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「基本的には伝わらない」スタンスを保ち続ける。

海外で一番苦労する点は何と言っても意思疎通を的確に図ること。これは英語力云々の問題ではありません。多少英語が完璧でなくても、自分の意思を曖昧にせず、率直に伝えることが何よりも重要です。

僕もタイに来た頃は、色々と苦労しました...。

「あれ、なぜか伝わらないぞ。」
「いやーちょっと解釈が違うんだよな。」
「説明したつもりなのに、なんでわからないんだろ。」

と、仕事の難しさは99%、人から来てるんじゃないかと思うくらいにコミュニケーションについて悩んだ時期がありました。

同時に、タイメンバーも同じ苛立ちを感じていたと思います。

「適当に説明するなよ。」
「いや、それ言ってなかったじゃん。なんで後から言うの。」
「てかそんな少ない説明で100%理解する方が無理でしょ。」

などなど。(上記は推測だけど多分当たってる。)

コミュニケーションの質って、ダイレクトにパフォーマンスに影響してくるんですよね。意思がしっかり伝わらないと、方向性のずれた成果物が上がってきたり、もっと詰めてほしいところが全然甘かったり。

僕はメディアなどをタイで運営しているので、ターゲット(誰に向けて書くか)の重要性を最初に説明したつもりでも、全然伝わっていなかった時もあり、1からやり直し...と言うこともありました。

こんなことが頻発すると、メンバーのモチベーションも下がりかねないし、全体的に効率が悪くなるので、基本的にこのような事態がおきた時は「相手の理解力不足だ!」と考える前に「さっきのコミュニケーションはベストだったか」とこまめに振り返ります。

そんなことを積み重ねながらタイ歴が2年以上になり、ようやく彼らとスムーズに仕事ができるようになってきたところで、いくつかのポイントを備忘録としてまとめていきたいと思います。

ハイコンテキスト文化(高文脈文化)とローコンテキスト文化(低文脈文化)

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タイでコミュニケーションがうまくいかないことを相談するたびに「まあ、日本はハイコンテキスト文化だからね..」と言われることがありました。

「はて、ハイコンテクスト文化とは?」と思った自分はgoogleで色々調べました。調べているうちに「あ、だからか」と、「めちゃめちゃハイコンテクストなコミュニケーションしちゃってたわ。」と感じ始めます。

「言わずともわかるでしょ系」は全く伝わらないんですよね。

例えばケースA、

私「グラフィック作ってくれてありがとう。ん?あ、ここのフォントもうちょっといい感じならない?なんか他のメディアとか見てさ、いい感じにしてほしい。あと、このフォントの位置も微妙だから直しといて。」

タイメンバー「いい感じとは」「微妙とは」「これは私のセンスでやっていいのか」「まあここは一つ、”わかりました”と言ってその場を流しておこう」→『OK~~~~』

これ、やりがちです。今でも気を抜くとやってしまいます。「知ってるでしょ」「わかるでしょ」「そうそう、前言ってたやつ」「あれあれ、あのビジネス系メディアみたいな感じ」「そうそうそれそれ」やってしまいがちですよね。

おそらく、日本ではごく普通の、特に違和感を感じない会話。もちろん、日本でも初めて一緒に働く場合などは通用しませんが、ある程度長い間働くと、互いに「言わずともわかる何か」が醸成されていくわけですよね。また話さずとも、その人の今の雰囲気や状況から意思を察する能力に長けていると思います。

日本人って本当にすごいと思います。魔法使いみたい。なんで少ない言葉で多くがわかるのか、本当に不思議な国民です。非常に細かい表情や仕草なども一つの言語として感知しているのでしょうか。

ただ、タイもどちらかと言えばハイコンテクスト文化ですが、それでもお互い国が変われば、これまで日本人同士でも通じていたものも通じないので、必要以上に言葉にしてコミュニケーションを取っていく必要があるなと感じました。

こちらに関しては、この記事で詳細に書かれていました。

海外で働く際のコミュニケーションの工夫

では言葉では伝わりきらない場合、どうやって説明すればいいのでしょうか。僕が主にやっている方法としては主に2つあります。

図解で説明する。

これはかなり効果的ですね。例えば、チームの状況を説明するときや、今自分たちは何に向かって進んでいるのか、と言った話をする際に口頭だけではなく、簡単にパワーポイントでまとめた資料を共有します。

この資料も言葉を盛り込んだものではなく、図形をなるべく多く使って、視覚的に判断できるものがいいと思います。

またチームの状況を説明する際や、「なぜこの仕事をあなたに任せているのか」をビジネスモデルやそれぞれの仕事の相関図などを図解でサクッと作り、図解を見せながら説明します。

まあ、これはハイ・ローコンテクストに関わらず、効果的なコミュニケーションだと思います。

行動を数字として見える化する。

数字化することで「細かく管理されている」と嫌がる人も中にはいますが、曖昧な表現が的確に伝わらない状況下では、必ず数字に落とし込みます。

「なんとなく頑張った」ではなく、チームの基準点を設けて「この数字を上回ったらパフォーマンス良好」、「この数字を下回ると改善の余地あり」と言った基準点を設けたりしています。

また行動量に関しては、スプレッドシートなどで完了したら、あるセルをマークするなど簡単な作業だけを行ってもらい、裏側で関数を組んで進捗率を自動計算できるようにしておけば、数字を持って行動量を把握することができます。

もちろん、これは「やってます」と言いながらもなかなかできていないケースもあるので、数字でしっかりと把握しておきます。

一方で、数字でガチガチに管理されるのは嫌がると思うので、感情のケアも忘れずにおこないます。笑
…………..

そうです。海外で働く際のコミュニケーションって、かなり大変なんです。笑

それでも毎日新しい発見や世界の広がりがあって、その楽しさに比べるとこの苦労は大したことはないですが。

という感じで、海外で働く際のコミュニケーションについてまとめてみました。さて、今日もタイメンバーと働いてきます。

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