【タイ・オウンドメディア】国内最大のHRメディアを作るまでの過程
このnoteを書こうと思ったのは、これから海外、特に東南アジアで新しく事業を展開する方に貢献するためのnoteでもあります。
自分もちょうど2年前に「ローカル向けにメディアを立ち上げる」というミッションとともにタイにやってきました。
立ち上げてから1年10ヶ月の期間で、僕を含めて2名ほどのチームで月間400,000PVを超えました。
しかしタイに渡航当時の私は、新卒入社してたった6ヶ月目の時です。
「日本人の自分が、そして経験のない自分がローカル向けにメディアを立ち上げるなんて、そんなことできるの?」と最初は半信半疑な気持ちで、タイに渡航したことを覚えています。
想定どおり、日本人がローカル向けにメディア事業を立ち上げた成功事例の情報はほぼ皆無で、独学から始めるしかありませんでした。
そのときに、ローカル向けのウェブマーケティングのノウハウや、メディア運営に関する情報が少しでもあれば、かなり助かっていたことでしょう。
コロナで企業の動きは少し変わりましたが、いまだに多くの日本企業は海外進出に関心を向けています。
今の自分の中には紆余曲折、多くの失敗を重ねて培った「HRメディアを立ち上げからNo1メディアまでグロースしたノウハウ」があります。
「これを自分の中にとどめておくか」「稀有な情報のため公開しないほうがいいんじゃないか」と迷いましたが、今後日本企業が海外進出必須の中で、少しでも自分の情報が多くの方に役に立つのではないかということで公開することにしました。
多くの海外マーケティングをうたう記事は、日本にいながらwebマーケティングしているケースがあります。
確かに、日本にいながらでも海外マーケティングは可能です。ただ僕が今回お伝えするのはマーケティングだけではなく、現地にいながらローカルメンバーのマネジメント要素なども含めてお伝えするつもりです。
日本人が現地で成功するにはマーケティングスキルだけでなく、マネジメントも重要になります。そのため、テクニカルな部分もさることながら、マネジメントであったり、ローカルスタッフとの接し方についても詳細に記述しています。
この話は、現地で腰を据えて、じっくりと海外のマーケットに向き合った者しか話せない内容になっているので、googleで検索してもなかなか出てこないと思います。
今後、海外に進出する、または海外でのマーケティングを検討されている方にとって、少しでもこの記事がお役に立てることを祈っています。
絶対にやってはいけない「翻訳」という手段
実際に手を動かすしか回答は得られないので、日本国内で運営しているメディアのコンテンツをタイ語に翻訳して、掲載してみました。
ここで、翻訳の方法をいくつかトライしました。大きく3つあります。
1.google翻訳
これは絶対にやめましょう。今思うと、なんでそんなことしてたんだと後悔の念が押し寄せるくらいに、全くもって無意味なこと、といいますか、メディアのディスブランディングに直結する行為です。
そもそも、日本語→タイ語の翻訳互換性はよくありません。英語からタイ語への互換性も日本語よりはマシですが、それでもコンテンツとして読めたものではありません。
google翻訳はあくまで、外国語コンテンツの意味を推測するものとして使えます。完璧なコンテンツを作るには、この翻訳ツールでは到底不十分です。
google翻訳で訳したコンテンツを実際にタイ人の方に読んでもらったことがあります。そのタイ人の方は顔をしかめながら「何書いているのか意味がわからない」とものすごく怪訝な顔をされました。
「え、このメディア展開するの?クソすぎない?」くらいには思われていたことでしょう。
とにかくgoogle翻訳の過信は避けましょう。
2.Upworkで翻訳依頼
「なるほど、google翻訳の質が悪いのかと、そういうことであれば、プロの翻訳家に依頼するしかない」というわけで、世界でも有名なクラウドワークス的なサービスUpworkで翻訳を依頼することにしました。
Upworkでは、世界にいる多くのフリーランサーと接点を持つことができ、タイ人翻訳家もそのプラットフォームから見つけることができます。
サービス自体は使いやすく、すぐに翻訳してもらえる人を見つけることができました。フリーランサーの個別ページには、これまでどれだけ稼働してきたか、どれくらいの受注実績があるかを一目で確認することができたり、また時給なども設定されているので、翻訳にかかるコストの相場感が掴みやすかったのが印象的です。
そして早速Upworkの翻訳家に依頼し、でき上がったタイ語を読んでもらいました。「うん、これなら読める」ということで、ひとまずタイ語のコンテンツ作成までたどり着くことができましたが、これではコストがかかりすぎてしまうというデメリットがありました。
継続性の観点からも、翻訳家への外注は良い方法とはいえませんでした。
そのほかにも知り合いのタイ人に依頼するという方法をとりましたが、最終的には日本人が作成したコンテンツをタイ人が翻訳するというプロセス自体が、高品質のコンテンツを作りにくいということがわかってきました。
今思うと、当たり前に感じることですが、当時の自分からすれば、どの方法が正しいか全くわからず、全て手探り状態でした。
結局はその後、ジャパニーズスピーカーを採用する流れになり、そのかたに翻訳してもらう形になりましたが、今となっては、この方法もオススメできるとはいえません。
このようなめちゃくちゃな始まりから、実際にタイでどのようにNo1メディアにまで成長させたか、について詳細に綴っていきたいと思います。
オウンドメディア立ち上げ初期の動き
立ち上げ初期の状況を簡単に説明します。立ち上げ当初は、先ほどの章でも少し触れたように、日本語のコンテンツを翻訳して、タイ語にするという流れでコンテンツ制作をやっていましたが、これは限界があるということで、日本語スピーカーを採用する流れになりました。
先ほど冒頭でも触れましたが、上司が2ヶ月だけいる予定で、その方は英語が話せなかったため、日本語スピーカー採用を真っ先に考えられておりました。
当時の自分は、「海外での最初の動きはそういうもんなんだろう」と思い、それに対して反対することはありませんでした。
後ほど書きますが、日本語スピーカーを採用する上でのメリット・デメリットがあります。そして、僕は最終的に別でタイ人ライターを採用することになります。
コンテンツマーケティングをする際になぜ翻訳を採用してはいけないのか
立ち上げ初期は日本語の通訳翻訳担当者を採用しました。日本語を話せるローカルスタッフ(タイや他の国に限らず)は優秀な方が多く、なんでもテキパキこなす印象が強いのですが、専門は日本語の通訳・翻訳です。
そのため、「日本語ではこの意味だけど、タイ人にあわせてクリエイティブな表現にしてほしい」と頼んでも、その方がコピーライティングが得意とは限りません。
日本語特有の表現がそのままタイ語に変換され、タイ人にとっては違和感に感じることもあります。
また翻訳以外の業務、例えばコンテンツの企画などを依頼しても、それが必ずしも期待通りの結果を得られるわけではありません。また期待通りの結果が得られなかったとしても、そのローカルスタッフを責めたりしてはいけないのです。
なぜなら、海外ではジョブ型採用が一般的でジョブディスクリプション(求人票)に書いていない職務は基本的にその従業員の専門外、責任範囲外とされています。
先ほど「短期的な視点で採用されていた」と書きましたが、このように「英語(タイ語)がうまく話せないからとりあえず日本語話せる人材を採用しよう」という社内の一部の都合だけで採用してしまい、結果、うまく噛み合わなかったことがよくありました。
もちろん、日本人が海外でビジネスを立ち上げる際に日本語が必要な場面もありますが、日本語スピーカーを採用する際は「社内で日本語を使う場面はどれくらいあるのか」といった日本語の需要を改めて確認するべきだと思います。
また厳しい表現かもしれませんが、日本語しか話せない日本人は、いってしまえば海外ではコストになります。
その人のために日本語人材を採用する必要があり、また日本語人材の人件費は他のタイ人に比べ非常に高いです。人によっては日本人の新卒以上の給料をもらう人もいます。
そのため、なるべく英語、またはローカルの言語でコミュニケーションを取るのがベターでしょう。
日本語のコンテンツを翻訳しローカル展開するという行為には限界がある。
自分がコンテンツなどを制作して、それを翻訳するというプロセスに限界を感じ始めていました。そもそも、企画する脳がこの時点で1つしかないため、さらに拡大する際に限界があったのです。
また自分がコンテンツを作らなければ、その翻訳担当は「何か仕事はありませんか」と待っている状態なのです。
今振り返るとしっかりゴール設計や方向性を決めた上で、仕事を振るべきでしたが、長期的な視点で考えるほど、日本語翻訳担当が担う仕事が限りなく少ないことに気づいたのです。
自分は英語が使えるので、正直、日本語が話せるスキルよりも、多少英語が話せて、タイのマーケットをよく理解するタイ人コンテンツマーケターを求めていました。
そして、その話を日本にいる上司に掛け合い、採用の許可をもらいました。
採用はセンシティブなもの
採用というものは非常にセンシティブなものであると今痛感しています。特に立ち上げ当初では誰を採用するかで、グロースするかしないかは大きく分かれてくると思います。
また何よりも、採用した人の人生の方向性を変えてしまう可能性もあります。
その日本語翻訳担当の方は前向きに仕事に取り組んでいたので、チーム内だけでなく、グループ内に日本語を話す機会を探して、その方の成長機会の最大化しようと試みました。
しかし頭のどこかでは「違う環境にいれば、もっと成長できたかもしれない」「貴重な時間を奪ってしまった」と感じていたのも事実です。
採用は自分の都合だけ考えてはいけない、長期的に両者がどのように成長していけるかを考えていかなければいけません。
採用前に「今、自分のチームは何ができるのか」を具体的に把握する。
さて、今回のライターの採用にあたって、無計画のまま採用すると痛い目にあうということは前述の通りですが、メンバーをアサインするにあたって、まずは自分が携わるプロジェクトの状況把握からはじめました。
といった組織の全体像から、必要とされる具体的なスキルセットまで落とし込んでいきました。
( ※job descriptionの完成イメージ )
job descriptionは会社によって全く内容が変わってきます。
今の私のチームでは少数先鋭のため、なるべく情報を盛り込み、面接当日は基本的な情報がインプット済みという前提で始めています。
また面接前に、いくつか課題をやってきてもらうなどの工夫を加えるようにもなりました。そうすることで、事前にモチベーションの高い求職者を正確に見つけることができます。
全く関係のない職種の方もかなり応募してきますからね。笑 30件くらい応募があっても、課題を提出するのはその3分の1程度まで絞れます。
そこから課題のアウトプットの内容を見ていくと、量であったりとか、どこまで調べているかで、このチームに対してどれだけ働きたいのか、といった熱意を測ることができます。採用はかなり重要ですね。
ちなみに、求職者の募集はjobsDBという、日本でいうところのリクナビ・マイナビのようなサービスを使い、求職者を募集しました。そのほかにも人材紹介などを利用する企業も多くあります。
面接時の質問に関して
質問の内容などに関しては、会社によって工夫されているところがあるかと思いますので、ここに関しては特に正解などはありません。
その時の採用では、
などの内容をヒアリングして、その人がこの仕事をする上で何が原動力になっているのか、また普段はどういう物事に対して興味を持つのか、などをカジュアルな対話を通じて把握していきました。
そのほかにもその方の話している時の雰囲気などあらゆる要素を含めた上で採用するかの判断をします。
採用後から入社までは企業のやり方によるかと思いますが、基本的には面接後の感想を振り返り、採用する人を決めた後はジョブオファーを出して、採用が完了します。
"メンバーシップ型"と"ジョブ型"。日本と海外では就職に対する考え方が大きく違う
近年は変わりつつあると思いますが、日本ではメンバーシップ型の雇用形態で入社してからは、一つの職種に限らず、社内にあるあらゆる仕事を任されたり、ジョブローテーションも普通にあります。
一方でタイや他の国ではジョブ型なので、求人票に記載していない仕事やタスクなどは基本的に任されないという認識で入社されます。
もちろん、しっかり事情を話して仕事を依頼すればやってもらえることもありますが、基本的に専門外の仕事を振るのはNGです。
そのため、前もって採用する目的、入社後に期待する役割、入社後任せるであろう具体的なタスクまでしっかりと固めておく必要があります。
ここから本格的にローカルチームとの協働が始まる
ローカルスタッフ採用後は、まずはワークフローをどのように構築するか、効率的にコンテンツを生み出し続けるにはどうすればいいかといった点が課題でした。
当時はまだメディアが立ち上がったばかりなので、全てやり方を任せて方向性がずれると、あとあと取り返しのつかないことになると当時は薄々感じていたので、コンテンツの方針や企画部分は自分が考え、骨子に落とし込むというフローを取っていました。
コンテンツを作る際に重要視したポイント
コンテンツを作る際にSEOを重視していました。そのため顧客のニーズ理解から、キーワードボリュームの調査、実際に検索されて表示されるサイトからもどういう情報が求められているのか、分析してからアウトラインに落とし込みました。
コンテンツを作る際のタイメンバーとの連携方法
正直、SEO戦略やキーワードの分析、タイにある競合サイトの調査などは日本人である私でもある程度実行することはできました。
しかし、実際にコンテンツを書く作業となると、どうしてもタイメンバーの協力が必要になります。
固めたコンテツの企画や方向性がブレずに、どのように完成まで持っていくか、いくつかポイントがあります。
1.まず定期的にメディアの具体的な方向性を共有する。
特に言葉の通じない海外において、方向性の共有は重要になります。私たちはどこを目指しているのか、ターゲットは誰なのか、どのようなコンテンツを提供すれば、オーディエンスの役に立てるのか。などを必要以上に話し合います。
海外では、自分が思っている以上に伝わらないことがあります。日本人同士はハイコンテクストなコミュニケーションが可能になりますが、海外では、「言わなくてもわかるだろ」が通じません。
そのため、まずはお互いが納得いくまで方向性をすり合わせることが重要になります。方向性の共有が十分でないと、方針からずれたコンテンツがメンバーから上がってきたりします。
これは、ローカルスタッフの理解不足ではなく、単なるコミュニケーション不足だと思います。
オススメの方法は、簡単な資料を毎回作ることです。パワーポイントなどでピクト図のようなものを作成し、今目指している世界観だったり、組織の状態を図解にすることで、全体像がより一層伝えやすくなります。
2.各コンテンツの目的を具体的に記述
コンテンツのアウトラインには、
をなど具体的に詳細に書いていきます。各章の目的と説明までしっかりと擦り合わせていきます。
ただアウトソースするような形で、記事執筆依頼してはメンバーのモチベーションが保てません。
「その記事を書くことで誰が、どのような課題を解決して、喜んでもらえるのか」までを具体的に伝えていく必要があります。
もちろん、一方的なコミュニケーションだけではなく、アウトラインに質問や疑問などがあった際は、いつでも議論できるような雰囲気も重要になります。
一つ一つのコンテンツまで、しつこく目的をすり合わせることで、徐々に共通の認識が醸成され、最終的には多くを語らずとも、同じ方向性を持ってプロジェクトを進めることができます。
3.下書き完成後は、細部まで議論する
下書き状態のコンテンツが上がってきた際は、一度タイ語から英語に翻訳して内容理解をします。その他には
といったコンテンツの細部を詰めていきます。
これは「ある程度できているだろう」と妥協で進めると、それが彼らの基準になってしまうためです。
ここを入念に進めることで、メンバーがより読者のために細部までこだわる習慣を持つようになります。
例えば、フォントをこだわる習慣のなかったメンバーが、クリエイティブ上のフォントも意識するようになったり、カラーのバランスを考えるようになったりなど、変化がみられるようになります。
またフィードバックを真摯に向き合ってすることで、メンバーは悪い気分になることはなく、前向きに捉えてくれます。もちろん先ほどいったように双方向のコミュニケーションが大事になります。
もしかしたら、彼らの意図があるかもしれないので、気になった点などはフィードバックをする前にその所作の意図を確認するようにしています。
現地の顧客のニーズ理解に関して
顧客のニーズ理解では、実際にその領域で働かれている方々に定期的にヒアリングを実施しました。
その時は今でもお世話になっている現地で活躍するHRコンサルタントの方に、人事の方が抱える悩み、課題を教えてもらい、そちらを年間のカレンダーに落とし込んでいく作業をしました。
など実際にタイのHR領域で活躍されいているタイ人の方からヒアリングを行うことで、現場のリアルな情報を入手できます。
オンラインの情報だけでは不十分で、しっかりと対面で得た情報も企画に盛り込んでいく必要あります。
分析方法と使用したツールに関して
海外でも一般的におこなわれているSEO対策と本質は変わりません。先ほどのように顧客ニーズを理解してからは、それらのトピックをキーワードに落とし込み、それぞれのボリュームを調べていきます。
まずキーワードボリューム調査のために使っていたツールはkeyword toolを使っていました。
このツールでは、キーワードボリュームをはじめ、検索される言語、地域、またそれに付随する関連キーワードのボリュームを簡単に調査することができるので、日本語でも、タイ語でも利用できます。
そのため、その国で使われる言語が変わったとはいえ、打つ手がないという訳ではなく、シンプルに「言語が変わっただけで本質が変わらない」と思えば、あらゆる方法が思い浮かびます。
またキーワード選定に関しては、日本のSEOと変わりませんが、スモールキーワードから順番に取っていくのが無難です。
競合サイト調査ツール
海外においては、どんなニーズがあるか調べるのに時間がかかります。そういった際には競合調査が有効的です。競合調査を行う際に利用していたツールはahrefsです。
このツールでは、自社サイトがどのようなキーワードで流入しているか、URLの強さ、ドメインの強さなどを可視化してくれます。
オーガニックのトラフィックや、流入キーワードに関してはサーチコンソールなどで調べることができますが、このツールの良い点は、競合サイトがどのキーワードから流入しているかなどを調べることができます。
1から一つずつキーワードを調べるよりも、タイ人オーディエンスの関心を効率的に調べることができます。
すでにある競合のHR系の主要メディアをいくつかピックアップし、それをahrefsを利用して流入キーワードを調査します。
この方法はものすごく便利ですね。キーワードによっては検索されないものもあるので、「検索してまで調べたい強いニーズのあるトピック」を効率的に調べることができます。
どのようにタイ語を把握しているのか
コンテンツの内容や、キーワードの内容をどうやって把握しているのか、と気になっている方もいらっしゃるかと思いますが、基本的にはgoogle翻訳を使います。
ただ先述したように、google翻訳の精度は完璧ではないため、タイ語を理解する程度にとどめておいた方が良いと思います。
上記のようにタイ語の検索キーワードを検索しても、出てくるコンテンツはタイ語なので、それをgoogle翻訳で訳して内容を把握する作業が生まれます。
また翻訳する際の言語は、タイ語から日本語よりも、英語の方が良いでしょう。互換性で考えると日本語よりも、英語の方が良質な翻訳になることが多いので、常に英語を使うようにしています。
タイのコンテンツの特徴
タイのコンテンツとしての特徴はメディアにもよりますが、要点を端的に伝えているコンテンツが多く見受けられます。
例えば「〇〇の成功要因とは」といったタイトルでは、日本の場合では「〇〇とは」「なぜ重要なのか」「どのように〇〇を導入するべきか」といったストーリーテリングで伝えていきます。
しかし、タイでは簡単に導入文を書いた後は、「〇〇の成功要因10個」といきなり本題に入り、
参考イメージ:
https://www.sanook.com/women/79669/
といったようにかなりシンプルなコンテンツの構成です。
もちろんしっかりと作り込んでいるコンテンツも多くありますが、それでも領域によっては粗悪なコンテンツだったり、10年前に作成されたコンテンツが検索上位に表示されている状況などがありました。
toC向けのコンテンツは充実したものが多いですが、toBでは領域によってはまだまだ穴場があるのがタイの状況です。
日本と比べて、toB向けのコンテンツマーケティングが途上段階なのかはわかりませんが、まだまだ多くのチャンスが転がっています。
前回は主にコンテンツマーケティングを始める際の立ち上げ当初の動き、採用やワークフローの構築、またSEO戦略を海外でどのように決定していくのか、について触れてきました。
前回紹介したことを忠実にこなしていくことで数字を伸ばしていき、タイでHRメディアとして徐々に認識されるようになりました。
SEOで面白い点は、数字が上がるまでには時間がかかりますが、一度キーワードなどを取ってしまえば安定的なトラフィックを生み出せるという点です。
もともと自社サービスへの問い合わせ獲得目的で立ち上げたメディアでしたが、HRメディアとしての存在感が強くなっていき、タイ現地にある多くのパートナーから協業依頼が増えてきました。
タイ人が誰もが知るような企業と協力してコンテンツを作成したり、数字が伸びるにつれて、メディアとしてまたHRメディアのブランドとして、影響を及ぼす範囲が大きくなってきたように感じます。
ただそれはSEOだけを強化してきたのではなく、他のチャンネル、facebookやLINEも同時に伸ばしてきた背景があります。
facebookやLINEの運用についても別の記事で紹介していければと思います。オウンドメディアの立ち上げを検討されている方にとって、今回の記事がお役に立てると幸いです。
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