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探究活動、小中高での深め方
このnoteは、2023年11月14日の Voicy「【教育の明日をよむ】knockout の10分キャッチアップ」の配信内容をもとに作成したものです
子どもたちの様子を見ていると、2学期に入ってすぐの時期は、体育祭があったり文化祭があったりしてどこかバタバタしていたんですけれど、11月になると比較的落ち着いた学校生活を送れているのかなと感じます。
学校行事が一段落する「静」の時期は、ゆっくりと腰を据えて勉学に励むことができます。 同時に、最近耳にすることの多い探究活動も、こうした時期に集中的に取り組むと、ゆっくりじっくり考えることができてよさそうです。
というわけで今回は、探求活動について、考えてることをお伝えできればと思っています。
様々なシーンで活用できる「留学大図鑑」
国際教育サイトの eduJUMP! というメディアで記事を書かせてもらっているのですが、先日、新しい記事が公開されました。
インタビュー企画の記事で、お相手は、官民協働留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」のプロジェクトディレクター荒畦悟さんです。
トビタテ!に関する情報は、ぜひ記事を読んでいただくとして(これまで他のメディアではあまり触れられてこなかったような内容についてもお話しされてるので、読んでもらえたらうれしいです!)、インタビュー中に出てきた話題で「留学大図鑑」というものがあります。
どんなものかと言いますと、実際に留学に行った先輩の体験談を集めているサイトなんです。
非常に検索性に優れているサイトになっていまして、自分の気になるワードや、その他、いろんな条件を入れると、その条件にマッチした留学体験談がバババッと出てくるつくりになっています。
このサイト、何がすごいかというと、その半端ないボリュームです。 今現在、1936人分の留学体験談が載っています。
ここまでの規模のものは他に類を見ません。留学を考えている人は、ぜひ使っていただければと思います。
と同時に、今、小中高校のそれぞれの段階で取り組みがはじまっている探究活動において、自分のテーマがどのような広がりを持つのかを考えるときにも、このサイトが使えるんじゃないかと思います。
そうした使い方についても、インタビュー記事を読んでもらえたらと思っているのですが、実は、構成上、記事には盛り込めなかった「こぼれ話」がひとつあったんです。
記事には入れられなかった風越学園×留学大図鑑の取り組み
長野県の軽井沢町にある風越学園をご存知でしょうか。
広大な自然のなかで、子どもたちの「やりたいこと」に基づく探究的な学びを重視し、個人のプロジェクトや異年齢グループでのプロジェクトを通して学びを深めていくという、先進的な理念を掲げている幼小中混在校です。
その風越学園の先生が、子どもたちの持つ「なんでだろう?」「こういうことやりたい!」といった声に応えるために、留学大図鑑を使っているというお話を、インタビューの際に荒畦さんがされていたんです。
風越学園の先生も学校のブログでその時の話にふれています。
本気で世界と出会いたいと取り組む子どもたちの視野やつながりが少しでも広がっていくようにと、大人の方でもいくつか出会いを用意していった。たとえば、留学経験者1800人以上のレポートが集まったトビタテ!留学大図鑑をひたすら読んで、会ってみたい!話を聞いてみたい!先輩を見つけて、Zoomでインタビューをしたり、世界の壁画アーティスト・ミヤザキケンスケさんにゲストとして来てもらって、世界で活動されてきたお話しを聞き、他者とともにつくる・描く擬似体験をしたこともあった。「フィリピンのみんなとも、何か一緒につくりたい!」との声も聞こえてきて、アートや表現は、国境を超えるコミュニケーションツールということを身をもって実感したのではないかな。
この取り組みを聞いた時、すっごくいいなと思いました。
子どもたちの素朴な問いを、探究活動のテーマなり、自分の軸なりにしていく上で、先輩たちの姿は良いお手本になります。
自分が持っている思いを、体験談を書いた先輩にぶつけてみる。実際にそこまでやり切るのはハードルも高く、難しいかもしれませんが、小学生くらいの時期に深掘りしたり横に広げたりという探索的な動きをするのは、とても良いことだと思います。
Crimson 松田さんの考える課外活動のステップ
Teach for Japan や Learning for All という、教育分野で日本を代表する社会起業を手がけてきた松田悠介さんが以前こんなことをおっしゃっていて大変共感しました。
小中高とそれぞれの段階で探究活動を進めるにあたり、小学校の時期にはとにかく手数を増やして探索的に動いてほしい。いろんなことを雑多にやって、その経験の中から自分の「好き」を見つけてほしい。
その上で、中学校に上がったら、自分の関心のある領域をいくつか絞って探究的な深掘りをしていきましょう。
そして高校生になったら、自分が突き詰める領域を決め、その中でリーダーシップを取った活動をしましょう、と、こんな風におっしゃっていたんですね。
ちなみに、ここで言う「リーダーシップ」というのは、何か生徒会組織の長になりましょうとか、部活の部長になりましょうとか、そういう狭い意味でのリーダーシップではなく、もう少し広い意味で、自分がやりたいと思っていることを推進していくために、周りの人をどんどん巻き込んでいきましょうというくらいの意味に捉えてもらえればいいんじゃないかと思います。
いずれにしても、小学校、中学校、高校と年次が上がるにつれて、探究する領域を絞り込んでいきましょう、その中での主体的に何かを立ち上げたり、リーダーシップをとって人を動かしたりしていきましょうよと推奨されていて、確かにそれは腹落ちするステップだと感じました。
松田さんは現在、海外留学支援の事業の Crimson Education Japan の代表をされていることもあり、上記の提案は海外大学を視野に入れた場合の文脈でお話をされていました。
とりわけアメリカの大学では、リーダーシップの経験や課外活動での深いコミットが入試で高く評価されることから、戦略的・段階的に進めたらいいですよという話の流れでした。
しかしながら、別にこれ自体は、アメリカの大学進学に限定する話ではなく、将来、日本で活躍することを前提とした教育であっても、自分のやりたいことを推進していく力を育むことができると思います。最近では、日本の大学受験でも、そうしたスキルを評価する選抜方式も増えてきました。直接的なメリットもあるでしょう。
大学受験で利用するために意識・行動するというよりは、もっと先を見据えたプランやビジョンの上で捉えるといいのかなと思います。
「プチ大人」になる準備
大学に入ると、扱いとしては、「プチ大人」になります。
行動範囲も広がりますし、バイトをすれば、比較的自由にお金を使うこともできます。自由と責任のもと、自分のやりたいことをすることができる状態になるわけです。
その段階で「何もやることないな…」となってしまい、フワッと大学生活に流されていくのはもったいないですよね。
やりたいことがある。そして、それを前に進めたリーダーシップの経験もある。そんな状態で自由を手にしたら、大学時代の活動をより充実したものにできるのではないかと思うんです。
そこに持っていくためには。
、、、と考えると、小中校と各段階で必要な経験を積み、大学生になるためのレディネス整えていくのはすごく大事だなと感じます。
忙しい子どもたち
都会に住んでいる最近の子どもたちの様子を見ていると、やっぱりどこか忙しそうに見えるんですよね。
受験勉強もそうですが、小さい頃から習い事をたくさんやっていたり、おうちの中でも、大人視点で見たときの「意義ある活動」に時間を使っているんだろうなと思わされることが多いです。
それはそれで大切なことではあるのですが、同時に、「自分の好きなことを見つける力」を丁寧に育んでいけたらいいなと、つねづね、思っています。
中学・高校と年齢が上がっていくと、忙しくなる一方です。比較的自由のきく小学生あるいはその手前の未就学の時期に、自由な遊びの時間の中で、あるいは身近な生活の中で、そうした自分の軸になるものを見つけていけたらいいですよね。
そしてその軸を探究活動に昇華していく際、「留学大図鑑」を参照してみると、思わぬ発見があるかもしれませんよ。
余談ですが、「トビタテ!留学JAPAN」のプロジェクトディレクター荒畦悟さんのインタビュー記事は全2回となっており、後編も公開されています。トビタテ!の採用に関するヒントが満載です。ご興味がありましたら、こちらもぜひご覧ください!
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