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「AIを使って1分間の広告動画を作るワークショップ」と「バラクラバ周辺 その1」と9/3〜9/9の日記

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2023年2月よりオーストラリア メルボルンへ移住。現在はMBA取得に向けて大学院に通いつつ、Absolute MMAというジムでグラップリング/ブラジリアン柔術の練習に励んでいます。
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今週の文章は「AIを使って1分間の広告動画を作るワークショップ」
今週の写真は「バラクラバ周辺 その1」
です。

今週の文章「AIを使って1分間の広告動画を作るワークショップ」

先日授業の一環で、AIを使って1分間の広告動画を作るというワークショップに参加。特に前提知識がない状態から半日でそれっぽい動画を作るところまで一気にやる内容で色々発見も多かったので、その流れと感想を記録しておきたいと思う。

自分が通っているのはメルボルンにあるRMIT大学のExecutive MBAというコースで、このワークショップはマーケティングの授業の一環でRMITのイノベーション/テクノロジー部門の代表の人を招いて行われたもの。後にも書くけれどAIを通じたアウトプットの質の高さよりもうまい使い方と、アウトプットがいかに簡便になるかを学習することに主眼が置かれていたのでそのあたりを念頭に読んでもらえたらと思う。

ワークショップの流れ

今回は先日行われていてオーストラリア国内で大きな盛り上がりを見せていた女子サッカー代表のMatilda'sを題材に、彼女たちのファンを増やすための広告を企画していこうという内容。

まずはMatilda'sの市場を決めるところから。Matilda'sの特徴は?どのようなところに強みがあるのか。競合は誰なのか?どのような価値観を打ち出すのか?など。Chat GPTやBardなどの対話型のAIとの会話を行いつつ少しずつ全体像を固めていく。Inclusiveness, Diversityなどのキーワードが固まる。

次に、キーワードをもとに広告の大まかな方向性を決める。これもChat GPTやBardとの会話を利用する。
例えば、Give me promotion plans to make matildas a role model for young girls and show the inclusiveness and diversityという問いを投げて、それに対する返答をもとに深堀したり角度を変えたり組み合わせたりして少しずつ内容を固めていく。ここでは女の子が厳しい境遇をサッカーを通じて乗り越えていくという内容と、#SheCanというキャッチコピーが固まる。

次に決まった内容をもとにこれもChat GPTやBardを利用して1分間のスピーチのスクリプトを書いてもらう。単語数や背景情報などを指定していきながら案を固めていく。

Bardから引き出した回答の一例

スピーチ原稿が固まったら、その内容に合わせてMid JourneyやLeonardoなどの映像生成型AIを利用してバストアップの画像を作る。

Leonardoを利用して
A bust shot of a young girl from a minority group dressed in Matildas' yellow soccer uniform, staring against the camera with a strong view
というプロンプトで生成した画像

次に、作った画像とスピーチ原稿をd-idというAIに取り込んで、音声による読み上げとそれに合わせた画像の口の動きを追加する。

完成したのがこのムービー

ちなみにこれは失敗バージョンで、画像の中にもう1人いた結果違う人が話し始めてしまった。

ワークショップ内ではここまでの内容だったけど、面白かったのでさらにAIの楽曲作成ツールを利用して音楽を作り、画像ももう何点か作って合体させた完成版がこれ。最後の合体のところはAIで簡単にとはいかず、プレミアプロを利用。でも簡単に出力できることには違いない。

感想/学んだ点

1)出力はどんどん簡単になってくる
上にも書いたけど、ワークショップの主眼はAI使ってこんなすごい作品を生み出しました!ではなく、アウトプットの出力がいかに簡単に行えるか、ということ。逆にいうと、これだけ簡単にアウトプットが行える中で質をどう担保するのかとか、どう差別化をしていくべきなのか?ということ。
このあたりは「DJはボタンを押して楽曲を再生するだけで誰にでもできる」という議論に似ていて、今回のワークショップでも実際に画像や動画を出力する前の議論(マーケットを定めたりキーワードを炙り出したり)に一番時間を割いたし、出力された動画にしても例えばライティングだったり構成だったりしっかりとした知識があればいくらでも改善できる余地はある。
一方で今後は受け手にとって意味がある知識/工夫がどんどん大事になってくるとも思う。どれだけ努力して時間を費やしてもアウトプットに反映できず受け手にスルーされるようなものでは簡単にAIを使って出力されたものと差別化ができなくなってくる。仕事の報酬がどこで発生するかも可視化されて誤魔化しが効かないようになってくるのではないかと思われる。

2)プロンプトエンジニアという技術/職業
AIに闇雲に指示を出しても思った通りの出力をしてくれない場合が多々ある。この指示はプロンプトと呼ばれるのだが、いかに的確に答えを引き出すかを突き詰めたプロンプトエンジニアという技術があり、一部ではこれに特化した職業も生まれつつあるという。
AI自体がどんどん出力・知識を一般化することを目指しているものだと思うので、このような差別化を目論む職業はあまり長続きしないのではないかと思うが、一方で的確なアウトプットを引き出すためには的確な指示が必要なこともまた事実だと思う。
今後成長していく若者や子どもはこのような対話や技術を当然のように身につけていくと思うので、うまくできないとアウトプットの速度や質に大きな差が出てくると思う。

3)出力の著作権
AIを通じて出力される絵や文章は全てインターネット上にある情報を収集して再出力したものなので、全て何かしらもとになっている情報がある(人間がデザインするものも同様に脳の中に溜め込んだものを再出力しているものではあるのだが、直接引用しているかどうかという点では異なる)。この著作権をどう考えるかというのは難しい問題で、まだ明確な決まりは定まっていない。例えばブロックチェーンのような技術を使って出力される画像の中にDNAのようにルートを記録するのか?など色々考えられるが、利用者の倫理、テクノロジーなど多くの面が絡む問題なので簡単に答えを出すことはもちろん難しい。

4)Bardはめちゃくちゃ秀逸
Googleの開発したAI, BardはChat GPTと同じようにプロンプトに対して文章で返信をしてくれるチャット型のAIなのだが、無料のChat GPTと比べると返答の内容や参照する情報の鮮度の面などでだいぶ質がいいように感じた。このワークショップ以来Bardをメインに使っている。

まとめ

ということで今回は授業の一環で、AIを使って簡単な動画広告を作るワークショップをやった話について、流れと気づいた点を記録した。
新しいテクノロジーでいうとiPodが始まった時の感覚が自分の中では記憶に残っていて、mp3プレーヤー?そんなの使い道あるの?MDでいいじゃん?って言ってたら瞬く間に世の中のスタンダードになってしまった。もちろん広まらないで終わるものが大半なので何にでも飛びつけばいいわけではないが、広まる予兆があるものは気づいたら世の中の当たり前になっていることが多い。AIにしてもここまで色々なことができるようになっているとは、わかっていたつもりでも実際やってみると想像以上でめちゃくちゃ面白い授業だった。

今週の写真「バラクラバ周辺 その1」

今週の写真はバラクラバという街で撮った写真です。バラクラバはチャペルストリートを下ってジムのあるあたりよりさらに南にもう少し行ったところにある街で、電車を降りてホームを下っていると見える色とりどりの屋根が広がっている景色が印象的。移民の人が多く暮らしている街らしく、とにかくカラフルな印象ですごく好きな街。今住んでいるところを出たらできればこの周辺に住みたいなと思っている街です。

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