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要らなくなったら廃棄物?

2021年3月、味の素、キッコーマン、資生堂といった日本の名だたる大手消費財メーカーやスーパー22社が団結し、容器のリユースに取り組むそうです。
仕掛け人は米国のスタートアップ企業テラサイクルです。
使い終わったらメーカーに返却してもらい、これをメーカーが洗浄・再利用するという循環システムです。
これだけ聞くと、何てことはない、牛乳屋さんの瓶回収と同じ原理ではないか、と思うかも知れません。
しかし、これだけ単純なことに大手企業が取り組むということ自体が意義深いことであり、これをまとめ上げたテラサイクルの本気度を感じます。
容器をごみにしない、という明確な意思表示です。(大手企業がどうかはわかりませんが。。。)

テラサイクルと言えば、

「『捨てる』という概念を捨てよう」

という、素晴らしいビジョンを持った企業です。
私はこの言葉に大変共感致しました。
微力ながらこの世界を実現させるために貢献していきたいと考えています。

私どもはよく、「家の家財を捨てたいのだけれど、、、」というような相談を受けます。
私どもの生業はあくまでリユース・リサイクル業です。
捨てる訳ではなく、リユース・リサイクルを通じて再活用をすることが前提です。
しかし、そのものが不要になり、手放す側の人にとって見れば、それは捨てるも同然であり、ごみ・廃棄物と変わらないということでしょう。
これが、「大量生産・大量消費・大量廃棄」社会に生きた現代人に深く刻まれた価値観です。
この部分を変えないことには、持続可能な社会は実現し得ないと思います。

そもそも、法制度の面においても、そのものが不要になり手放すことになった瞬間、そこに廃棄物該当性の判断が入ります。
詳しいことは長くなるので省略しますが、とにかく、手放すとなった瞬間に廃棄物処理法の範囲になってしまうということです。
廃棄物処理法は、あくまで廃棄物の扱いについての法律です。
資源を有効に活用していくための法律ではありません。
ちなみに、廃棄物処理法の上位法である循環型社会形成推進基本法においても、手放したものは「廃棄物等」とされています。
つまり簡単に言うと、

不要となって手放す→廃棄物

ということです。
一部、例外的に逃れたものだけが有価物となります。
しかし、本当に循環型社会を目指すのであれば、

不要となって手放す→循環資源→廃棄物

であるべきだと思います。
どうしても活用できない場合、あるいは手放すものが有害なものの場合に限り、廃棄物と定義すべきであると思います。
無害で有効活用できるものについては、なるべく規制の対象外とし、自由な市場原理に委ねることができれば、資源循環はより一層推進されるものと思います。

私自身の過去のnoteを見ると、何度も同じようなことを書いていますが、それだけこの部分が切実で重要と考えているためです。
わが国において「大量生産・大量消費・大量廃棄」社会に終止符を打ち、サーキュラーエコノミーを実現させるためには極めて重要な課題です。

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