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フリーエンジニア お客さんが賢くなってきたハナシ

世の中、本気で変わろうとして来てる

 少し前まではITの仕事をしていると「ITなんて全くわからないんですよー。」なんてフザケタコトを言ってくるお客さんが結構いたんだけれど、最近はそんなコトもなくなってきて、かなり勉強というか経験があるヒトがフロントに立ってくることが増えてきた。

明らかにユーザ側の人材が手厚くなった

 ほんの10年ぐらい前までは、結構、大きな会社でもIT知識が微妙なヒトがユーザー側のフロントに立っていた。サーバとかネットワーク、的な知識がほとんどゼロのヒトがお客様プロジェクトのマネージャだったりすることもあって、請ける側としては痛し痒しな状況だったんだけれど、コロナに入るちょっと前から状況が変わってきてるんだよね。

 お客さん側にITに明るいヒトが明らかに増えた。増えたというか、元SI出身ですよね?って感じのヒトが必ずプロジェクトに参加してくるようになってきてる。これは同業の感覚で1分ぐらい会話をすると分かってしまうんだよなぁ、どうしても。拭い切れないSI臭がするんですわ。

 2月から新しいプロジェクトが2つ立ち上がって、オッサンは請け側のPMをやっているんだけれど、お客さん側の2つとものプロジェクトのPMが多分、元SIなんだよな。まだ、ちゃんとそのあたりまで聞けるぐらいの関係性は無いから聞けてないけれど。

 オッサンは元々ユーザ側のPMという需要はあるんだけれど案件が少ない仕事を得意としていたから非常に良く分かる。これ、外部からヒトを持ってこなくてプロパーで埋めた方が絶対にいいんだけれど、ってことが結構あって、特に超上流工程(オッサンはこの言葉は嫌いだが分かりやすいので使う)に入ってくると事業のハナシになってくるので、かなり厳しいゼニ管理を求められたりするんだよな。
 平たく言うと事業の将来的な収益性とか売上計画やら粗利採算その他もろもろと、インサイダーになるようなまずいような機密情報がバンバンと放り込まれてくる

 新規事業のシステムカットオーバーの日取りや事業収益性や会社全体に与える影響なんてハナシが手元に転がってくるワケで。これに配当性向のハナシが絡んでくると増配なんてトコまで見えてきてしまうワケで。

 オッサンは株を持っているので引き合いを貰っても案件を請けない、という会社もあったりする。面白そうでやりたい仕事であっても断ざるを得ない。だって、ヤバイんだもの。

 このあたりの超上流と言われるとこは一般にはコンサルなんてヒト達が入り込んでたりするんだけれどこのコンサルってのがクセモノなんだよな。コンサルが入りこんでくる案件になると、コンサルは自前のSI子会社とかでプロジェクトを回そうとするのさ。そうすることでコンサルのアラを消せたりすることってあるのよね。

 実際、オッサンがユーザ側のPMをやっていた時に、要件定義と設計と製造と運用を全く別々の会社に発注するといったことを主導したことがある。
 ようはキチンとシゴトをしないと次の工程で仕事のアラが叩かれるので請ける側は嫌がる。でも、ITの中のヒトをやっていればわかるが、工程としては別々なので個別の会社に発注しても成立はするはず。
 きちんとシゴトが為されていれば。

 システムはこの考え方がハマってワリと上手く稼働している。日本国内でかなりの人数のヒトが1度は使ったことがあるシステムなんだがいかんせん地味で目立たない。

 この手の成功体験は外注で引っ張って来た人材ではなく、ゼニ勘定と稟議決裁が取れるプロパーでやるべきだとずっと言ってて、そうは言ってもねぇー、なんて言い訳をされていたが、ようやく変わって来たなと。

請ける側としては苦しくなる

 ユーザ側に元SIの人間は入ってくると、どんなことが起こるのか。

 まず、下手な仕事をやってると刺されて終わる。つまり中途半端なスキルや経験でフロントに立つことが難しくなってくるんじゃないかと。相手側のフロントは言えば同業者になるので、非常に細かいトコまで考えてくる。
 これが老獪な百戦錬磨な元SIのPMなんかがフロントに立つようになって、POを若手の元SIのメンバーが固めるような陣容だと、請け側は楽を出来る部分もありつつ厳しい部分も発生してくるだろう。

 「発注者責任を放棄した」といったプロジェクトは減ると思う。おカネを払えば何でもやってくれる、なんて勘違いをしたようなのが減ってくれるとありがたいんだがなぁ。
 ITプロジェクトは、発注者責任ってのも大きいのよ?そのミスは往々にして受注側に押し付けられるような構図になっちまうけれど。

 自分より経験と能力がある人間がお客さん側にいるなんてコトもザラに発生することになるんだろうな。
 そうすると、この先はおそらく手が動く人間だけが生き残るような世界になりそうだなぁと想像がつく。足りないのは手だけだから。システムの外注なんてコトも減ってきて、単純に足りない製造部分だけをかき集めるなんてコトが進むんじゃないかと。

さっそく、Oracleで試された

 オッサンはOracleのなんちゃってプラチナではあるので、DBのコトは少しばかり詳しいつもりだったんだけれど、今のプロジェクトのユーザ側の元SI出身っぽいPMもプラチナなんだよな。名刺にあのロゴが貼ってあったし。
 
 既存システムのERなんかを洗い出してるっぽくて、非常に細かく厳しいチューニングを要求されていたが、F1マシンを公道で走らせるとピーキーで一般人は運転できないよ、って回答をすることで事なきを得た。

 わかるよー。わかるよー。
 ユーザー側PMの立場になると、どうしてもやりたくなるよなー。

 その顔を潰さないようにうまくコンロールするのも請け側PMの仕事だったりするんだけれど、技術ばっかりで腹芸の一つも出来ないようだとこのあたりは務まらないワケで。そして、相手もそれを分かっててやってるのでプロレスなんだよな、これ。

 世の中がこの先、もっとテクニカルな方向で深化していくにしたがってフリーランスもそっちに舵を切るようになり、プロジェクトコントロールの経験はきっと積めないんだろうなと。

 請け側がプロジェクトを主導するなんて状況は、今が最後なのかもしれないと思い始めてる。

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