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人から聞いたノウハウは、どこまで販売していいのか

先日の公庫さんでのセミナーであった、質問の時間でちょっと「ん?」

と思う出来事があったので、書きます。

質問をしてくださった方をXさんとします。

Xさんの最初の質問はこうでした。

「起業前、まったく人脈がないときはどうしたらいいですか」

うんうん、よくある質問だよね!

講師からの回答

・創業セミナーなどで仲間を作る(会社や友達とはまた別の、同期という仲間という意味)

・WEBで発信する(お客様に知ってもらう)

・交流会などに参加する

言い回しは違うかもしれませんが、概ね講師からの回答はこうでした。一般の人でも分かってもらいやすい回答かと思います。

その後、時間があったのでもう一度Xさんが質問されました。

「ある分野で成功するアイデアがあるが、自分はその資格などを持っていない。教えてもらう人を探すにはどうしたらいいか」

え、そんなの普通に、WEB発信している人で、教えたい人いっぱいいるよね。

「その人に習いにいけば?もしくは講師の方に来てもらって・・・」

と私が回答。

「差し支えなければ、どういう分野で起業しようとしてて、どういうアイデアがあるか教えてもらえませんか?」

司会の先生が促しますが、それはなぜか、頑なに答えてもらえません。

「でも、講師は私がやりたくて、教えてくださる人は協力者というか・・・・」

はあん。

自分はお金や労力をかけて、資格を取ったり、勉強するのは嫌。

ただ、こうすれば、売れるんじゃね?というアイデアがあるので、人から聞いたことをあたかも自分が知っているかのように見せて、売りたい。

ってことかな?と推測しました。

さて、それは許されることなのでしょうか?

教えることをと目的としているところで習ったことであれば、問題ない

私はラッピング関係の民間の協会で資格を取りましたが、それは、基礎、応用、講師養成、という3段階で出来ている協会でした。

「講師養成」のクラスが終わったら、講師として活躍できる。すなわち、基礎、応用で習ったことをそのまま教えていいですよ、ということです。

ただ、民間の資格なので、基礎だけ習って、それを人に教える、ということも法的に問題はありません。個人的には、教えるコツやポイントなどもあったので、講師養成まで通ってよかったと思いますが。

この協会は「講師になる」ことを目的に、資格を発行しているので、そのノウハウを教えてもまったく問題ないと思います。

教えてもらう人に許可を取っていたら問題ない

あとは、教えてもらう人に許可を取っていたら問題ないと思います。

簡単に言うと、ちゃんとお金を払う契約にしておくとかですね。

事前に、

「こういうビジネスをしたくて、監修者としていろいろ教えてほしい」

ということをきちんと話したうえで、

「ノウハウを教えてもらうので〇〇円払います(もしくは向こうに言われた額を払う)」

「売り上げの〇%を〇年間払います」

などの契約をしていれば、あちらも納得してくれるはず。もしくはその条件が嫌であれば断られるだけなので。

してはいけないことは、そのノウハウをどう使うのかを言わないで教わる事

セミナー内で、引っかかった点はここでした。

この人、こういうことしないかな、と。

そのノウハウをどう使うのかを言わないで教わる事は、のちのちトラブルになりがち。

単に、お金をもらえなかったとか、不義理をする、とかという場合もありますし、事故が起きたとき、誰が責任を取るか、ということ。

スピーカー(回答者)は私ともう一人の方がいたのと、他にも参加者の方がいたので、深堀りできませんでしたが、そのノウハウをどう使うかを言わずに(例えばタダで)教わって、そのノウハウで儲けている人がいたら、教えた人はどう思うでしょうか。

例えばラッピングくらいであれば、蝶結び・キャラメル包み、など動画で見ればいくらでも出てくるので、問題ないですが、アロマテラピーや、整体、ダイエット法など、健康などに関わるものだった場合・・・

その付け焼刃のノウハウを提供し、お客様が体調不良になったら・・・?

「いや、私は〇〇さんに聞いたことをそのまま言っただけなんで、私は悪くありません」

って言っても言い逃れできません。

もし、教えたり施術することを前提にしている“ちゃんとした”協会などであれば、そういう時の対処や保険があるかもしれませんが、そういう所にも所属しておらず、事故、事件があった場合・・・こわいですね。

「独学」して売るなら問題ない

人にお金を払ってするのがいや、であれば、自分で勉強しましょう。

医者や弁護士など、法的な資格がないと出来ないものは別ですが。

心理学でも、料理教室でも、民間の資格もあるけど、好きで独学で極めた人がお仕事をしているケースもたくさんあります。

また、単に人から聞いたことを伝書鳩状態で教えても、深く突っ込まれたり、お客さんのほうが知識があった場合、長くは続けらないでしょう。

私自身、ラッピングは全部のコースを2周やり、トータル10人くらいの先生にならい、ディスプレイは専門学校で習いましたけど、後は実地でやりながら勉強を続けています。関連の勉強(色、デザイン)も、美大を出たけど、今もずっとしてますよ!

まとめ

販売することをきちんと伝えていれば問題なし!

ただし、勉強は続けていかないと、ビジネスとして続けていくことは難しいので、「都合のいい人」の知識にただ乗りしようと思ってもダメですよ。

ってことです!

ちょっとセミナーの時の回答が、自分の中で変な感じになってしまったなーと思ったので、(ご本人読んでないと思いますが)ここですっきりするために書いてみました!

今日の書きたいことは以上です!

小売店のブランディングから一歩踏み込んだ、理念や想いを形にするお手伝いをするコンサルティングをしています。店舗ディスプレイ、POP、ラッピング、ライティングで見せる発信のコツをお伝えしています。