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シン・長田を彩るプレイヤー~スタッフと創る、地域に根付く図書館を目指して~(後編)

今月は新長田図書館前館長の記事をお届けしています。
※2020年11月にKOBE007が取材した記事のリメイクです。
前編では、新長田図書館ならではの特色をたくさんお話しいただきました。
(前編のURL: https://note.com/kobe_nagata_ward/n/ne591af5733f1  )
後編では、ご自身について語っていただいています。
ぜひお楽しみください。

館長の仕事観

-記者-
働いていて、楽しいと感じる瞬間はいつですか?

-西田さん-
私はまだ館長になってから長くはないのですが、スタッフの頃は、自分の考えた企画やサービスで、お客さんが「面白い」と思ってくれるのがうれしかったですね。

館長になってからは、スタッフが利用者のこと、図書館のことを考えて、素敵なアイデアを出してきてくれた時に、「ほんまこの仕事してて良かったな」って思います。

あとは、カウンターでのスタッフのお客様に対する細かい気づかいとか、スタッフが図書館の入口に置いてあるチラシを綺麗に並べてくれてるとか、事務所の中で作業しながらスタッフ同士がちゃんと声を掛け合って仕事を進めてくれてるのとか、そういう些細なことのひとつひとつを見るたびに、「良かったな」って思いますね。

館長が描く図書館の未来

-記者-
なるほど、立場によって感じ方も変わるんですね。
館長にとって新長田図書館に限らず、「図書館」とはどういう場所ですか?

また、この新長田の街での新長田図書館という立場や今後発信したいことがあれば教えていただきたいです。

-西田さん-
「公共」って言葉はよく使われる言葉ですけど、暮らしの中でなかなか具体的にイメージしにくいじゃないですか。
図書館って、原則としてどなたでも無料で利用していただけるんですよ。
だから、図書館は公共性っていうものを誰もが実感でき、かつそれを具体的に使ってもらえる場所な気がしますね。

-記者-
みんなに使ってもらえるからこそ、公共なわけですもんね。

-西田さん-
そうですね。
それと、これからは新長田図書館側もどんどん街の外に出ていくし、逆に新長田の街もどんどん図書館の中に入ってくるようにしていきたいと思ってて。
そういう積み重ねで、本当に地元の図書館になっていけたらなって。

-記者-
来たら交流できる場ですね。

-西田さん-
そうですそうです、本当に!
地域の人との交流もなんですけど、図書館ってやっぱり本がベースにあるんで、
今って、何かあったらまずインターネットで調べるじゃないですか。
それは図書館で働いている私たちも一緒なんですが。
でも、ネットの情報っていうのは誰かがアップしてるものなので、リソースとして不確かな時もあったりしますよね。
本にも、残念ながら不確かな調査で作られちゃったものも皆無ではないけれど、やっぱり世に出るまでに何人かの人間のチェックを経てるんでミスも少ない。
図書館なら同じジャンルの本を他にもたくさん所蔵しているので、それぞれを手に取って、読み比べて、貸出することもできるんですよ。

“本を通して古今東西の他人と交流することもできる”

その入り口になるのが図書館だと思ってます。
そういう意味でも、ここは長田の図書館ですから、長田という地域に根付いていきたいってのが一番ですかね。

-記者-
「地域に根付く図書館」素敵です!
ありがとうございました。

      

前編後編2回に分けて、新長田図書館 前館長の西田さんの記事をお届けしました。
新長田図書館の楽しい企画は、こんな素敵な館長さんはじめ、スタッフの方々がいたからこそ生まれているのだなと感じます。
このような裏話をお聞きすると、図書館に行くのがもっと楽しくなりそうですね。
最後に、現在の新長田図書館の館長、粟飯原さんからもコメントをいただきましたのでご紹介させていただきます!

(新長田図書館・現館長 粟飯原さん)
西田前館長は地域に根差した図書館活動をモットーに、長田という可能性豊かな大地をせっせと耕し、バラエティーに富んだ種をいっぱいまいていきました。
引き継いだ私はその植え付けた種の多さ多様さに少々めまいがしましたが、西田イズムを髄まで吸収した頼もしいスタッフと一緒に、水やりを忘れず、時には追肥し、順次大きくなった実を収穫しているところです。
引き続き地域の皆様と『混ざり合い 共に生きるまち』を存分に味わっていけるよう、長田にある図書館として挑戦していきます。
東灘図書館常連の皆さまもぜひ一度、新長田図書館にお越しください。
西田前館長のこぼしていった種がみつかるかもしれません。

粟飯原さん、素晴らしいコメントをいただきありがとうございます。
西田イズムはしっかりと新長田図書館の中で受け継がれているのですね。
皆さんも新長田図書館に行って、新たな出会いを探してみませんか。