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脱石炭、コロナで急加速

前回、日本における脱石炭の動きについて触れましたが、世界(主に欧州)においてはより加速化が進んできているようです。
日本では低効率な石炭火力発電所を休廃止することをようやく目標として定めたに過ぎませんが、欧州各国では基本的に全廃を目標としています。
欧州各国において脱石炭はより現実的なのです。

一方、日本はどうなのでしょうか。
低効率な石炭火力発電所の休廃止を目標として定めたものの、現実的には非常に厳しい状況と言わざるを得ません。
まず、電力会社にとってみれば、旧式石炭火力発電所はいわば「稼ぎ頭」なのです。
電力会社の収益構造は設備の減価償却の終わる15年~20年頃から大きな利益を生むようになっています。
つまり古いものの方が大きな利益を生む構造ということです。
しかも、石炭は燃料として比較的安価であるという点も電力会社にとっては都合の良い点であり、電力料金が高くなるのを抑えている面もあります。
また、原子力発電所の再稼働は一向に進まない状況です。
電力会社としては、石炭火力発電所についてこのような指針を経産省から出されて戸惑っている、というのが現実なのではないでしょうか。

冒頭の記事の中で、

脱石炭はもてはやされがちだが、産業構造を改めながら雇用や富をいかに生み出すかという苦しみも伴う。

とあります。
この点、本気で考えていかなければならないと思います。

日本の「脱石炭宣言(※正確には「脱」ではない)」をただのパフォーマンスに終わらせない、あるいはより一層加速させていくためには、需要側である私たちの姿勢も重要です。
国や大企業に頼り切りになるのではなく、国民一人ひとりが自らも主体となってこのような問題に取り組んでいくべきです。
そのために、国の施策に常に目を光らせておくことも必要です。
あるいは、脱石炭に向けて一歩前進を促すような取り組みを行う企業・団体を応援するということも非常に意味のあることです。
何にせよ、一番良くないことは、無関心でいることです。
気候変動は目前に迫っている途方もなく大きな危機であるということを認識すべきです。

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