飲食店オーナーがお客さまに気づいてほしい”ちょっとしたこと”

自分と同じ職業の人、あるいはそういった人の仕事ぶりが気になることってあるかと思います。

たとえば美容師さんなら、通りすがりの人のヘアスタイルをみて、あの人ちゃんとトレンド取り入れてるな〜とか、もっとこうしたらよくなるのになぁなんて、自然と見てしまうんじゃないでしょうか。

たとえば内装屋さんなら、たまたま足をはこんだ先の、店の内装、しかも素人じゃ絶対にわからないような、クロス貼りのこまかーい技術なんかに注目したりするんですかね。


私もやはり、どこか外へ食事に行くと、そこの店員さんの接客って気になります。

あんな子うちにも来てくれないかなぁとか、こういう言い回し感じがいいからマネしようかなぁとか、それはもういろいろと。

もっというと、その店員さんの教育をしているだろう、店長さんの心情まで気になります。苦労してるだろうな〜とか、彼女がいてくれて相当たすかってるだろうなぁとかって。

これってもう、職業病みたいなものなんでしょうね。



ちなみに、料理人兼3代目オーナーである我が旦那はというと、よそのお店の「店名が印字された器」が気になるそうです。

ラーメン鉢やビールジョッキ、あるいは焼き物なんかに印字・刻印されている、お店の名前。見つけると必ず、なんやかんや呟いてます。


あれって当然ですが、わざわざお金を払って印字・刻印してもらうんです。手書きのものだと、お値段もけっこう張ります。

じゃあどうしても必要なものなのかと聞かれたら、決して必要不可欠なものではありません。

なくても料理に差し支えはないですし、ドリンクの味が変わるわけでもありません。お刺身についてくる「つま」に近いかもしれませんが、印字だと食べることすらできないのです。


それにも関わらず、余分にお金を払って名入れをしてもらうって、そのお店にすごく余裕を感じるんだ、と彼は言います。

たしかに、高価な器を使うとかだといかにも狙っているのがわかりますが、名前ってよく見ないとわからないですし、そこに価値を感じる人ってほとんどいないと思うんです。

それをあえてしちゃうのって、かなり「余裕」ですよね。



うちの店にも、職人さんに頼んで店の名前を書いてもらった器が何種類かあります。昔は余裕があったんですね、どれも私が働きだす前からある器ばかりです。

しかし、お客さまからソレについてなにか突っ込まれることって、ほとんどありません。

狙ってやらないからこその「余裕」のはずですが、彼としてはやっぱり心のどこかで「気づいてくれる人いないかなぁ〜。いたら嬉しいなぁ〜」って思ってるところがあるようです。

細かいこだわりを見てもらえるって、お店を作っているほうとしてはなんだかんだで嬉しいものだということですよね。



そんなわけで、どこかへ食事に行って名前の入った器を見かけたら、ぜひともお店の人に「名前、入れられてるんですね」と突っ込んでみてください。

きっと「うわ〜気づいてくれたんだ〜」って、とても喜ばれると思います!

あまりの嬉しさに、なにかサービスが出てくるかも?
保証はできませんが、ぜひ!


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