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強い組織をつくるための、施策サイクルを生み出すヒントと実例

🤶 Money Forward Design Advent Calendar 2023 20日目の記事です 🤶

こんにちは。マネーフォワードビジネスカンパニーでデザインマネージャーをしている古長(こちょう)です。

皆さんにとって良い組織とは何でしょうか。

  • 事業に対して、良い成果を出している

  • 売上が上がり、堅調に事業が成長している

  • 社員がやり甲斐を感じ、事業に取り組めている

  • 社員が増え、組織規模が拡大している

そんな組織をイメージするのではないでしょうか。しかし私たちが考える以上に、このような組織をつくり維持することは難しいです。目先の課題ばかりを注視し、盲目的に事業を進めると行き詰まってしまうこともあります。

目先の課題解決の優先度が高くなることは自然なことです。しかしその結果、長期的な取り組みが後回しになります。その後振り返ると、事業成長しにくい負債を抱えてしまったり、採用が上手くいかず、限られたリソースで頑張り続け、社員が疲弊してしまいます。よく聞く話ですね。

こんな状況に陥らないよう、短期的な課題解決と長期的な組織づくりを効率化する仕組みはないでしょうか。本記事では、マネーフォワードのデザイン組織が取り組んだ施策サイクルの工夫について解説します。

事業をつくる構成要素

事業への貢献を意識するには、事業がどのような構成で成り立っているかを把握する必要があります。事業の種類によって細かな構成は様々ですが、大まかに「サービス」と「人材」で成り立つのではないでしょうか。

サービスをよくするためには、サービスそのものを良くするための取り組みと同時に、売上に繋がる取り組みを行う必要があります。

それら実行する人材についても、採用やスキル向上により、最終的にはサービスを良くすることに繋がり、事業への貢献となります。

これらの事業貢献につながる各要素にアプローチしていく取り組みを、企業活動の「施策」としていることが多いと思います。しかし、これらの施策は数も多く、どれも長期的ですぐに効果も見えにくいため、活動が疎かになりがちです。効率よく確実に取り組む方法はないでしょうか。

個々に施策に取り組むと続かない

施策は企画→実施→評価(振り返り)の順番で動くことが多いと思います。事業貢献の各要素に対して、ひとつひとつ施策をこの順序で並行させると、かなり大変です。

特に企画は入念に準備することが多く、コストがかかりがちです。スピードを欠き、実施にまで至らず、企画倒れになることも珍しくありません。そうすると、一部の施策しか行われず、事業貢献としては中途半端な結果になってしまいます。

企画倒れになってしまう状況を打開するには、どんな手段がありそうでしょうか。マネーフォワードのデザイン組織では、施策のサイクルを作ることで解決する方法を考えました。

すべての施策を循環させて続ける

実は、事業貢献の各要素は、関連性を持たせて施策を行うことができます。

「個のスキル」を伸ばすための勉強会をチームに閉じて行っていませんか。「サービスの認知」「採用」活動のために、コストのかかる限られたチャネルのみで活動していませんか。

昨今はオウンドメディアやSNSなどのチャネルを活用して企業情報をオープンにすることで、内部と外部の施策を循環させることができます。

例えば、関係構築が必要なステークホルダーを巻き込んで勉強会を開催します。そのアウトプットをnoteやオウンドメディアで公開します。それらをシェアすることで採用にも繋げます。

すべての取り組みをアウトプットし、社外公開する仕組みができれば、スピード感をもって着実に多くの施策を実行できます。

マネーフォワードのデザイン組織では、今年2023年の施策のすべてを主担当のデザイナーがアウトプットし、noteで公開するまでをセットで企画しました。そして、すべてを実施すれば成果とみなす計画を立て、実行しました。それにより今年も多くのデザイナーに入社していただくことができ、組織力の向上に繋がったと考えています。

それでは、実際に取り組んだ施策をご紹介します。

デザイナー施策の実例

1:多拠点組織マネジメントの施策

この施策は、私が福岡開発拠点のデザインチームをマネジメントすることになって、最初に取り組んだものです。多拠点マネジメントをスムーズに行うために、福岡デザインチームとの関係を密にしてきました。

丸1年経った今、すべてのメンバーとうまく信頼関係を築けていると思います。このチームづくりの取り組みを社外で公開することで福岡でのデザイナー採用の足掛かりとしました。


2:ユーザー業務理解の施策

当時のデザインチームは業務解像度が高くないメンバーもおり、プロダクト開発の目線合わせをする上で、業務理解をすることが急務でした。さらにビジネスチームとの関係を強めたい課題もありました。

それらを解消するために、ビジネスチームに講師をしてもらう形式でリアル業務の体験会を企画しました。周囲のデザイナーも多く巻き込んで開催したことにより、デザイン組織全体のマインドの向上にもつながりました。

この施策はSNSでも良い反応をいただけ、ありがたいことに採用活動の中で話題にしていただくことも多かったです。


3:上流の役割拡大の施策

マネーフォワードは多くのプロダクトを抱え、PdMとデザイナーの数も多いため、チームによってはPdMとデザイナーの期待値が合っていない課題がありました。これを解消するために、デザイナースキルとPdMからの期待値をすり合わせるためのシートを作成し、実際にプロジェクトで運用してみました。

この過程でPdMに実運用の観点でフィードバックをいただき、PdM組織とデザイナー組織の関係構築も同時に行うことができました。採用時にプロダクトチームの役割分担が気になる候補者には、このnoteを紹介しています。


4:UIデザイナーのビジュアル力向上の施策

プロダクトデザイナーの日々の業務は、リサーチ・情報設計・既成コンポーネントを活用したUIデザインが業務の中心ですが、ビジュアルデザイン面でもデザイナーとしての成長機会も得たいという課題がありました。

これを解消するために、コミュニケーションデザイナーが所属するBXデザイン部に講師をしていただき、実践的な研修プログラムを実施することでデザイナーのスキルを高めることができました。

副次効果として、社内のUIデザイナーとコミュニケーションデザイナーの関係構築ができ、普段の業務でより連携しやすくなりました。


5:チームファシリテーション力向上の施策

プロダクトチームでのデザイナーとエンジニア協業において、プロジェクトの目的の目線合わせができていないことにより、コミュニケーション齟齬が起こることがありました。

それを解消するために、フレームワークを活用して、開発プロセスの前段階からプロジェクトの目的を明文化し、エンジニアにシェアする取り組みを行いました。デザイナー自身のチームファシリテーション力を高めるとともに、エンジニアとの関係を強固にすることができました。

この施策は、採用向けのウェビナーでもご紹介させていただき、日常のプロダクト開発業務の詳細を候補者に伝えることに役立ちました。


6:プロダクトビジョン策定の施策

デザイナーにとって非常に重要なビジョンメイクのスキル。日常の業務がプロダクトのUIデザインだと、0→1のプロダクト開発に関わらない限り実施する機会が少なく、かつデザイナーにとっては難易度の高いスキルです。

そのビジョンメイクや仮設検証を日常業務に組み込むことはできないか、それによりPdMとデザイナーの関係を強固にできないかと考え、取り組んだプログラムがこちらです。

このプログラムは、多くのプロダクトで実施することになり、デザイナー自身のスキルと視座を高めるいい施策となりました。併せて、PdM組織とデザイナー組織の関係を非常に強固なものにしました。

社外向けとしては、PdM、デザイナー双方の各種イベントで、この取り組みについて紹介するプレゼンテーションを行いました。これにより両職種の採用活動にも寄与しました。


成長する組織をつくろう

2023年を振り返ると、以上のような様々な施策により、プロダクト・サービス観点でも、デザイナースキル育成・採用観点でも多くの効果を感じた1年でした。

急成長するデザイン組織で、多くのメンバーが意欲をもってキャリアとしての成長を感じられる環境を作れるよう、2024年も様々な施策に取り組みます。そして、事業成長に確実につながるよう、組織づくりの好循環を生み出す仕組みを作ります。


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明日のAdvent Calendar

アドベントカレンダー21日目はジーラムさんです🎄
今月各所でアドベントカレンダーに参加しまくっているジーラムさんが、マネフォでは何を語ってくれるのか楽しみです!


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