デザインマネージャーが次のキャリアにマネーフォワードを選んだ理由
マネーフォワードがビジネスの新たな局面を迎える中、デザイン組織に新たに2人のデザインマネージャーがジョインしました。
いままで様々な環境でデザイン・プロダクト開発の組織づくりに携わってきた2人が、このタイミングでマネーフォワードを次のキャリアに選んだ理由は何でしょう。入社前に抱いていた印象、入社後に見えてきた組織課題や展望、ギャップなどをお伺いしたいと思います。
お話を伺うデザインマネージャー
インタビュアー
デザイン組織の現在地はどう見えている?
古長:現在、BtoBのバックオフィス向けのプロダクトを提供しているマネーフォワードクラウドは、20以上のプロダクトを抱えています。1ブランドの中でマルチプロダクト開発を行う複雑さ、ビジネスとしての難易度にチャレンジをしている状況です。
その挑戦について詳しく語られているこちらのnoteもご一読ください。
最近マネーフォワードにジョインしたお2人の目には、現在のマネーフォワードの状況はどのように見えていますか?
松村:全体で100名以上のデザイン組織ですが、BtoB事業領域だけでもかなりの人数のデザイナーが所属していますよね。ただ、プロダクトの数も多いので取り立ててデザイナーの人数が多いわけではない。各プロダクトはPdM・デザイナー・エンジニアという布陣で組まれている一般的な体制だと思います。
とはいえ、会社によってはデザイナーの役割が表層のUIデザインに止まっている企業もあるなか、マネーフォワードは徐々に役割を染み出し、理想的で均衡のとれたトライアングルの関係で進められるようになってきている状況に見えています。組織としての船出を迎えているという印象です。
どの組織でもそうですが、最初は属人的なスペシャリティで補っていたことが、規模が大きくなると、それだけでは上手くいかなくなります。徐々に標準化をして組織としての底上げをすることで強くなると思い、そのポテンシャルがマネーフォワードのデザイン組織にはあると感じました。
中村:事業観点だと、マネーフォーワード クラウドは10年ほど前にスタートして、当時リリースしたプロダクトが徐々にレガシーになってきています。そんな中、新興企業が台頭して、市場環境の難易度も高まっています。
マネーフォワードは、レガシーな部分は抱えつつ、よりよい体験を届ける。業務をラクにするのは当たり前で、その先の付加価値を見出して、全体の体験を最適化するために、デザイナーには高いレベルの思考力が求められているなと感じます。
デザイン組織の課題と伸び代は?
古長:確かに組織としても事業としてもデザイナーにとっては分岐点を迎えていると感じます。そんな中で、組織やデザインに対してどんな課題・伸び代があるように見えていますか?
松村:これはマネーフォワードだからということではないんですが、プロダクト開発って、各職能の役割がオーバーラップするので、特に中途デザイナーは、それぞれのバックグラウンドの中で、取り組み方・進め方・オーバラップの仕方も千差万別ですよね。
会社の中にたくさんのスタートアップがあり、スピードを重視してプロダクトを作ってきたフェーズであれば、それでもよかったんです。けど今からのフェーズは、マネーフォワード流のプロダクト開発の最適解を描いていけるといいのではと思っています。より組織として生産性を高めていく時期にきてますよね。
せっかくの大人数の組織なので、お互いのバックグラウンドを尊重しつつ、それぞれの方法を集結していい形を模索したいですね。
中村:デザイン面では、導入企業の規模も業種も広がるなか、プロダクトに求められるニーズも多種多様になってきていますよね。個々のビジネス要件にすべて応えるのは難しいので事業的な優先度をつけて機能拡張していくために、まだまだデザイナーが貢献できることはあるなと思います。
松村さんが言うように、各プロダクトでのデザイナーの関わり方も様々ですから、平準化することで、ビジネス要件に染み出していけるデザイナーを増やしていきたいです。
松村:そうですね、プロセスへの染み出し方も課題もあると思うし、個々のプロダクトチームとしての成熟度の観点もありそうですよね。スキルがあれば解決するものでもないと思っています。チームとして機能するための信頼・協力関係の構築も大事なのでそのハブ役としてデザイナーがより価値発揮できるようになるといいし、その仕組み化もしていきたいですね。
古長:事業も組織も急激に成長しているので、どちらの観点でも仕組み立てられることは山ほどありますよね。私は入社して2年ほど経ちますが、逆に私が思うのは、この成長スピードにもかかわらず、思ったよりも組織が安定しているということでした。
中村:デザイン組織の場合、大規模になるほどレギュレーションが働かずバラバラに動いてしまいがちですが、デザイナーの横連携や交流も盛んなので上手くいっている印象ですね。それでいてプロダクト側に対して裁量は与えられてるので押さえ込まれている感覚もないです。
松村:デザイン組織を抱えるほとんどの企業が、機能組織と事業組織のマトリクスで成り立っているのですが、その均衡がとれないと上手くいかなくなると思います。その点、マネーフォワードはバランスがいいですよね。
入社後のギャップは?
古長:ここまで、マネーフォワードのデザイン組織の状況や課題について話をしましたが、入社前後でこの見え方にギャップはありましたか?
松村:完成された組織は存在しないので、課題はあるものだと思っていますし、マネージャーは常に課題に向き合うものです。そういう意味ではギャップはないですね。また、入社前にMVVCの価値観も聞いており、その通りの組織だと思っています。経営層からも、デザイン組織への期待を感じ取って入社しましたが、そこも、全くギャップがなく、実際にデザインが会社に馴染んでいる状態だと思います。
中村:私は2020年頃に前職のデザイン組織とマネーフォワードで交流会をしていて、その時に社外の立場から組織カルチャーを感じ取ることができましたが、現在もそれを引き継いでいると思います。対外的なイメージとの差はないですね。デザイナー同士が和気藹々としている印象です。
ギャップがあるとすると、定量的な部分よりも定性を思った以上に重視するところです。他社さんだと定量評価に振り切って、定量化しにくいデザイナーの評価に苦慮する組織の話も聞きます。そこはデザイナーに対する一定の信頼があるから成り立っているのだろうなと思います。
古長:確かにそれは感じます。とはいえ、定量的に成果を示さなくてもいいのか?と言われると、そんなこともないと思ってますし、デザイナーの課題でもあると感じています。どの職能の方からいつどのような角度で見られても、しっかり成果を示せる組織にしていきたいとは思いますね。
松村:これはマネーフォワードのカルチャーである「Respect」で、デザインの定性的な貢献が成り立っている部分もあると思います。古長さんの言う通り、全社員に対して伝わる成果を示していくには、定量的に示せる価値貢献の尺度を作る必要があり、それが私の役割だとも感じています。
これからのチャレンジは?
古長:いままでのお話を総括して、おふたりはこれからマネーフォワードでどんなことにチャレンジしたいですか?
松村:事業貢献できるデザイナーが育つ組織を作っていきたいです。そのためにはビジネス側への貢献の尺度を明確化すること、デザイナーの事業への食い込み方の標準を確立することが大事なので、他のデザインマネージャーと協力して作っていきたいです。
こうすることで、結果的にデザインが経営に行き渡っている状態を持続的に作れると思います。
中村:プロダクトを作る以上、売れるプロダクトを作るために貢献できるデザイナーを育てていきたいですね。プロダクトデザインはシステム理解が先行してしまいがちですが、ビジネス理解も十分にしたバランス感覚と経験をもったデザイナーをどんどん増やしていきたいです。若いデザイナーも多い組織ですからチャレンジでもあり楽しみでもあります。
古長:ユーザーフォーカスなものづくりをすることは当然として、さらにデザイナー自身が「売れるもの」=「ユーザーが欲しいと思えるもの」をしっかり接続し、そこにコミットできる組織づくりを、おふたりと一緒にしていきたいです。
マネーフォワードの場合、それぞれのプロダクトが1つの事業を担っている規模感になってきていて、デザイナーの立ち位置も単なるリードデザイナーではなくなってきている印象があります。事業の責任を担って、ミニCDO的立ち回れるケイパビリティが、どのプロダクトでも求められているなと。
中村:さらに、私のような福岡で働くデザイナーもいるので国内多拠点のデザイン組織でもあり、開発チームは海外にある環境ですから。
松村:そうですね、そのようなデザイナーが集まる組織をつくるのはなかなかのチャレンジですが、ポテンシャル自体はあり日本のデザイン組織のロールモデルになりえる環境だとも思います。
古長:そのような局面でおふたりが仲間に加わっていただいたのは本当に心強いです。何だかやれる気がしてきました。一緒に頑張っていきましょう!
マネーフォワードのデザイン組織では、事業強化に向けてリードクラス以上のデザイナーを募集しています。新たなビジネスの局面を迎えたデザイン組織で、最高峰のデザイナー集団をつくり、最高のプロダクト群を世に届けるチャレンジを一緒にしていきませんか?