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シン・長田を彩るプレイヤー~スタッフと創る、地域に根付く図書館を目指して~(前編)

今月は新長田図書館 館長・西田さん(2020年11月当時)の記事をお届けします。
※過去にKOBE007が取材した記事のリメイクです。
皆さんは普段図書館を利用する中で、図書館の館長とお話をすることはありますか?
恐らく大半の方はないと思います。
図書館のカウンターで皆さんと接する司書さんたちとは違って、
今回は、日頃触れ合う機会のない、しかし図書館の個性を輝かせるのには欠かせない、新長田図書館の先代の館長さんにお話を伺いました。
新長田図書館の魅力の裏側を覗いてみてください。
前編は、新長田図書館の魅力の源泉を探っていきます!

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館長が語る、新長田図書館の魅力とは

-記者-
早速ですが、仕事に対してのこだわりはありますか?

-西田さん-
神戸市は各区それぞれに図書館が必ずひとつあるんですが、同じ神戸市内の図書館といっても、地域によって全然違うんです。
私は館長の仕事をさせてもらってますんで、新長田だけが持ってる個性は、ちゃんと活かして、押し出していきたいなと思ってます。

-記者-
新長田はどういう特徴がありますか?

-西田さん-
新長田は、商店街とか工場とか港とかが、そんなに広くない範囲にぎゅっとつまってて、活気ある商店街の周りに住宅街があるでしょ。

「ああ、人が生きているな」ってリアルをすごい感じるんですよ。

長田区って、結局一番面白いのは「人」じゃないですか。

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-記者-
確かにそうですね!
そんな新長田図書館独自の「これは面白い!」という点は何かありますか?

-西田さん-
神戸の各図書館には、それぞれの地域に特化して本を集めている棚があるんですが、
新長田図書館では「アジアコーナー」という棚を作っていて、
韓国語や中国語の本、ベトナム語の『ドラえもん』なんかも置いてます。

韓国の翻訳文学を出している出版社9社が、各地の本屋さんで、いろんな作家や書店員が寄せたポップを使った韓国文学を紹介するフェアをやっているんです。
新長田図書館の中にも韓国文学フェアの面白さを持ち込みたいなと考えて、同じフェアを開催させてもらうことにしました。

なので、図書館やけど、本屋さんでやってるのと同じポップを借りてきて、フェアをやったりしてます。
出版社の担当の方に、「フェアについて連絡自体くれたのが、神戸の新長田図書館さんが初めてです」って言われて、正直うれしかったです(笑)

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新長田図書館でペンギンに会える!?

-西田さん-
アジアコーナー以外の取り組みとしては、子ども連れのお客さんも多いので、おはなし会をしてます。
おはなし会自体はどこの図書館でもやってるんですけど、新長田図書館ではコロナ禍でのソーシャルディスタンスの取り方を工夫しているんです。

どうぶつ型の段ボールに子供たちひとりひとりが入って、子供たちの距離が自然にとれる仕組みになっています。
名古屋の図書館が段ボールで飛行機を作っておはなし会をしてるのを見つけたウチのスタッフが、「これを改良して図書館動物園をやりたい!」って言ってきてくれて、早速やりました。
ちょっと持ってきますね。

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-記者-
かわいい!!

-西田さん-
おはなし会の時とかに、この中に入って楽しそうに聞いてくれてます。
段ボールでペンギンやタコも作ったんですけど、4歳くらいか、体の小さい子やったら小学校1年生とかの子でも、かまくらみたいに中にすぽっと入れるんです。
せっかく作ったんで、今はおはなし会のとき以外にも館内で貸出してます。

-記者-
子供たちも楽しめそうですね!

長田の人とつくる図書館

―記者-
ちなみに今後地域の人たちとの企画やイベントを考えておられますか?

-西田さん-
「今月の主人公」という企画をしています。
(※2020年当時。次の館長にも引き継がれ、2022年現在も継続中。)
長田区内で特色ある活動をしておられる方を紹介させていただき、その方々にご自身が影響を受けた本を紹介していただくという企画です。
これがね、みなさん、選んでこられる本がめちゃくちゃ面白いんですよ(笑)

-記者-
個性があるんですね。

-西田さん-
ええ、もう個性の塊です(笑)
この「今月の主人公」は、長田ならではの特色がとても強く出るので、これからも継続して、長田のいろんな方と本をご紹介していきたいと思っています。

           (次回へ続く・・・)

今回は、西田館長から、新長田図書館の特色を教えていただきました。
新長田図書館はとても個性あふれる図書館ですね。
ちなみに記事でご紹介した「今月の主人公」ですが、過去には神戸常盤大学の内橋一惠さんや、映画監督の濱口竜介さんなど、長田区の様々な著名人の方に登場していただいているそうです。
今後もどのような方が登場されるのか楽しみですね!
そして、最後に西田さんに現在の状況をお伺いしました!

(新長田図書館・前館長 西田さん)
現在は、神戸市立東灘図書館の館長を勤めております。
新長田は、私が館長として初めて赴任した図書館です。
個性豊かな新長田の皆さんとの出会いの中から、図書館には何ができるのかを走りながら考える毎日でした。
今は東灘図書館のスタッフと協力しながら、東灘区の皆さんの生活にプラスになる図書館をめざしていますが、もちろん新長田での経験はとても大きな財産になっています。
新長田図書館の現在の館長は、粟飯原さんですね。粟飯原さんは「長田の街に出てゆく図書館」をめざして、たくさんの面白い取り組みを実施しておられます。
新長田図書館に負けないように(笑)、私も東灘図書館で頑張ります。

西田さん、素敵なコメントありがとうございます。
今後は、新長田図書館だけでなく、東灘図書館からも目が離せませんね!
皆さんもぜひ図書館に足をはこんでみてください。