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長田区生き残り戦略ワークショップを開催して

長田区まちづくり課職員のジョウです。
久々の登場で、若干緊張しています。

2021年8月から9月にかけて、神戸市職員を対象とした「長田区生き残り戦略ワークショップ」(全4回)を開催しました。

本記事では、ワークショップを開催してみて事務局サイドが感じたことをそのままに書いていきたいと思います。言葉足らずな表現も出てくると思いますが、ご容赦ください。

なお、各回の実施内容や振り返りについては、それぞれレポートにまとめていますので、そちらをご覧いただければと思います。

また、参加者と振り返りの座談会を行った様子についても後日noteにて公開予定ですので、乞うご期待ください。

と、ここで記事を締めくくるような感じでしたが、ここからが本記事のメインパートになります。最後までお付き合いください。

1.目線を合わせる難しさ

ワークショップ第1回のはじめに、本ワークショップを開催することにした目的・背景を説明したのですが、その時に参加者が戸惑っていた様子が記憶に残っています。あとから話を聞いてみると、「今回のワークショップで考えようとしていることが壮大すぎると感じた」「何をどう進めていけばいいのかイメージができなかった」といった意見がありました。

事務局としては、開催にあたって「長田区のイメージ向上」を達成するための全体像やステップを描き、その中でどこにワークショップを位置付けているかを整理していました。ところが、参加者にとっては、長田区の現状や課題、これから目指していきたい姿を聞いたり意識したりするのは「いきなり感」があったのではないかと思います。一方的に伝えるという流れではなく、参加者も一度考える時間をつくったりしてワンクッションをはさめば良かったのかもしれません。

今回に限った話ではありませんが、伝えようとする内容がどのように受け取られるのかという視点をもつ重要性を身に沁みて感じました。余談ですが、第1回ワークショップの1週間後に、ロジカルプレゼンテーション研修なるものを受けたのですが、先にその研修があればもっと分かりやすく説明できたんじゃないかと、開催日を恨めしく思いました(笑)。

2.手を動かしていくことで思考が鮮明に、そして広がりが生まれる

ワークショップの第1回では内容が難しそうだと感じた参加者も多かったようでしたが、ワークのお題について個人で考えたり、グループで共有したりするワークを繰り返し行っていくことによって、徐々にどこを目指しているのか、何のためにこのワークを行っているのかが腹落ちしてきたという声が挙がっていました。

さらに、ワークショップを通じて、広報と一口に言ってもさまざまな切り口で考えられるようになったというコメントや、情報のアンテナが広がっているエピソードを聞くことができて、非常に嬉しかったです。たとえば、普段生活をしている中でもたくさんの種類の広告に触れていることを自覚したり、電車内の広告をもっとこうしたら良いのではないかと考えたりするようになったという話が出ていました。

3.そうは言ってもペルソナをつくるのは難しい

グループごとに1名を決めてインタビューしてもらうプログラムにしていたため、ペルソナの作成時にインタビューした方の人物像にかなり影響を受けてしまったという参加者の声がありました。

加えて、長田に来る前の人物像をもとにペルソナ作成をしていくというステップにしていたのですが、来る前の状態について聞き出すのが疎かになってしまったり、現在の印象や人物像に引きずられてしまったりという側面があったようです。

ペルソナを一度作ったあとに客観的に茶々を入れてもらったり、複数人にインタビューしたりといったプログラム設計の工夫をしてもよかったかもしれません。ペルソナをつくるのは難しいなと痛感しましたが、この部分を経ることで、ペルソナの行動やペルソナとの接点を考えやすくなったという声もあったため、ペルソナの作成が肝になるなと思いました。

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4.ペルソナの行動・思考・感情からタッチポイントを考えると意外な接点が見つかるかも

第3回の実施内容に関連して感じたことです。

カスタマージャーニーマップは、民間企業において使われる場合、ペルソナ(消費者あるいは取引企業)が、企業が設定したゴール・理想的な状態に到達するためにたどる行動のシナリオや、その行動の背後にある思考や感情を考え、いかにペルソナとの接点(タッチポイント)を作り出すかを考案するために活用されるのが一般的です。

今回のワークショップでは、「ペルソナが長田に魅力を感じるにはどのような方法が考えられるか」を検討するためにジャーニーマップを活用しました。当初、今回のテーマではゴールまでの行動シナリオが複雑になるため、一般的なジャーニーマップの作成手順で行ってもうまくいかないのではないかと考えていました。そこで、ペルソナが平日・休日にそれぞれ普段行っていそうな行動・思考・感情を挙げていくことによって、長田に魅力を感じてもらうためのタッチポイントを見つけ出せるようにカスタマイズしました。すなわち、「まず長田に関心を持ってもらうための入口をいかに作り出すか」という部分に焦点をあて、内容を設計しました。

参加者の方からも、この手順は取り組みやすかったという声があったので、このような形にして良かったのではないかと思います。

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5.ワークショップを開催することで事務局も考えながら走れた

「長田の人間関係をさらに豊かにする」ためにどうしたらいいか?と問われても、どこから考えたらいいのか思考停止になってしまうかもしれませんが、それをどういう風に分解すれば考えていきやすいのか、事務局サイドでワークショップの内容を考えて自分達もやってみながら検討していくことで、少しずつ視野が開けてくるような感じがしました。こうして書いていて気付いたのですが、参加者がワークショップを通して感じられたことと似ているかもしれません。ワークショップを企画することで得られたものは大きかったです。

ワークショップを開催するにあたって、多くの方にインタビューをさせて頂きました。インタビューを通じて、皆さんの生き方や価値観を深く知ることができ本当に刺激的でした。さらに、長田区の「いま」や「これから」について自由闊達に話し合う機会にもなり、ワクワクしました。今後、長田の人間関係をさらに豊かにするこのプロジェクトを進めていくうえでも、このようなプロセスを大切にしていきたいと思います。

6.おわりに

参加いただいた10名の職員、本務の傍らファシリテーターを務めていただいた2名の職員、事務局のメンバーに感謝したいと思います。また、ワークショップを実施するにあたりインタビューにご協力いただいた長田区民や区内事業者の方にも感謝申し上げます。

区長からは「楽しんでやってください」と言われていて意識していましたが、振り返ってみるともう少しできる部分があったかもしれません(自分にとっては永遠のテーマかもしれません)。ワークショップの後半2回では「今日のおやつ」と題してお菓子を配っていたのですが、その選定は楽しかったです(そこじゃない)。

回を重ねるごとに参加者の表情が明るくなったり、前向きな発言が増えたりといった変化を感じられたことが一番嬉しく、楽しかったことだなと思います。

取りとめのない記事になってしまいましたが、今回のワークショップで生まれた着眼点やアイデアを踏まえながら、長田の人間関係をさらに豊かにするための事業を検討・推進していきます。これからも情報を発信していきますので、乞うご期待ください(2度目の登場)。

最後までお読みいただきありがとうございます。