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ジョグとLSDだけで、サブ4ペースの30km走に挑んだ結果

2kmコースを15周! メンタルも試される

 出場予定の11月13日のつくばマラソンまで残り2週間となりましたが、先週、10月23日に千葉・稲毛海浜公園で30㎞走をしてきました。実業団の天満屋で日本代表としても活躍された、松尾和美コーチが主宰するCHIBA RUNNERS.mさんの練習会です。

 松尾コーチにはいつもお声がけをいただき、過去にも何回か稲毛での練習会に参加をさせてもらったことがあります。とはいえ、1年ぶりに来た稲毛はだいぶ様変わり…。「SUNSET BEACH PARK INAGE」という名称に代わり、海にせり出したウッドデッキが造られるなどシャレオツな雰囲気になり、だいぶ人で賑わっていました。

 この公園は最長5kmのランニングコースがとれるのですが、人ごみの中を走るのは危険ということで、1周2kmの短いコース×15周で行うことになりました。メンタル的にきつそうだなあと思いましたが、「途中で簡単にやめられてしまうデメリットはありますが、リズムはつくりやすいですよ」と松尾コーチ。一応、フル4時間切りを目指しているので、5:30/kmペースのグループに交じって走ることにしました。

30km走に参加したCHIBA RUNNERS.mの皆さん

サブ4ペースでの練習は一切せずとも…

 さて、つくばに向けて本格的に走り始めたのは9月からと、かなり出遅れ気味だったため、以前にもnoteに書いた通りちゃんとフルを走れる状態に戻すために、ジョグやLSDを飽きるほどやる!」作戦で、この2カ月間取り組んできました。特に意識したのは下記3点。

  1. 「1km〇分」というウォッチのペースは追わない(体感を大事にする)

  2. メニューは距離ではなく「時間」で考える(〇kmジョグ、ではなく〇分ジョグ、というように)

  3. 体感を補完する材料として心拍ゾーンを活用する

 9月中にポイント練習として行ったのは、120~180分LSD(7:10~8:00/km)や90~120分のロングジョグ(6:10~6:20/km)で、間の40~60分のジョグを含めて、練習はだいたい週4~5回。LSDならば心拍ゾーンのゾーン2(イージーゾーン)、ジョグならばゾーン3(モデレートゾーン)、速めのジョグならばゾーン4(ハードゾーン)に近いゾーン3を指標にして走ってきました。

 10月に入ってからは、ゾーン3~4をターゲットにした150分走(5:53/km、26km)、180分走(6:23/km、28km)の時間走を2回。ただ、時間走は決めた時間内をペースダウンせずに走り続けるのがミソですが、終盤に垂れてしまい、あまりいい練習にはなりませんでした(おまけに日数を置かずに連続で行ったせいで胃腸の不振に陥り、一時ランオフに…。ほんと、焦りや走り過ぎは禁物です)。

 つまり、いわゆる1km5分30秒~5分40秒というサブ4ペースを意識したメニューは一切しておらず、スピードを上げる練習も坂ダッシュ程度しかしていません。当然、「5分半で30kmも押していけるのかなあ」という不安はあったわけですが、結論からいうと…

 トータル2時間46分、1km5分32秒ペースで走り切ることができました! パチパチパチ…

引っ張っていただいたランナーの皆さん、ありがとうございました

 入りの1kmは5分22秒。内心「速いなあ」と思いながら、余計なことは考えず省エネで集団についていき、5kmは27分19秒、10kmは54分48秒。松尾コーチからの「いいペース!」と声がかかります。8周目(16km)で早くも集団がバラけましたが、松尾さんのチームは自分でペースをつくれる「強い」ランナーが多いので、そこは織り込み済み。残りはひとりで5分30秒~5分40秒ペースで我慢して刻んでいくことを心掛け、最後まで5km28分ペース内に収めて走り切ることができました。

 とはいえ、単独練習ではできないペースをつくれたのは、前半を引っ張っていただいたチームの皆さんのおかげです。2km周回は確かに近くの目標を立てやすくてリズムを作りやすかったですし、「肘、後ろ!」(肘をしっかり後ろに引いて腕を振って)といった、松尾コーチの周回ごとのアドバイスも助けになりました。

2020年の30km走とのデータ比較

 僕がこれまでサブ4に最も近い状態までもってこられたのは、2020年3月の東京マラソン前のことです(結局一般ランナー参加中止で走れず)。その際も松尾コーチの練習会で、本番3週間前に30km走をしていますが、その時のデータと比較してみました(左が2020年の東京前、右が今回)。

タイム
ペースと心拍数
心拍ゾーン

 2020年の東京前は、5:40~5:50/kmでの10~20kmペース走を結構行っていた記憶がありますが、LSDやジョグばかりでペースを追う練習をしてこなかった今回のほうが、平均ペースは速いのにもかかわらず余裕をもって走り切れていることが分かります。20年の30km走は最後まで引っ張ってもららいながらも、ラストは心拍数がレッドゾーンにまで上がっていっぱいいっぱいでしたが、今回は心拍数のドリフト(漸増)幅も抑えられ、ゾーン3で走れる時間も増えており、消費カロリーも抑えられていました(まあ、それでもキツキツでしたが)。

ジョグやLSDを、ちゃんとやれば速くなる!

 今回のことで感じたのは、やっぱり長い距離を走るための大前提として、日頃のジョグを丁寧にやること、スタミナ系の練習をきちんとやることが大切だということです。実は8月末にハーフマラソンを走って大撃沈をしており、「これでフルを走るなんて無理ゲーだ」と気が遠くなっていましたが、ちゃんとジョグ・LSDを積み重ねてきたことで風船が膨らむように走力が戻り、ペースを追っていないのにペースに乗っていける感覚を得ることができました。走力の「土台が上がった」とでもいうのでしょうか。

 しかも、無理にスピードを上げる練習をしていないので、いつもなら痛める腸脛靭帯(膝の外側)やスネを痛めることもありませんでしたし、距離を追ったわけでもないのに、気づけば月間200~250kmと、これまで以上に距離を踏むこともできていました。

 これまで、さまざまなランニングコーチや大学の先生、大学駅伝部のコーチの話を聞いたり、アーサー・リディアードコーチの本を読んだりして、運動生理学的にも「きっとそうなのではないか」と感じてきたことが、今回、自分自身の練習でようやく理解できるようになった気がします。

★早大・花田新監督が「スピード型」チームの練習を見直し、タイム設定を落とした走り込みでスタミナ強化を図って箱根駅伝予選会を突破した話↓

 これで、つくばでは5km28分ペース程度でサブ4に挑む心づもりがようやくできました。レースの流れに乗ってペースをつくれれば結構イケるのではないかと、30km走をこなせたことで感じています。まあ、いつも通りまったくダメでしたということもあり得ますが(笑)、あと2週間、疲労を抜いて体調を整えていきます。

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