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時間の価値に気づくゲームをつくりました。

どうもご無沙汰してます。こぶちです!
長らく沈黙しており関係各所にはご心配おかけしました…っていうほど定期購読者もいると思ってないので実はぜんぜん気楽です!

なぜ静かだったかといいますと、ここ半年近くずっとコツコツとあるゲームを作っていたからです。

創作に打ち込みだすとどうしてもSNS等での発信意識が低下しちゃうみたいで、決していいことだとは思っていないのですが、割とクリエイターでそういう方も少なくないのではないでしょうか?

主な理由は2つあると思っていて、ひとつは全ての時間をゲーム制作に費やしているため、身の回りで変わったニュースがないから。ふたつめは単に言いたいことを作品の表現に優先して込めていくから。だと思っています。結局創作意欲がわく対象って今自分が一番関心があることだったりするので、いってしまえ当たり前のことかなとも思いますが。

いずれにせよなんとか年内にゲームが完成しストアに置くことができて、今は少しだけほっとしてます。

そんな状況でせっかくなので宣伝の意味も込めて、そもそもどんなゲームなのか、そして自分自身がどういう思いでこの摩訶不思議なゲームを作るに至ったのか、記憶が新しいうちにお話できればと思います。

「Time Prisoner」 とはどんなゲーム?

まず、完成したゲームはこちら!(ぜひDLしてね!)

「Time Prisoner 〜時の囚人〜」は「時間」を題材にした、ライフハック型放置ゲームです。

時計の中に囚われた主人公が外へ出るためにできることはただひとつ、待つこと。タイマーがゼロになれば扉は開きます。プレイヤーはただ予定の時間までドアの前で待つ(=アプリを起動しておく)だけでクリアできます。
しかしそんな単純なゲームルールでありながら、時間に追われ生きている我々が、消費者の1分1秒を奪い合うコンテンツ飽和状態のこの現代において、予定の時間にスマホからゲームを起動するのは案外難しいもの。そして時刻を意識すればするほど、いかにあなた自身が時間に「囚われて」いるかを知ることになるのです。「ライフハック型」と称しているのは、まさにそんな構造的な理由からです。


予定の時刻を過ぎてからアプリに戻るとゲームオーバー。

私がこのゲームを作った理由(わけ)

時間。
人類が克服しようとし続け、未だ叶わぬ対象。敵であり味方。人類史の普遍の関心事であり、人の数だけその価値の姿が存在する。

そんな時間というテーマは、自分にとってもすごくタイムリーなテーマでした。

ここ最近は特に自分が時間に囚われて生きていると強く感じており、それがこのゲームを作ってみようと思った大きなきっかけです。

私は今会社の業務でもゲームを開発しているのですが、言わずもがな常に厳しい締め切りに追われております。そしてプライベートではふたりの子の親として育児にも追われる日々。
そんな狭間で何個人でゲーム作っとんねんっていう話ですが、やりたくなっちゃったんだから、仕方ないですね。テスト前に部屋掃除し始めたくなるのと一緒ですね。うん、違うか。

ともかく、我々に与えられた時間はみな平等、1日24時間。それで足りないとするならばこれ以上どうすればよいのでしょうか?

そんな問いに対する答えを、自分自身が作るゲームから得られないだろうか、というひらめきが創り出すきっかけでした。
もちろんゲームは本来楽しむだけの目的のものであっていいのです。ただ私は暇つぶしやストレス解消という側面だけでなく、自分の人生に潤いを与えてくれる価値もあると思っています。この考え方については下記の別の記事で書いているので、興味がありましたらそちらも読んでみて頂けたらと嬉しいです。

自分が個人でゲームを作るなら、せっかくなので個人的課題を解決する作品にしたい。そういう思いでこのゲームを作るに至りました。

「時間に対する認識」を自覚する

よく「いつのまにか時間が過ぎてた」とか「まだこれだけしか時間が経ってないのか」と感じるシチュエーションが色々あると思いますが、あらためて自分の時間に対する認識を意識的に把握するのって、とても難しいですよね。

なのでこのゲームは、エンターテインメントでありながらそんな自分の時間感覚をフィードバックできるようなツールであることを目指しました。

このゲームは決められた時間にゲームに戻ってくる、というルールのゲームです。
私達は自分が意識している未来のタイミングに対して重要視しているほど時間の刻み方について敏感になります。
シンプルな話で、恋人との待ち合わせの時間が近づくほどちょくちょく腕時計を見るみたいな、そんな感覚。これって裏を返すと自分がその事象に対してどれほどの興味や関心を抱いているかのバロメータにもなります。
Time Prisonerはゲームオーバーになってしまったときも、最期にアクティブだったタイミングから再開することが可能です。
つまり攻略しようと思えば思うほどタイムスタンプが刻めて攻略しやすくなり、どうでもいいと思うほど攻略が難しくなる。時間への意識を攻略しやすさに置き換えたゲームデザインを実現しているのです。

時にまつわるエトセトラ

後は小ネタとして、色々な「時間」に関する名言・格言をみることができるのも、やりこみ要素のひとつとして用意しています。

ゲームの中では放置するほどお金「ヨユーロ」がたまり「マインドセット」を購入することができます。装着したマインドセットによって、ゲーム中でキャラクターが吐くセリフや、リザルトで表示される格言が変化します。

マインドセットの一覧。


以下はそのいくつかの格言の例です。

  • 光陰矢の如し

  • 雨垂れ石を穿つ

調べてみると結構聞いたことあるんだけど意外と出自を知らなかったな…というものが多くて、すごく面白かったです。
あと言葉は知ってるけどこれ言った人ってこの人だったんか……みたいな例も。

  • 明日死ぬかのように生きよ。 永遠に生きるかのように学べ  byマハトマ・ガンジー

  • 人は、生まれ、ほんの一瞬生き、そして死ぬんだ。 ずっとそうだ。 by スティーブ ジョブズ

様々な過去の偉人・賢人・俗人の時間に対する捉え方に思いを馳せるのもひとつの楽しみとなっていますので、ぜひプレイして見つけてみてください!

リザルト画面で、設定したキャラに応じたセリフが表示される

まとめ

実は今回初めての個人開発でもあったので、なるべくボリュームを抑えたゲームを作ろうと考えたのですが、そこで放置ゲームがジャンルとして一番必要なリソースが少なそうだから簡単にできるだろうとたかをくくっていました。

ところが後からセーブや中断復帰処理の複雑さに直面し後悔しました…なんとか乗り切れて今は一安心してますが、みなさんも放置ゲームを作ろうと思っている人がいたら、ぜひ気をつけてくださいw

いずれにせよ、小粒ながらも時間に対する新たな気付きが得られる価値のあるゲームになっているという自負はあります。そして何より放置ゲームなので、実際に遊ぶ時間はわりとそんなにとらせません!ご安心ください!
時間に対する答えを求めるあなた。ぜひプレイしていただけたら、幸いです。

以上、こぶちでした!


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