20230902

 テレビ朝日系ドラマ『ハヤブサ消防団』が結構おもしろい。池井戸潤原作で、銀行や町工場など金融、ものづくりを題材とした作風で知られてきただけに、片田舎の狭いコミュニティにミステリ作家が移住し、連続放火事件の真相を探るうちにある新興宗教団体へと行きつく……といったストーリーに目新しさを感じる。何と言っても、語り手である三馬太郎を演じる中村倫也と、彼の幼馴染で消防団のムードメーカーでもある藤本勘助を演じる満島真之介が素晴らしい。どこまでも自然な演技で視聴者を引き込む中村と対照的に、過剰なくらいにむさくるしい、それでも大げさでなく、逆にピュアさを感じさせる満島の掛け合い、脇を固める演技派俳優陣の田舎のおっさん達ももはや名物のように感じてきたところでその内の一人が欠けてしまい、喪失感を覚えるくらいだ。ここまでは放火犯が誰なのか、というミステリ要素が先行してきたが、これから新興宗教の不気味さが前面に出てくるようだ。次回の放送が楽しみである。

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