「トビタテ!留学JAPAN」をイチからおさらい
今回は、官民協働留学促進キャンペーンである「トビタテ!留学JAPAN」についてチェックしていきたいと思います。
「トビタテ!留学JAPAN」は、2013年に旗揚げされた、 若者の留学促進キャンペーンです。その中心は文部科学省、 日本学生支援機構、そして、民間企業や自治体など、オールジャパン体制で推進している取り組みです。
昨年度から “第2ステージ” となり、支援の内容が少し変わりました。
「そもそもトビタテ!留学JAPANってどんな支援なの?」
「第2ステージでどんなことが変わったの?」
といったところをひとつひとつ確認してきましょう。
2023年10月から、第2ステージの2回目の募集活動がはじまっています。1回目の募集と少し変わったところもありますので、そんなところも解説したいと思います。
トビタテ!の3つの特徴
世の中にはいろんな留学支援がありますが、トビタテ!には特徴的な点がいくつかあります。
まず1つめ、これが最大の特徴と思っているのですが、トビタテ!は、自己企画型の留学を実現しています。
留学というのは、一般的に、支援する団体や学校によって決められた留学先があり、決められたスケジュールもあり、その中で、さまざまな学修活動を進めていきます。
しかし、トビタテ!では、生徒あるいは学生が自ら目標を立て、留学計画を作成します。そして、その計画に沿って留学を実行していくのです。
採用でもこの留学計画にどれくらい意欲や熱意が込められているかが高く評価されるようです。それがよく表れているのが採用基準です。多くの留学奨学金支援では、学業成績や英語力の要件があるのが普通です。しかし、トビタテでは、成績や語学力は一切見ません。あくまでも自己企画でつくられた計画と、あとは面接で決めるかたちになっています。
2点目の特徴は、奨学金支援のあり方です。
留学と言いますと、旅費に始まり、現地での学費、それから生活費など、いろいろとお金がかかります。その費用の一部または全額が、派遣先の地域や国、そして、その生徒・学生の家庭の収入状況によって決められることになっています。
ただ、面白い、というか、特徴的なのが、トビタテ!では採用される生徒や学生のうち、経済的に恵まれている人は採用の1割までに留めます、という条件があるんです。
つまり、採用される、生徒・学生の9割は、いわゆる普通の家庭のお子さんになる、ということなんです。
この種の奨学金は、ちょっと言いづらいんですけれど、恵まれた家庭のお子さんが選ばれやすいというようなことも多く、そこをあえて外して、広く一般的に開放しようという政府の姿勢がこういったところからも読み解けるんじゃないかなと思います。
最後の特徴は、同窓会コミュニティの規模が非常に大きいところです。
毎年、かなりの数の留学生がトビタテ!経由で世界に飛び立っていくわけですが、昨年までに採用された人数で言うと、大学生が6074人、そして高校生が3397人となっています。彼らが全員OB/OGと考えると、ざっと9000人以上の方が同窓会のコミュニティの中に属している、ということになります。
しかも、若くして留学に出るようなバイタリティあふれる方々が国内のいろんな業界、そして海外にまで散らばっているということで、留学が終わった後も、コミュニティの繋がりで心強いことがあるんじゃないかなと考えています。
第2ステージになって変わったこと
では、第2ステージになって変わったのはどんなところでしょう?
最大の変更点は、大学生向けの支援と高校生向けの支援、その比率が逆転した点です。
第1ステージでは、大学生2名に対して高校生1名の割合で採用者を決定していました。第2ステージは、この比率が思いっきり逆転しまして、大学生1名に対して高校生4名を採用します。
より若い段階で海外に目が向くような経験をさせることによって、グローバルな人材を育成していこうという狙いがあるのだと思います。また、今現在、高校生向けの留学支援制度は実はあまり充実していません。国としてはそこをテコ入れし、 その結果、下支えしていこうという意図があるんだろうと受け止めています。
なお、第1ステージ開始からこれまで、どれくらいの人が応募して、どれくらいの人が合格したのかについては以下のリンクからご確認ください。
私が書いた記事なのですが、一目で分かるようなグラフが出ています。というか、つくってもらいました!
最後に、第2ステージになってから、前回募集と今回募集で、どういったところが変わったのかについて簡単に触れたいと思います(ちなみにこの話は、高校生に限った話になってしまいますので、大学生は関係ありません)
高校生採用では、前回から「地域応援枠」という枠ができました。どういうものかというと、都道府県ごとに応募者数をカウントし、一定数以上になった都道府県については上位数名を優先して採用します、といった仕組みです。この必要応募者数のラインが今回から20人から15人へと変更になりました。より低いハードルで優先して採用してもらえる枠ができた、ということになります。
さらには、もう1つ。これは今回採用からとなりますが、「拠点形成支援事業」というしくみも始まりました。すごく雑にいうと、優先して人数を採用できる都道府県ができました。
今年度は3県が選ばれました。静岡県、石川県、滋賀県です。この3県に関しては、チャンスがすごく広がりました。ぜひ、該当県におすまいの高校生のみなさんにはチャレンジしてほしいと願っています!
最後に ~説明会に参加しよう~
ここまで読んでみて、いかがでしたでしょうか。
非常に複雑だと思いませんか? 、、、複雑なんです!
ですので、もし興味があるという方がいらっしゃいましたら、募集説明会がありますので、そちらに行ってみるのがいいんじゃないかと思います。
高校生向け、大学生向け、それぞれ別の説明会となっています。お間違えのないように。そして、対面開催とオンライン開催の両方あります。詳しくは下記のリンクへGO!
▼高校生の募集情報
https://tobitate-mext.jasso.go.jp/news/detail.html?id=398
▼大学生の募集情報
https://tobitate-mext.jasso.go.jp/news/detail.html?id=399
▼ 音声で聴く
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