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【コピーライター編!】制作会社の中の人が、好きな本の装丁を紹介してみた。

KNPのnoteをご覧いただきありがとうござます!

KN.P.制作本部のコピーライター兼ディレクターの千葉です。私はニックネームは無しで書かせていただきますので、もしお会いする機会などありましたら、お話のネタなどにご活用ください。

私の好きな装丁というテーマなのですが、正直これまで本の装丁を意識してきたことがあまりないことに気がつきました。そこで今回は、私が普段の仕事の中で参考にしている本の中から、気になるものを選ばせていただきました。


『ホントのことを言うと、よく、しかられる。  (勝つコピーのぜんぶ) 仲畑貴志』-宣伝会議より

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画像引用・出典:宣伝会議オンライン

この本は、仲畑貴志さんというコピーライターの作品が凝縮された仕事集という意味合いが強い本です。仲畑貴志さんとは、私が生まれた当時から、今なお広告業界においてトップコピーライターとしてご活躍されていて、この職に就いているほぼ全ての人から神様のようにリスペストされている方です。サントリーやソニー、TOTOなど、数々のナショナルブランドで、一般の人でも一度は耳にしたことがある名コピーを残されています。

私は普段からコピーを書く際に、こういった類の作品集をパラパラめくりながら思考を巡らせます。過去の名作と言われるコピーの言葉の断片を拾い上げたり、ぴったりとハマる言葉のリズム感などを探しながら、1つの仕事、1つの商品で数十本のコピーを書き出しては絞り込み、書き出しては絞り込みという作業を繰り返すイメージです。愛著というより、仕事道具という感覚でしょうか。


「コトバ」で装丁された本

なぜこの本の装丁を選んだかというと、本のデザインというよりも、「ホントのこと言うと、よく、しかられる」という言葉が、いわゆるコピーライターあるあるの究極系で、心をつかまれたからです。まあ、職業病というものですね。

たとえば、仕事でオリエンテーションを受けた時に、対象となる商品やサービスの訴求ポイントを色々とヒアリングするわけですが、一方でその訴求を成立させるために様々な課題も浮き彫りになってくるわけです。「あ、それ競合の会社も同じこと言ってるな」、「それ、ユーザーが本当に求めていることかな」といった疑問が次々と心の中で沸いてでてくる。でも、おそらく言葉としてストレートに声に出すと「たぶん叱られる」と思うようなことばかりなんですよね。そんなわけで、この本のタイトルを見たときに思わずクスリとしてしまったのです。

おそらくコピーライター以外の人が見ても、ピンと来ないでしょう。本のタイトルで、誰が読むための本なのかをセグメントしているとも言えますね。それもターゲットにとっては、もの凄い爆発力のあるコトバで、ある種の人間のみが引き寄せられていくような本だと思います。


「叱られる」ことを「納得してもらう」に

この本の影響力は、ただ仕事に役立つという点ではありませんでした。実は「ホントのこと言うと、よく、しかられる」に共感を持つということは、普段の仕事で疑問や疑念を抱いても、ホントのことを言えない自分がいるという裏返しでもあるわけです。おそらく仲畑さんは、実際にホントのことを言って何度も叱られた経験があるのでしょう。その中で「ホントのこと言って、納得してもらう」仕事を一つずつ増やして、たくさんの人たちに認められてきたのだと思います。クリエイティブとは、商品やサービス、時には企業、時には個人の魅力を伝えることとよく言われますが、私は「納得してもらう」ということが大切だと思います。この本は、クリエイターとして大事なことを忘れてしまいそうな時に、ふと初心に立ち返ることができる一冊でもあるのです。


From 株式会社ケイエヌ・プランニング
https://www.knpinc.co.jp/



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