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うつ病体験記13:楽しいことが楽しくなくなった

休職2ヶ月目の2020年2月。
この時期の一番のストレスは、思考停止に対してだった。

何かを考えようとすると、テレビの砂嵐になったように頭の中がジャミジャミする。
文章を読もうと思っても、字を目で追うだけで頭に入ってこないのだ。

特にショックだったのは、ジャズバンドの練習に行った時だ。
※僕はジャズの社会人バンドでトランペットを吹いている。

読めていた譜面が読めない。
読めないと音を出すのが怖い。
出せないとストレスだ。

もうトランペット歴は10年以上だ。
だから、普段は何も考えずとも譜面を見れば「ドレミ」の音階は頭の中でなっているしトランペットの音も出せる。

しかし、思考停止すると音符を見てその音が何かを考えて、その音を出すためのボタンが何かを考えて息を吸って音を出すということを全部考えないとできなかった。

あれ、この音符ってドだよね。
ドはこうやって出すんだよね、と。
音を1つ出すためにかなりの集中力を要し、情けない気分になったのを覚えている。

しかし音楽は一瞬一瞬で流れていくものである。
考えている頃にはすでに次の音に進んでいるので、結局演奏できない、という状態だ。

そして、能力がない、できないやつと思われるのも怖くなり、怖気づいてしまってさらにできないという泥沼パターンに、精神的に疲れてしまう。

バンドメンバーは仲良いしそんなこと思う人なんていないのに。


映画なんかもそうだ。
映像が流れているのをただ見るだけになる。

解釈をしようとしても頭が働かない。
なんともストレスが溜まり、なんとも厄介な病気である。

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