その愛はベストで確実か?⑥キルライムという人
シークレットガーデンの魅力は、主役・脇役含めてその登場人物の魅力でもあると感じます。今回は、主役のひとりキルライムという人について書いてみます。
※ネタバレもあります、ご了承ください。
⑥ キルライムという人
この人は、家族が亡くなって天涯孤独の身ですが、父親から無条件の大きな愛をもらっていたということが、とても大事な要素だと感じました(キムジュウォンが母親からもらっていたのが条件付きの愛だったのと対照的)。
彼女の中で愛を図る基準が、父親からの愛なのだと思うのです。
父との何気ないやりとりをライムが思い返すシーンがあります(第11話)。
この前、ライムはピョンチャン洞のカフェでジュウォンに絞り出すように告白しています。
「この世には、知らない方が幸せなこともあるの。
私にとって、あなたはその一つよ。」
お互いの気持ちはもうわかっている。その後もジュウォンから連日アタックされて、心は揺れていたでしょう。それでもイエスとは言わない。冷静に
「終わりを知りながら恋愛を始める女性はいない。
だから私たちは前に進めないの。」
と伝えます。
この冷静さはすごい。どんなに好きでもなしくずしにつきあったりはしない。
それを支えるのは彼女の強さだと思うのですが、もうひとつ、父からもらった無条件の愛に比べて、ジュウォンの条件付きの愛は、「私が求めている愛は(そしてあなたが求めているのも)これじゃない」と確信があるためではないかと思います。
「ベストで確実か?」はジュウォンの仕事上での口癖ですが、ライムは「その愛はベストで確実か?」と、ジュウォンに問いかけ続けているように思うのです。ライムは、パーティ会場でも
「人魚姫はいや。私は人魚姫にしかなれないの?」
と尋ねて、ジュウォンに最後の答えを求めます。
とても勇気の必要な問いかけだと思いました。
ノーと言われる怖さはライムの中になかったのだろうかと。
ライムの中に、ジュウォンに対する無条件の愛があったからこそ、この問いかけが成立し、ジュウォンにも無条件の愛があるはずだと信じていたからこそ、答えを求めることができたのだなと、私はそう感じました。
画像は「みんなのフォトギャラリー」よりお借りしています。
kyo_shakumotoさん、ありがとうございます。
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