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超ギリギリのサブ4! つくばマラソンのレース内容を振り返る

 11月13日に、つくばマラソンを走ってきました。結果は、3時間59分54秒(グロスタイム、ネットタイムは3時間59分15秒)で、ギリギリでの初サブ4達成となりました。9月から準備を始め、時間もないために今回は「ジョグとLSDでスタミナ勝負」と割り切って練習をしてきましたが、イメージ通りというか想像以上にうまく走ることができました。あらためて、レース内容を振り返ってみたいと思います。

つくばマラソンでのスプリット&ラップタイム

テーパリング

 本番3週間前の10月23日に30km走を行った後は、走り過ぎに注意し、30~40分ジョグや坂ダッシュを挟みながら、2週間前に21kmジョグ(5:52/km、心拍ゾーンZ2~3)、10日前に15kmジョグ(5:47/km、Z2~3)。そして、1週間前に10km走(5:26/km、Z3)、3日前に5km走(5:33/km、Z3)を行い、本番で想定している5km28分ペース(5:36/km)の確認をしました。10km走では最初の1kmを5分ジャストと思い切り突っ込んでしまい、それが「本番でのオーバーペースには気を付けよう」という戒めになりました。

当日朝の移動~スタートまで

 レース当日は4時30分起床。いつも通りの朝食+バナナ1本を口に入れて出発。5時50分秋葉原発のつくばエクスプレスに乗り、研究学園駅で検温ゲートをくぐってからシャトルバスに乗車、7時には会場の筑波大学に到着しました。ウォームアップジョグをするランナーも多いなか、僕は軽くストレッチをする程度で、ひたすら体力温存に努め、バナナとエネルギージェルを順次口にしながら、ぼけ~っとスタート時間が近づくのを待ちます。

 この日は、朝こそ少し冷えましたが、スタート時刻(第1ウエーブは9時)の14℃から、2時間後には南風が吹いて20℃以上と急激に気温が上がるとの予報。よって、アームカバーも手袋も、薄手の上着もしまって手荷物に預けました。ちょっと想定外だったのは、トイレの数がそれほど多くなくギリギリまで並んだこと。僕は9時集合、9時15分スタートの第4ウエーブでしたが、集合時刻から少し遅れてスタートエリアに並ぶことになりました。

午後は雨予報も、到着時のつくば市は快晴。その後の気温上昇を予感させました

START~5km ロスはたったの39秒

 9時15分、スタート。号砲からラインを越えるまでのロスタイムは、わずか39秒(とレース後に知りました)。つくばマラソンでは2015年から、グロスタイムとネットタイムとの差を縮めるために、ウエーブスタートを採用しているそうです。僕レベルで、これほど短時間でスムーズにスタートラインを越えられたことがなかったので、すごくありがたかったです。

 スタート前にウォッチは手動ラップに切り替え、1kmごとの公式距離表示の看板ごとにボタンを押してとっていきます。GPSでとる自動ラップのままだと、徐々に距離看板とのズレが生じて感覚が狂うからです。入りの1kmは5分55秒、5kmは28分28秒と、オーバーペースになることなく、多少ゆったり目と、ほぼ想定通りに入ることができました。

5km~10km 自分で刻んでいく覚悟

 筑波大学のキャンパスを出て、学園西大通りを北上。ここからは、つくば市内を大きくグルリと反時計回りに走っていきます。今回はコロナ禍対策(集団をつくらないため)で公式ペースメーカーは配置されていません。うまく後ろにつけるようなサブ4ペースの人たちはいないかなと探しましたが見当たらず、最後まで自分でペースをつくろうと覚悟を決めました。

10km~15km 御堂筋のような並木道

 事前に大会公式ページのコース動画を見て、「景色の見どころはなさそうだなあ」と思っていましたが、11km過ぎ、クリーンセンター入口を左折してからは、道路の両側に立ち並ぶイチョウの木が黄色く美しく色づいており、秋開催の頃の大阪マラソンの、御堂筋のイチョウ並木を思い出しました。ペースは目標通り、5km28分ちょっとと安定してきました。

15km~20km 早めのミネラル補給

 今回から、15km手前から24km手前まで、長~い直線道路を真っすぐ南下するコースに変更。つまり、気温が急上昇していくなか、日差しを真正面に受けながら長く走り続ける状況でした。とはいえ、個人的には寒いとおなかが冷えてトイレに行きたくなるタイプなので、逆にありがたかったです。

 ただし、こんなときに気を付けなければいけないのは、脱水と脚のツリ。3月の東京マラソンで35km以降、脱水でヘロヘロになった苦い記憶があったので、給水所ごとにスポーツドリンクをとり、用意していたミネラル入りのエネルギージェルやタブレットも、予定よりも早めにとることにしました。

20km~25km 中間点は1:59:07

 ハーフ通過は1時間59分7秒! 予定ではもう30秒ほど貯金をつくっておきたかったのですが、かなりスリリングな展開です。今のうちにペースを上げて貯金をつくりに行こうかなとも考えましたが、「いやいや、30kmまではこのまま我慢、我慢」と言い聞かせて自重します。

25km~30km 急に強くなる南風

 急に風が強くなってきました。軽いアップダウンや折り返しもあり、ややきつくなるレース最初の山場でしたが、29~31km手前までの北に向かう直線道路でうまく追い風に背中を押されて、再加速できました。30kmの通過は2時間49分30秒。

30km~35km サブ4への淡い期待

 この5kmのラップも28分9秒。30kmを過ぎてこれだけ脚が動くのは初めての感覚で、「サブ4いけるかも」と淡い期待が湧いてきました。そうなると不思議なもので、シューズに計測チップがちゃんと付いているかどうかがやたらと気になり(笑)、何度も足元に視線を向けてしまいました。

 最高気温は23℃まで上昇。気象条件的に厳しく、これまで走ったマラソンのなかで最も、道端に横になって救護を受けているランナーを多く目にしたように感じます。

大学構内に戻ってくると強風で落ちた枯葉がたくさん落ちていました

35km~40km 徐々に胃がムカムカ…

 過去のマラソンで終盤に吐き気をもよおしたことがあり、スタート前に予防的に胃腸薬を飲んでいましたが、今回も徐々に胃がムカムカしてきました。給水も躊躇しましたが、吐き気よりも脱水の恐怖感があったので、喉を軽く湿らす程度に口に含みました。ペースを上げている数少ないランナーを見つけては、とっかえひっかえ、背中に(こっそり)ついて引っ張ってもらい、ペースアップ(のつもりが実際には維持)に努めます。

 大学構内に戻ってくると、スタート時とは一転、路面が落ち葉で埋め尽くされていて驚きました。それだけ、急激に強い風が吹き出したということでしょう。

40km~FINISH 最後の試練を越えて

 40kmの通過は3時間46分。よほどの失速がなければいける、と確信しましたが、猛烈な吐き気と強烈な向かい風に襲われ、ラスト3kmは本当の試練でした。残り1kmくらいのところで現れた、壁のような上り坂にも悶絶。ラスト2.195kmは12分台でまとめたかったものの、1km6分までペースが落ち、13分台までかかりました。

 最後は必死になって脚を前に出し、陸上競技場に入り、フィニッシュゲートへ――。そして、手元の時計を止めると「3時間59分15秒」! 

 うれしいとかガッツポーズとかいうよりも、何か呆然、本当にサブ4できてしまったのか…というような信じられない気持ちでした。これまで撃沈レースばかり。サブ4.5すらできていなかったのが、きれいに5km28分台前半のラップを刻めて、自己ベストを30分以上も更新してしまったのですから…。

タイムと、ペース&心拍数の推移
心拍ゾーンもゾーン4で長く走れていました

 さらに、預けた荷物を回収してスマホで速報記録を見ると、グロスでも3時間59分54秒。ネットタイムのことしか考えていなかったので、まさかの公式記録でのサブ4達成です。途中で他の参加者との接触で倒れたランナーさんを助け起こすために一度立ち止まったりもしているので、たった5秒、上回れたことが本当に奇跡のように感じました。ああ、神様ありがとう…

2カ月半で得られた、3つの主な収穫

 9月からの2カ月半のトレーニング、そして、望外のレース本番での結果によって得られた主な収穫は、次の3つのことだと感じています。これらについては、改めてnoteに書きたいと思います。

1.走力の向上には、まず「丁寧なジョグ」の積み重ねが大事
2.練習から体感を大事にすることで、レースでもイーブンペースを刻める
3.レース用シューズの選択は結構重要

 最後に。初めて走ったつくばマラソンのコースは、ほぼ平坦でペースも刻みやすく、本当に走りやすかったです。ロスの少ないウエーブスタートもありがたかったですし、タイム狙いのランナーにはもってこいの大会だと感じました。3年ぶりの開催、本当にありがとうございました。

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