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【絵本 まっくろネリノ】~自分を好きになったネリノ


自分が人となんか違うと感じることは、きっと皆が感じていること。
「自己肯定感」という言葉が流行語のように使われている。

幼少期に、周りの大人が子どもに与える様々な態度や、言葉が、思いもよらない傷を子どもに残すようになったりする。

また、その様な時に、大人もふと、後悔の念に襲われたりすることが多い。
はげしく落ち込んでしまうこともある。

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ストーリーは、自分がまっくろだから、おにいちゃんたちが遊んでくれなくて、ちょっと寂しいと感じている子が、まっくろだからこそ活躍して、夜の闇にまぎれておにいちゃんたちを助け出すことができた、めでたし。というものですが、

私にとっては、

真黒な末っ子が兄弟に認められる、というお話しじゃありません。
仲間はずれだったのに最後は仲良くなれたというお話しでもない。
自分がほかの子と違うのはどこだろ?
それを持って何ができるかな?
誰かを喜ばせることができるかな?
カラフルなかわいいものの中にあって、自分の「まっくろ」があることによって、さらに引き立つものがあって、美しい。それを見つけること。
そして、自分も美しいと思えること。

自分をさがすお話しです。


読んで考えるのではなく、見て感じるえほんです。
人に言われて「自己肯定感」があがるなんて事、ありません。
この人に認められたからとか、仲間に入れたから「承認欲求」が満たされるなんてこともありません。

柔らかなパステル画で描かれたこの絵本は、シンプルで、可愛らしく、おしゃれで、どのページをとっても、その素晴らしいデザイン性で、ポストカードや額絵にして飾りたくなります。作者はデザイナーであり、「まっくろネリノ」が初めての絵本だそうです。そして、どうやら他に出版されている本がないみたいです。うーん、彼女のデザインをもっと見てみたい。

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書店でのおはなし会のあとに、「みんな今日の絵本に触っていいよー」
という時間を時々つくるのですが、この絵本を最後に読んだあとに、小さな人たちが触れたのは、圧倒的に「まっくろネリノ」です。

「かわいそう」と思った子。「この子が一番好き」と思った子。
「赤や黄色」に魅入られた子。様々な表情がとても豊かでした。

えほんはおもちゃとは、ちょっと違うけど、でもしっかり読んでもらった後に、子どもにそれを触ってもらうと新発見がありますよ。
指で触れる、という体験会の日。これはまた他の機会に書いてみたいと思います。

読んでいただきありがとうございます。




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