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ぼくが考えた最強のアナログゲーム作りに挑戦する-発表・振り返り編-兵科を組み合わせて戦う対戦型カードゲーム

やあ。諸君。菊花賞どうだったかな。タイトルホルダーと横山騎手の父子連覇すごかったね。おめでとう。奇跡もドラマも実在するんだね。このためなら1万円惜しくなかったよ。惜しくなかったから……いや、ほんとだって、おめでとうって。惜しくなかったって言ってんだろ!!!!しつけーな!!!

さて今回の記事はついに、ボードゲーム企画の発表だ。

その名も、

幕末スチームパンク -THE SHOGUNATE END-

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長かった。非常に長かった。思えば今年の三月、kobo_taroとして何か二人でnoteでのエッセイ執筆以外にも面白いことやりたいよねと始まったのがゲーム開発だった。エンジニアを雇う資金がなくとも、絵が描けて遊びが作れるなら企画を形にできるはずだという狙いで、アナログゲームとしてややtaro氏を強引に巻き込む形で見切り発車された。巨大ロボットと怪獣の人狼ゲームという最初のコンセプトやアートワークは過去に別記事でまとめられているので詳しくはそちらを参照してもらいたいのだが、

どの記事でもよいので読んでみればわかると思うのだが、重ゲー(※)にいきなり挑戦しようとしているのだ。作戦負けである。ぼくたちに実現できるかというとおそらく満足できるクオリティでは不可能に違いない。開発のノウハウもリリースのフローも知らないドとズブを接頭してもまだ足りないほどの初心者だったのだから。
(※ 1ゲーム一時間以上を費やすようなボリュームのあるゲームを「重ゲー」と呼んでいる。プレイ時間が長くなる場合、飽きさせない工夫を考え抜いて盛り込まなければいけないため、作る側の覚悟と実力が問われることが多い)

Kobo(ぼく)「なあtaroさんさあ」
Taro「気安く呼ぶな。何用かね?」
K「ボードゲームだけどさあ。これ無理じゃね?」
T「お前はそうやって何かを成し遂げることからいつも逃げてきたんだな雑魚め」
K「😢」

このように開発の初期段階で認識の甘さに気が付いたぼくたちは、この世界観とコンセプトの作品は自分たちの実力がこれを生み出すに充分になってからにしようと見送ったのだ。これは降伏でも撤退でも、まして敵前逃亡でもない、未来への転進である(不穏)。

企画をオーバーホールすることになったきっかけ

焦っていた。コロナ禍によって集まれない日々、試作のテストプレイもままならず、アーティストがほぼぼくひとりなのに膨大なアートワーク量、だんだんモチベ―ションが削がれて行った中で、軽い気持ちで提案したことをTaroくんがさくっとやってくれたのが転機となった。

「10~30分以内に遊べるカジュアルゲームをリリースして、企画、開発、販売一通り経験してからでもよくない?というわけでカジュアルゲームの企画書シクヨロ

noteの記事どうするかという定例ミーティングをぼくたちは毎週行っているのだが、ズームの終了ボタンを押してその日のうちに彼は一枚の企画書をぼくに送付してきた。(一部抜粋)

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それが、今作『幕末スチームパンク』の前身となった「銀翼に栄光を」という対戦カードゲーム企画書である。このゲームは戦闘機カードを派兵して敵国の街と本営を攻撃するというシンプルなカードゲームであり、まさにぼくが「10分から30分で遊べる」と表現したゲームのひな型として非の打ちどころのないコンセプトだった。ぼくはこの企画書を見てすぐにTaroくんへズームの出席依頼を送信した。ミーティングルームに姿を現したTaroくんにぼくは言い放った。

K「こんなんじゃダメだ!反省しろ!!
T「😢」

クソ野郎てめえ思ってることとやってることちげえじゃねえか!と思ったかもしれない。嫉妬で認知がゆがんでいるように見えた方もいるかもしれない。実際、彼は銀翼の企画書を1時間程度で作ったのだから驚きだ。ぼくなら同じものを作るのに二週間はかかる。一時間がたとえはったりだったとしても、圧倒的スピードで書き上げたのは事実。べつに嫉妬ではない。愛ゆえである。

そう、全ては愛ゆえなのである。ブラッシュアップのためにぼくから見てもわかる明らかな瑕疵や改善点をまず指摘していった。

<最初のルールのまとめ>
・敵の基地を攻撃した側の勝利
・基地を攻撃するには四門の対空砲と十棟の家屋を破壊しなければいけない
・ドロー手段が残りの家屋の枚数依存、家屋が0で高射砲だけ残ってる場合はドローできない。
・航空機は三種類あるが、一ターンの間にルール干渉できる機種は一種のみで他の二機種に一方的に攻撃されてしまう。

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すでにお気づきの方もいるだろう。このゲーム、ゲームが佳境に入れば入るほど作業が単調化するのだ。そしてドローが家屋(ライフの一部)の枚数依存なので、有利な方がより優位に、劣勢な方が一方的になる。また、攻撃と配備以外にできることもなく、召喚、攻撃、ターンエンドという指先の上下運動と発声練習を繰り返すゲームになりかねない。
また、戦闘機、しかもレシプロ機での空戦というニッチっぽい趣味(巨大ロボットと怪獣もニッチ趣味だろうがと言ったお前、庵野秀明が相手になってやらあボケえ!)が果たしてみんなに受け入れられるのかというところも心配だった。処女作はもしも今後ぼくたちが、二作目三作目とリリースすることになり、運よくファンが付くことになればこの先も遊ばれる可能性のあるものである。是非とも普遍性は大切にしておきたかった。

そしてぼくたちは、銀翼の致命的な部分を見直して楽しめるものを模索した。

戦術カードの導入
盤面への介入手段は航空機カードでの攻撃だが、これに変化球を加えられるように航空機カードを強化したり航空機をドローできる手段を増やす。

自分で家屋を破壊した時に、ドローできるようにする。一ターン任意の数だけ家屋を自壊させて手札を増やせるようにした。ライフポイントを支払うことでリターンが得られる。


対空砲による盤面への攻撃の追加
対空砲は今までは名前が異なるだけで家屋とほとんど役割が同じだった。手札のルールに関係ない以上、むしろライフポイント以外の役割がなかった。

敵に家屋を破壊されたときに起動するトラップの導入
劣勢な方が逆転できるように、有利なほうが緊張を維持して遊べるように

プロトタイプではとにかくドローソースが少なく、テストプレイでは勝ってる方も負けてる方も手札が尽きてゲームが膠着する場面が目立った。そのほか、マリガン(最初の手札の引き直し)ができないなどカードゲームとして致命的な部分を補填し、徐々にきちんと楽しめるものに整えていったのだ。

こうしてかろうじて意味のあるテストプレイが繰り返せるレベルのたたき台が作られた。

次回へ続く

本連載記事ではこれから週次にて"幕末スチームパンク-THE SHOGNATE END-"の情報を公開してゆく。続報をお楽しみに。

(kobo_taro/ ボードゲームプロジェクト)
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(Kobo)

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