役員の服部も「浸透した理由」を分析してくれました。その分析に、だいぶ影響を受けながら記事にしています。


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