老舗飲食店の女将が地域ナンバーワンを目指すのをやめてみたら、何がどう変わったか
先日夫から聞いた話なんですが、最近うちの近所で飲食店を始めた人が「この地域で一番の店になる!」と意気込んでいたらしいのです。
「どこかで聞いたことがあるセリフだね」と笑う夫。
そう、自分たちが営む店を地域ナンバーワンにすると豪語していたのはまさしくこの私。
でもある時期からはやめてしまいました。
なぜなら、
一番になることになんの意味があるんだろう、一番になって私はどうしたいのだろう。
そもそも1番の基準ってなに?儲かっているかどうか?客数?口コミの点数?店の規模?何なにナニ?
そんなふうに思い始めたから。
仮に1坪あたりの売り上げで地域一番になったとしても、赤字だったら意味がない。
しかも他店の財政状況なんてどうやって調べるの?って話です。
どこの店がわざわざ「うちの坪売上はいくらですよ〜」なんてよその店に言うんだっていう。
そんなことを考えていたら、一番を目指すことの意味がわからなくなってしまって、もうやめてしまおうと思ったんです。
頂点に立ちたいという気持ちが生きる原動力だった
思えば私は子どものころから、自分がコレ!と思ったことに関しては「一番じゃないとイヤな人」でした。
最も顕著だったのは勉強で、通っていたのは公立のごくごく普通の学校ではあるんですが、小学校のころから比較的成績は優秀で、中学のときには一学年200人強いる中でなんどか一番になったこともありました。
そのときの満足感や達成感、周囲からの羨望の眼差しが忘れられなくて。
だからとにかく、自分が得意だ、やりたい!と思ったことに関してはなんとしても一番にこだわってきたのです。
達成できなかったことも多かったですが、何かの頂点に立ちたいという気持ちは確実に私の生きる原動力となってきました。
夫が跡を継ぐ飲食店で女将をはじめた当初も、やはり自分たちの店を地域ナンバーワンに育てたいという気持ちでいっぱいでした。なぜか無意味に自信がありました。
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