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メディカルチェック

あけましておめでとうございます。
C-I Baseballの佐藤康です。

トレーナーマニュアル新年1発目の投稿になります。

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トレーナーマニュアルはBasicAdvanceに大きく分かれます。

Basicでは野球選手のケガにどのように対応するのか?をテーマに病態の理解から評価・トレーニング・復帰・予防まで包括的にお伝えしてきました。

今回からAdvance版と題し、トレーニング構成や組み立て方、フィジカルチェック、ウォームアップ方法など、野球現場でのグラウンドレベルでの動きについて配信していきます。

それに加え、Basicで配信した野球選手のケガを実際どのようにみて・対応しているのか?について、リアルな対応・エラーがあった際の対応などつまづきやすい部分をサポートできるような内容を配信予定です!

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■メディカルチェックとは

まずはじめに、メディカルチェックについてお話ししていきます。

メディカルチェックとは和訳すると、医学的な確認事項となるように、ケガの危険性をチェックするために行うものです。

そのため、ランニングなどのスプリント能力や瞬発系・持久系・パワー系などの体力的な要素を評価するフィジカルテストに比べて、
<障害に関わる動作や機能の評価>になります。

野球選手が起こしやすい障害と考えると、投球障害や腰痛など様々ですが、ケガの理由に共通した要因として可動性が挙げられます。

また、ストレステストや異常運動につながる動作がないかのファンクショナルテストを用いてチェックしていくことで、障害の危険性を判定していきます。

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■メディカルチェックの目的

前項でもお伝えしましたが、
メディカルチェックでは障害の危険性を評価していきます。

テスト項目に対して問題がなければ、プレー・練習参加続行
問題があれば、治療の必要性に応じて練習の参加を検討しなければならないケースもあります。

例えば、下図のようにメディカルチェックにてエラーのあった項目があった場合、投球障害の危険性が考えられます。

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「危険性」という表現を伝えるためにはデータの活用が必須となります。10人の選手に行い得た情報よりも1000人の選手に対して得られた情報の方が確からしいデータとなります。

そのため、統計的にも再現性が高く、検査者間でエラーが少なく、多くの選手より得られた情報・結果がメディカルチェックの比較データとして求められます。


■現場での実践のタイミング

メディカルチェックは選手のケガを守るため、常に行っておきたいチェックではあります。
しかし、シーズンに入ると、痛みがない選手においては、なかなか詳細に確認する機会はありません。

そのため、メディカルチェックの位置づけはチーム全体の体の状態、選手の今後のケガの予測・危険性を把握すために重要なものとなります。

試合期の後・前であるオフシーズンにチェックしておきたいチェックとなります。

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■メディカルチェックの解釈

テスト結果に問題があった場合、障害の危険性を考えます。

患部に問題があるのか
患部に関わる患部外の機能に問題があるのか

に応じて、運動負荷量を検討していく必要があります。


■メディカルチェックの方法

ここからは、実際のメディカルチェックの方法についてまとめていきます。

|疼痛
|ストレステスト
|可動性テスト
|筋力テスト
|スタビリティテスト
|ファンクショナルテスト

に分けてご紹介していきます。

|疼痛チェック

どこが痛むのか
どのときに痛むのか
いつから痛みがあるのか
どのようにして痛めたのか?

疼痛部位
投球動作時痛|痛みの場面(phase)
痛みの詳細

の聴取をしていきます。

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方法|主に圧痛にて確認

解釈|押した圧が強く痛みがあったかと見極めるため、左右差を確認したり、他評価との結果と照らし合わせて解釈していきます。

例)
圧痛:右内側上顆
ストレス:外反ストレス+
可動性:肘関節伸展可動域制限
となった場合、内側型野球肘の危険性があると捉えます。

そのため、圧痛だけでケガの危険性があるかどうかは判定できず、総合的に判断していきます。


|ストレステスト

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【C-I Baseballトレーナーのトレーナーマニュアル】 投球障害肩・肘、腰痛、捻挫、肉離れ、下肢障害など野球におけるケガの関りを専門…

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