9月の読書・下
9月は病院での待ち時間がとても多かったので、その分本が読めたような気がします。
病院の待合室、電車の中など、他に気が散るものがない環境では読書がはかどります。
本が売れないと嘆かれる昨今ですが、私もネットに時間を奪われているなと感じる今日この頃。
画像はみんなのフォトギャラリーからお借りしました。
梨ってここ数年、高級なものしか見かけなくなってきた気がします。大玉でおいしいですが、値段も高い。ほとんど外れがなくていいのですが、昔ほど気軽に食べられなくなってきた気がします。
ぶどうのほうが人気あるからかなあとか、考えたり。
ことり
作者曰く、「取り繕えない人たちの物語」なのだそうだ。
社会からはみ出し勝ちとはいえ、小父さんと、お兄さんの清々しいまでのつつしまやかな暮らしがまぶしい。
しかし、小父さんが、社会の中へ一歩踏み出そうとしたとき、社会から弾き飛ばされる様子は読んで痛々しかった。
オパールの炎
塙玲衣子や、ピ解同は実際に存在した人物と団体がモデルらしい。かなりマスコミを賑わせた存在だったようで、記憶にある人も多いようだ。
信じられないことに、ほんの少し、少し前までは、日本の社会は女性に対して不平等であった。
若い世代の人は想像もできないだろう。
女性たちが権利を得るまでになにがあったのか。権利を得るまでの道のりは、女性対男性の戦いという風な単純なものではなく、運動の中での女性同士の齟齬などもあり(教育や貧富など)、簡単なものではなかったとうかがえる。
小説家として常に一線で活躍されている桐野さんだからこそ、書くことができた、そんな物語だと思いました。
断片的なものの社会学
社会学と題名にあるが、著者が社会学者というだけで、エッセイだと思っていいと思う。
ただ、エッセイを読みながら、著者の目を通して世の中を見ることで、結果的に私たちの住む社会というものに思いをはせることになる。といったところが題名の由来なのかも。
なぜだか、読んでいて心地よい文章だ。
私がイメージする、ちょっとだけ暗い大阪が見え隠れするような。
著者は色々なことを考えるが、答えはでない。それもいい。
AIvs 教科書が読めない子どもたち
前半は、著者が開発の指揮をとった、AIロボ「東ロボ」くんのお話。開発の過程で、どうやって東ロボくんの成績を上げるかの試行錯誤、また、現在AIと呼ばれているものがどういうものなのかを解説していてとても面白かった。
読解力については、色々な角度から根気よく調査されていて、調査の結果は、ああ、やっぱりというものから、意外なものまであった。
読書の量が多ければ、読解力が高いかといわれればそうではないとの結果には驚いた。意味を考えながら、深く読むのが大事なのかもしれない。
AI技術が発展した今、著者がいうように、教育の方法も変えていかなければならないだろう。
面白かった。読解力に自信のある人にも読んでほしいです。
以上、9月に読んだ本でした。
どれも面白かったです。
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