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時の流れを感じさせない粋と品格【博多織ポーチ】

はじめまして。
デザインはできない。
文書は書けても、コピーは書けない。
ただ、おかしいところは“なんかヘン”というし、
いい上がりは“いーね!いーじゃん!”と褒めちぎる…。
ゆえにクリエイターと名乗るのはちょっとこそばゆい、そんなkazeです。
毎朝の一時間ごとの天気予報チェックと検温と、お弁当作りが日課です。
ちなみに“kaze”は岡山出身の新進気鋭ミュージシャン、推しの藤井風クンから(勝手に)もらいました。
あんな「息子」が欲しい!!!
おこがましいので「彼氏」とは言いません。察してください。
そして私のお気に入りのアイテムは、藤井クンとは縁もゆかりもない博多織のポーチです。

はぁ、やっと主題にたどり着きました(汗)

ハンズで一目惚れ

私は福岡で生まれ落ちたのち中学まで暮らし、その後は日本縦断して札幌へ。高校で泣く泣く名古屋へ転校し、そして東京へと、転勤族の父のお陰で各地へ移り住みました。現在でも福岡には年に2、3回帰省していますが、このポーチを見つけたのはわずか4年ほど前。意外にも博多駅の東急ハンズにある福岡物産品コーナーで、一目惚れしました。

着物を着た人を見ることって、お正月か披露宴か卒業シーズンくらい。そもそも成人式以来着物は着てないし、浴衣すら数えるほど。生活に帯なんて必要がないし、好感度な欧米人のようにインテリアに用いるとかリメイクを楽しむには、情けないけれどセンスが足りてない。旅行先の民芸店に友禅や絣のアレンジ小物は売られていても、民芸品の域を出ず普段使いにはちょっと野暮ったい。

ところがこのポーチは違ってました。博多帯を代表する上品な献上柄にバランスのよい金の引き手、そして何より軽い。私をぐいぐいと惹きつける魅力に抗えず、勢いで色違いを3つ大人買いしてしまいました。

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帯でしかなかった博多織が日常使いできる小物にアレンジされ、その歴史が語り継がれていくのはすばらしいこと。ヨーロッパでエルメスやヘレンドなどが今でも色褪せることなく日常の生活に息づいているのに比べ、この国の伝統工芸は担い手が育たず、廃れる一方です。日本の古き良きモノコトをおざなりにして、新しいモノにばかり流されていく風潮に歯がゆさを感じていた私は、このメーカーさんに、「作ってくれてありがとう!」と感謝したい気持ちでいっぱいです。

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そして使い始めて気がついたのはその収納力。予想以上にキャパがあって、人一倍持ち物が多い私が外出時に携帯するアレやコレやが全部収まるではありませんか!

え。

何が入っているんですか?…ですか?

バッグやポーチの中身を見せて場が持つのは芸能人だけと相場は決まってますが。

んんー。

収納力をアピールするためなら仕方ないでしょう。いいでしょう。

お見せします!

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ポーチの中身、どーん!

はっ?説明も必要ですか。なんとなくのボリュームだけじゃだめですか。

そうですか。まぁ、色気のないものばかりでナンですが、説明しておきますか。何かの参考にならないとも限りませんし。

左上から下に、ティシュー、ウェットティシュー、なにかのときのためのレジ袋2枚、セキュリティカード。

上に上がって、バンドエイド類、トローチ、鎮痛剤、ハンドクリーム、ネイルオイル、オードトワレ、ヘアピン、目薬、貝印の小さなハサミ、安全ピン、体温計、ボールペン。

博多織の楊枝入れ、コロナの症状に効くと噂の漢方薬・麻黄湯、アロンアルファ、強烈なメントールの消毒シート、イヤフォン。以上。

ちなみに楊枝入れの中にはフロスを入れています。

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一応断っておかないと沽券に関わるような気がして。。。

徳川幕府への献上品という歴史

誕生の話は780年も遡らねばならないので省きますが、博多帯を代表するこのポーチの柄「博多献上柄」は、その名の通り黒田長政が徳川幕府に献上した帯の柄です。キュキュっという絹鳴りと共によく締まり一日中緩まないことから、重たい刀を刺す帯として当時の武士の間ではトレンドだったとか。

この一つひとつの柄にはそれぞれ厄除けや家内安全の意味もあるんです。説明していると文字数制限を超えてしまうのでこれも割愛しますが、私がコロナにも罹らず事故にも遭わずに、この歳までこうして息災に暮らしていられるのは、このポーチのお陰かも知れません、マジで。

博多織工業組合から感謝状をもらえるまで

私は現在までに、かなりの数の女友達にこのポーチを贈りました。いつも大きなバッグを持っているコには大きめを、渋めの姉御にはエンジ色をと、相手が喜びそうな色とサイズを選ぶあたり、これはもう立派な博多織普及活動じゃないかと思っています。ここで宣伝しておけば、いずれ博多織工業組合からアンバサダーの依頼が来るやも知れぬ。ふふふ。

そしてこれからは、もっと若い友達たちにも贈ろうと思っています。

「福岡行きたーい」「おいしいもの食べたーい」という連中に、まずは博多織りの良さを知らしめて、愛してもらおうと思ってます。おいしいモノはその後!

そして私が使っているポーチも実はとっくに買い換えどきです。
モノをゴリゴリ入れすぎたせいで脇が破裂!手縫いで緊急メンテしてるんです。

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次の帰省の折まで、このままがんばってもらいます。
そして次もきっと黄色を買います。

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みなさんの暮らす街やふるさとにも、伝統工芸がありませんか。

その歴史と永く親しまれてきた魅力が、いつまでも愛され語り継がれるよう目を向けてみるのも、失われつつある日本の個性を繋いでいく一歩だと思います。

From 株式会社ケイエヌ・プランニング
https://www.knpinc.co.jp/


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