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共同生活で大切なこと

執筆者・東京人

今日はイギリスのフラット(寮)での生活の実態とそこから学んだバックグラウンド(出身)が異なる人と住む上で重要なことについて書いていこうと思います(僕は昨年の9月からイギリスの大学院に留学しています)。

うちの寮では5人の大学院生がダイニングキッチンをシェアして使っています。部屋は1人1つでシャワーとトイレもついています。

5人の出身の内訳はインド人1人、中国人2人、日本人2人です。誰と一緒に住むかは完全にランダムで、どの寮に住みたいか希望をいくつか提出して勝手に割り振られていきます。


日本人と一緒のフラットになった

僕の場合はなんとたまたま日本人(大阪人の先輩)が一緒のフラットでした。

寮全体で僕らと同じような5人一組のフラットが、案内図を見ると154個あります。全部は使われていないと思いますが、もし使われていると仮定すると770人の生徒がいることになります。そして、僕が知っている限りだとこの寮に日本人は5人います。

その中の2人が一緒だったのです。すごい偶然。

大阪人の先輩がいてくれたことで、生活面でのストレスはかなり少なくなっています。特に食事面はとても充実しています(今までのnoteを見て頂ければわかると思います)。こっちに来て料理をするようになってわかったことは、1人分だけ作るというのはとてもめんどくさいということです。その点、2人で食材を分割して買って一緒に食べることができるのはありがたいです。

とはいっても、日本人と暮らすことが全てにおいてメリットかと言われるとわかりません。どうしても日本語をつかってしまうので、できるだけ英語を使う環境に居たいという人にとってはそこはデメリットかもしれません。


ただ、僕の場合はなんやかんやで楽しく過ごしています。特にこの外出制限の中では、食が1番の楽しみになっていますし、何かとストレスがかかることが多いのでこのフラットの環境は良かったです。

留学に行くとある程度は「せっかく来ているのだから私は日本人とはあまり関わりたくない」という人もいると思います。でも国籍関係なくそこで会うことができるのも何かの縁です。

もしかしたら、未来の留学生の方も外出制限がかかるかもしれないことを考えると、同じフラットは選べなくても同じ寮にいる日本人とは交流を深めておくと、いざというときに助け合えると思います。

いや、その前に外出制限なんてなかなかねえよ!って話なんですけどね。

一度あることは二度ある、二度あることは三度ある、朝あることは晩にある、一災起これば二災起こる、歴史は繰り返すって言いますからね・・・

こんないっぱい似ている意味のことわざってあるみたいです。

ちなみに、英語だと「二度あることは三度ある」は”It never rains but it pours”(雨降れば必ず土砂降り)になるらしいです。少しニュアンスが違う気がします。

しかも雨の多いイギリスで、毎回土砂降りになるのだとしたら笑えないですね・・・


バックグラウンド(出身)の異なる人と一緒に住むとは?

最初に書いた通り、僕らのフラットはインド、中国、日本出身の5人で構成されています。

今まで一緒に生活してきて、比較的僕らは上手くやってきている方ではないかなと思っています。もしかしたら僕が思っているだけかもしれませんが・・・。

友達からは、一緒に住んでいてもあまり接点がなく、みんなご飯もそれぞれ個別の部屋で食べていたり、喧嘩をしてフラットメイトが出て行ってしまったなんて話も聞きます。

その点僕らのフラットは、たまにですが一緒にご飯を食べたり、誕生日を祝ったりなど交流はある方ですし、特に問題となるいざこざもありません。フラットの全員で一緒に出掛けたりするほどの仲までにはなっていですが、個人個人では遊んだり、なんなら旅行している人たちもいました。


なぜ比較的うまくいっているのかを考えると、「みんなができる範囲で気を使い合っているから」だと思います。

僕らは、他のフラットの人たちが決めていたような家でのルール(ゴミ出しや掃除などの役割分担)を作りませんでした。なので、気づいた誰かが自然と行動するという文化が生まれました。

一緒に使っているキッチンペーパーやごみ袋が無くなったら補充する。

キッチンが汚かったら掃除する。

ゴミがたまったら捨てて新しいごみ袋と入れ替える。などなど。


ただ、ルールで決めていない以上、誰がどのくらいフラットの為に行動するかには差が生まれます。そこにはどこをどれだけきれいにしたいかなど感覚の違いもあると思います。

しかし、違いはあれどこのフラットではそれぞれが自分ができる範囲で上記のことをやろうとしていますし、それがわかるので問題は起きていません。


そして何より大事なことは、伝えないとわからないという事に関しては自然とそれぞれが伝えていたことです。

例えばインド人の人はビーガンなので、皿やスポンジを分けたり、その子の冷蔵庫などのスペースに肉を入れたりしないようにする必要があります。(知らずに入れてしまってごめん・・・)

回数で言えば僕らが掃除をしたり何かを補充することが多いです。なので、これは僕らがやりすぎているな、そしてそれに気づいていないなと思ったら、手伝ってと声をかけたりしています(基本的にはやっているのを見たら自発的に手伝ってくれます)。

みんなでしっかりとコミュニケーションをとろうと話していたわけではないですが、問題が起きる前に伝えるべきことは自然とみんなが伝えていた気がします。


上記を踏まえると、役割分担のルールを決める/決めないという点は、どちらが良いというわけではなく、僕らにはルールを決めないほうが合っていたというだけな気がします。

結局ありきたりなことに落ち着いてしまいますが、「お互いを尊重し配慮し合う」「伝えないとわからないことは伝える(コミュニケーションをとる)」といった当たり前のことができると良い関係を気づけるのだと思います。そして、これができると文化の違いなどはあまり気になりません。むしろ生活や食の文化の違いをお互いが楽しめるようになります。

これが自然とできていたうちのフラットは運が良かったのかもしれません。


実は今日2人の中国人のうち1人が中国に帰ってしまいました。インド人の彼はもうすでに帰っているので、このフラットには3人しかいません。本当だったらみんな9月までここで一緒に暮らす予定でした。事態が収束したらもう一度ここに戻ってくるかもしれませんが、先のことはわかりません。

せっかく何かの縁で一緒になったので、大学院の間に会うのは難しくても、またいつかみんなで会えればいいなと思います。




















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