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フリーランスから社畜に戻ったヒトのハナシ その2

フリーランスってマジで大変なのよ

 最近、フリーランスから会社員に戻った友人がいる。色々と身につまされるハナシなので書いておこうと思う。特にこれから色々なライフイベントが起こるような方には非常に厳しいハナシになるのでソコも書いてみようと思う。

きっかけは奥さんの妊娠

 この見出しがフリーランスから会社員に戻るのとなんの関係があるのかと疑問を持つ人間も多いと思うが、少し読み進めると分かって貰えると思うのでちょっと待って欲しい。

 オッサンの友人が少し前に結婚して、素晴らしい奥さんをゲットしやがりました。かなりの才女である。バリバリのキャリアウーマンであり少しばかりお堅いシゴトをしている。
 出会いのきっかけが確定申告をした時の税務署というハナシがまた面白くITフリーランスと税務署関係者、法曹関係者ばかりが駆け付けた異色の結婚披露宴の2次会ではそれはそれは盛り上がった小噺である。

 その奥さんが最近、ご懐妊をされた。

フリーランスの国民健康保険料

 会社員をやってる方だとピンとこないんだろうけれど、フリーランスをやってる人間からすると健康保険ってのがべらぼうに高くてはっきり言って意味が分からない金額になっている。

 前に記事で少し書いたんだけれど、かなり昔の健康保険の払い込みの金額で頑張りまくって節税をして44000円ぐらいであることを書いた。個人でやっている事業が思いっきり赤字なのでかなり抑えることができていた。
 今年は年間100万ちょい越えぐらいの見込み。月平均すると約8万ちょっと。つまり、国民健康保険のMAXに到達してしまった。マジでありえんぐらい高い。

 これが法人成りして協会健保とかに入ると50万ぐらいに抑え込める。法人成りするメリットは節税だけじゃないのよ。国民健康保険で払う費用とか も全て抑え込めるってメリットがあるんだわ。
 協会健保に入れば、おおよそ国民健康保険の半額ぐらいまで抑え込めると思ってよい。なので、フリーランスでもそれぞれの職業団体などの保険組合に入ったりして保険料を安くしてたりするんだけれど、ITフリーランスにはそんな団体は存在していないので国民健康保険をフルで払うことになる。

 法人成りして協会健保なりに入った場合、抑え込めた費用を税理士に払ってもまだお釣りが戻ってくる。高収入のフリーランスにとって、国民健康保険ってのはマジでしんどいのよ、マジで。

 奥さんが産休に入った時(さすが公務員。有給を足すともう産休に入れるのか!)に暇だったらしく友人の経理を全部見直すなんてことをやったらしいんだが、あまりの税金の高さに発狂したらしい
 
 あなたのトコが確定申告しろって言って、あなたのトコがおカネを持っていってますが

 オッサンの友人は個人で赤字事業を持っていない本当のフリーランスなのでオッサンよりだいぶ早いタイミングでMAXに到達していたのな。

 年商1500万のフリーランスって手取り1000万切るからな?
 いいとこ900万ぐらいしか残らんからな?

育休?なんだそれ?

 個人事業主であるフリーランスには育休なんてものは当たり前だが存在しない。あるのは働く時間を短くするか、請ける仕事を減らすか。この2つの選択しか存在しないのよ。

 色々なヒトと話していると勘違いされガチなんだが、個人事業主というかフリーランスのITリモートワークって暇じゃねぇのよ。オッサンもプライム上場企業にいてそこでリモートワークをやった経験があるので、そこを基準として暇っていう主張は理解が出来る。
 が、会社員でもない腕一本のフリーランスの出さないといけないアウトプットは相応ににシビアなので暇なんてしてらんないんだわ。

 なので、リモートワーク中に子供の相手や家事が、なんて考えられないんだよな。そんなに暇じゃねぇから。ここがリモートワークで家事育児との両立とかいう会社員のモデルケースと、フリーランスや個人事業主の違いなんだよな。

 本音を書く。
 1日仕事をすると脳ミソがカラカラに乾いてるのが分かる

 ドクターXが手術が終わった後にシロップをコップでぐびぐびと飲む気持ちはめちゃくちゃ良く分かる。

手厚い福利厚生と向き合った結果

 この友人は奥さんと色々なハナシをしたそうだ。税引き後の年収自体は一般的な家庭よりそれなりに多いものの、言い訳ではないんだけれどとてもじゃないけれど家事や育児をまともにやれるような体力は残らない。それ以前に育休とか、有休とか、そういうのないし。

 他にも子供が生まれるとなると、フリーランスという働き方自体がリスクになるといった点についても再考させられたらしい。独り身で好き勝手に生きていけるわけでもなく、奥さんも身重になり子供が生まれれば、今までのようにバリバリとやれるわけでもなく。

 さらにフリーランスには休業補償なんてのも存在しないし、傷病手当なんてのもない。会社員であれば当たり前のように受けられる福利厚生が一切存在しないんよ、フリーランスには。

 最終的に現在契約をしている会社に正社員として入れないかという打診をしてみたところ二つ返事でOKの回答を貰えて社員になることにしたそうだ。今までやっていた仕事は他の外注に出すことになって管理側に回ることになり今までよりはラクな役回りが回ってくるらしい。そうすることでリモートワークをしながら家事育児なんてのがやれるようになるんだろうか。

 これで現役は引退。

 ちょっと寂しそうに笑いながら言ってた。 
 好き勝手にやってた彼も6月には一児の父親になる。

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