無料サービスを有料にした話。スタジオレッスン改革への挑戦~ながでんカルチャー教室ができるまで②
ども!長野県長野市にあるフィットネスクラブの支配人をしているこばやしです。クラブは善光寺まで歩いて行ける距離にあります。シニア向けのフィットネスクラブや子ども向けスイミングの運営をしたり、万が一の時に役立つ救急法の普及活動もしています。学生時代水泳部からの水泳経験を生かして、プールでレッスンもやっています。
競合ひしめく長野市のフィットネス業界でどこも生き抜くことに必死だったところにコロナの追い打ち。「選択と集中」でこの荒波を乗り切ってやろうと今年1月にシニア向けクラブにコンセプトリニューアルオープンしたフィットネスクラブのお話です。
今回はコロナ禍を生き抜くためのフィットネスクラブとスタジオの関係とその変化についてパート2です。無料サービスを有料にした話です。
▼令和3年1月より「ながでんカルチャー教室」としてスタート!
前回の続きより
そこで考えたのは、スタジオの場所移動とレッスンの有料化です。
場所は2階のジムエリアから3階のホットルーム(ホットヨガなどをやる部屋)へ移動しました。有料化は、巷にあるようなカルチャー教室のような形態として、3か月に1度更新登録していただくサービスです。クラブの月会費だけで参加できたサブスク型から、一つ一つの講座に対して料金を支払う形式に変更しました。
健康ZONE100の会員や、グループ店舗(若里、須坂、中野)の会員はお安く参加できる仕組みです。どこにも登録されない一般の方はやや高い設定となります。
この新たな形は、健康ZONE100とは別ブランドとして立ち上げ「ながでんカルチャー教室」と名付けられました。フィットネスクラブ内にある有料カルチャースクールとして、今年の1月からスタートし、おかげさまで皆様にご好評をいただいております。通常レッスンの中で単発に有料教室があることはよくありますが、クラブ建物内に別ブラントとしてカルチャースクールを作ったクラブは日本でもあまりないと思います。(多分。おそらく。聞いたことがない。)
このながでんカルチャー教室は、ホットヨガ等が出来る、スチームと加湿器も備えているのが特徴です。ホットスタジオは部屋を高温多湿にするため専用の部屋にするのが通常ですが、ながでんカルチャー教室では専用ではなく、ホットレッスンやエアロビクスなどを同じ部屋で行い、ホットレッスンは朝一に多くあります。なぜこれが可能かというと、換気が一気にできるためです。換気が一気に十分出来る証拠に、ホットヨガをやった後に、エアロビクスのレッスンも行えるのです。つまり、コロナ対策における換気は万全な部屋と言えます。
▼スタジオレッスンには有料と無料がある
もう一度、当クラブのレッスン形態を説明します。現在のエフバイエー健康ZONE100にはレッスンを受けられる方法は3つあり、健康ZONE100としてのレッスンはプールとジム内にあるフリーZONEで無料で受けられ、カルチャールームで行われる、ながでんカルチャー教室のレッスンは有料となります。
健康ZONE100の無料レッスンは、シニアの皆様向けの健康体操を当社職員が中心に行い、有料のながでんカルチャー教室は従来の内容が主で、外部インストラクターが、飛んだり跳ねたりのレッスンを中心に若い方からミドル向けにレッスンが構成されています。(運動レベルが高かったり今までの経験があるシニアの方も多く参加されています)
毎日、ジムのフリーZONEとカルチャールームでレッスンが行われているので、結果的に参加人数も以前よりも増えましたね♪ よかったよかった。
今回の変更は、コロナ禍になったことがきっかけでしたが、結果的に今までの問題も解決されました。
▼うれしい副次効果
①イントラは少人数制によりしっかり教えられる→大人数の指導では個々に指導は行き届かないが、半個別指導が可能となり、イントラも指導しやすくなった。
②参加者は少人数制の為しっかり教われる→今まで声をかけられたことがない人もいたが、人数が少ないため、イントラはまんべんなく声を掛けられる。そのため満足度が上がったと同時に、運動効果も上がった。
③参加者のコミュニティができやすい→参加人数が少ないため、仲間づくりがしやすくなった。
④イントラのファンになりやすいためリピーターになる→意外とイントラは会員の名前を知る機会を持てないが、カルチャー教室では登録制の為、出欠をとったりで名前を覚えることができ、参加者は自分の存在を認知してくれている安心感が生まれる。かつ、イントラと話す機会も増え、自分の要望も話せたり、日常会話ができ、イントラを身近に感じられることによりファンになりやすくなった。→イントラと参加者の関係性が以前より強いものに
⑤イントラは、自ら参加費を決定できるため、従前のフィーよりも多く稼ごうと思えば努力次第で可能となる。→今までは、クラブがレッスンフィーを決めていたが、これからはレッスン内容によって自分で参加費を決めることができる。また、今まではクラブから与えられた時間に来れば参加者がそこにいたが、これからは自分でお客様を集め逃がさない努力が必要となる。といったように今まで以上に努力が必要だが、頑張れば報われる方式となりやりがいが持てる。
⑥従前のスタジオルームの壁を撤去し、ジムエリアを広くした。その結果、そのエリアの密を回避でき、空きスペースが生まれた。シニアの皆様が喜ぶように、無料のマッサージ機や畳ZONE、フリーZONEを作り、フリーZONEでは、当社職員がかわるがわるシニアの皆様に向けた健康体操などを実施する場所となり、ジム内の雰囲気に活気が出て、楽しくなったと言われるようになった。
ちなみに、お客様からスタジオレッスンのカルチャー化による後ろ向きなクレームや意見はありませんでした。こういった大変更は、いかに会員の皆様に目的を伝えられるかにかかっています。ここをないがしろにして、いきなりボンッと風呂敷を広げてもおそらく成功しないでしょう。
お客様からは、コロナ対策のスタジオ人数制限にはもうほとほと疲れていたの。お金払ってでも確実に出れるなら嬉しい!とか、前よりしっかり教えてもらえるから一気に効果が出たよ!とか、ちゃんと考えてくれありがとう!などの声を頂戴しています。有料にして喜ばれる。コレって嬉しいです。
こういった変更となり、イントラの皆様も大変ですが、クラブも本当に大変なので、お互いに共存し合う方法としてはこの方法はベストなのではと考えています。このモデルは、いわゆる総合型フィットネスクラブでは十分可能なモデルだと思います。タイミングとお客様との関係性があってこそだとは思いますが、この流れが日本全国に広がるのではとも思っています。
もし、総合型フィットネスクラブでスタジオ経営をやめるかどうか悩んでいたら、手放す前にチャレンジすることをお勧めします。日本全国にこの流れができ、お客さまが当たり前の感覚になると嬉しいです。
このようにコロナ禍によって、急速に変化せざるを得ないことが沢山ありますが、結果的にそれは、いつかやるべき変更をちょっと早くやっただけで、いままで抱えてきた問題を解決したにすぎません。もしかしたらコロナによって重い腰を持ち上げられた・・・ということも少なからずあると思えば、前向きに考えられそうです。
皆さんも過去から抱えている課題はありませんか?しばらく続くコロナ禍を逆手に取った変更になったと思います。当たり前の様に無料でやっていた事を有料にする。勇気がいることですが、価値があるサービスなら喜ばれるのではないでしょうか。でも、下準備はしっかりと。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は、健康ZONE100として新たにコンセプトリニューアルしたときの話。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?